「 悪人 」 | 0・・映画toほげほげ

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♪ ほげほげたらたらほげたらポン ほげほげたらたらほげたらピー ♪
★映画のほげほげ等、気まぐれ備忘録★

  " 悪人 "


吉田修一 著


  2010年に公開された映画の原作


 263号線は福岡市と佐賀県を結ぶ全長48キロの国道で、南北に背振山地の三瀬峠を跨いでいる。
 二00二年一月六日までは、三瀬峠と言えば、高速の開通で遠い昔に見捨てられた峠道でしかなかった。
 この日、長崎県郊外に住む若い土木作業員が、福岡市内に暮らす保険外交員の石橋佳乃を絞殺し、その死体を遺棄した容疑で、長崎県警察に逮捕されたのだ。

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 JR久留米駅からほど近い場所にある理容イシバシの店主、石橋佳男は、二00一年十二月九日の日曜日、白衣のまま店先に出て、北風の吹きつける通りを窺っていた。

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 この時佳男の一人娘、石橋佳乃は、福岡市博多区千代にある平成生命の借り上げアパートの一室で、母親の電話に生返事を繰り返していた。
 これが両親との最後の会話になるとも知らずに。

 増尾圭吾は、南西学院大学商学部の四年生だった。実家は湯布院で旅館などを経営しているらしく、博多駅前に広いマンションを借り、車はアウディのA4に乗っている。佳乃と友人はこの年、二00一年の十月半ばに、増尾と天神のバーで知り合っていた。
 その晩、増尾からメルアドを訊かれたのは事実だった。だが、それ以来、何度か彼とデートをしているという佳乃の話は嘘だった。

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 佳乃が、友人と中州で鉄鍋餃子を食べながら増尾圭吾のうわさ話に花を咲かせているころ、十五キロほど離れた三瀬峠のカーブで、男は急ハンドルを切り、砂利敷き路肩に車を停めた。
 男は名前を清水裕一といった。長崎市の郊外に住む二十七才の土木作業員で、先月二度会ったきり、なかなか連絡が取れなくなった石橋佳乃にこれから会いに行くところだった。
 裕一は携帯をポケットから取り出してみたが、佳乃からのメールは入っていない。代わりに画像を開くと、佳乃の下着姿の画像が出てくる。
 このたった一枚の画像の保存に、佳乃は三千円を要求してきた

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      ♢

 佐賀市郊外、国道34号線沿いにある紳士服量販店のガラス越しに、馬込光代は雨の中を走り抜けて行く車を眺めていた。

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<こんにちは。覚えてますか? 三ヶ月くらい前にちょっとだけメールをやりとりした者です。私は佐賀に住んでいる双子姉妹の姉で、そのときあなたと灯台の話で盛り上がったんだけど、もう忘れちゃいましたか? 急なメールごめんなさい >


  一つの殺人事件と出会い系サイトに関わった多くの人物を描く
  殺人は何故起ったか
  加害者は誰か
  被害者は何故死ぬはめになったか

  悪人は誰か


    登場人物がステレオタイプに分類されていので
    ほぼ全員が同じ人を本当の悪人だと感じるのではないか
    皆が似たような感想を抱くのではないか


    原作から妻夫木聡のイメージは湧いて来ないけど
    映画はどうなんだろう


2007年
2009年 文庫化 上265ページ 下275ページ


   行きつけの飲み屋さんで借りて読みました