負の方向へ | 群馬の税理士・社会保険労務士の開業奮闘記

群馬の税理士・社会保険労務士の開業奮闘記

群馬県で税理士・社会保険労務士の独立開業を目指しています。開業までの間、税金や社会保険・その他経営に関することについて書いていきます。

金融機関の担当者さんと話していて話題となるのはやはり金融円滑化法と経営改善計画についてです。


「平成25年3月末以降は延長せず、出口対策をそれまでに」という方針で1年間の期限延長となっていますが、見えてこない出口政策や23年6月ころからの資産査定の厳格化により、さらに混迷といったところでしょうか。


一部金融機関の融資スタンスがこのところ変わったのでは?と、肌で感じる出来事もしばしばです。


そんな中で作成される経営改善計画についてですが、実態とかけ離れたものも多く、金融機関担当者の方の悩みの種だそうです。


中には税理士が作成に関与しているものでも、裏付けの無い売上増加案や、到底できないだろうと思われる労務費の削減等が盛り込まれた改善計画が上がってくるそうです。


なんとなく想像つくんですが、税理士は合法的に利益を圧縮することには慣れていますが、利益を生み出す点についてはあまり得意ではない(関心はない)のかと思います。


自分でも感じますが、普段は返済必要利益を視点に置きながら、毎月の予算達成などについてお客さんと話していますが、いざ決算になると、少しでも予測税額より納税が減るとホッとする部分があります。


やはり、納税額の過多は顧客とのトラブルの要因になる可能性もあるので、気持ちのどこかで心配な部分があるのかもしれません。


逆に、資金繰りに余裕のある会社が多少赤字を出したりすると、来年の節税対策が一つできたくらいにとらえてしまうかもしれません。


利益を出すという、会社の本来あるべき方向とは反対の、利益を圧縮して税金を減らす負の方向へ常に舵を取る税理士の性質が、経営改善の手助けと言う方向へ全力で向かえない本当の理由ではないかと思います。


とはいえ、赤字法人8割の時代で、お客様から求められるのは当然に節税ではありません。


今回、金融機関の方にご紹介いただいた法人様も、改善のお手伝いができるよう知恵を振り絞って頑張ります。