あと忘れられないのが、

 

自分で作った規則に縛られて

 

する事も

 

行く場所も

 

歩く場所も

 

いつもと同じ に、こだわり

 

赤信号で止まることさえ

 

許せなくて

 

泣き叫んでいたのに

 

息子は涙が出なかったのです。

 

涙の回路が断線していたのだと思います。

 

なのに、

 

涙が出ないことで

 

嘘泣き 

 

泣き真似 

 

親の気を引いているだけ

 

と指摘されて

 

分かってもらえない事が

 

かわいそうでした

 

その後

 

小学校に入ってから

 

確か2〜3年生になって

 

初めて涙が出たとき

 

ハッとしたように

 

息子は洗面台に走って行って

 

鏡に映る自分の顔

 

に、

 

流れる涙を映して

 

指先で触れていました。

 

あの日の息子の様子を

 

忘れることはできません。

 

 

それからしばらくは

 

泣く度に

 

鏡に映る涙を見て

 

自分の涙に

 

手で触れていました。

 

 

私に

 

涙に触れて

 

と、

 

私の手を持っていき

 

触らせてくれたことも

 

ありました。

 

涙は特別!な息子は、

 

道でも

 

駅でも

 

公園でも

 

泣いている子がいると

 

必ず走って行って

 

涙を確認するようになりました。

 

知らないその子の涙に触れようとして

 

驚かせたり

 

困りごとにもなりました。

 

でも

 

触ろうとすると

 

泣いてる子が驚いて涙が止まる

 

と、何度も経験して

 

触れることはやめて

 

じーっと見つめる

 

頭を下げて

 

泣いてる子の顔を見上げる

 

ことは、

 

長く長く続きました。

 

 

泣くと涙が出て

 

少し心が軽くなる

 

 

そんな経験を

 

私は何度も経験してきました。

 

涙の自浄作用

 

って聞いた気がします。

 

 

大切な涙

 

どこからどうやって

 

溢れてくるのか?

 

なかなかに

 

不思議なこと

 

なのかもしれません。