母の口ぐせは

 

お前さえおらんかったら

 

お父さんと離婚できるのに

 

だった。

 

よくケンカしてたなあー。

 

殴ったりはなかったけど

 

顏を合わせるとケンカしてた。

 

私が小学校に入るまでは

 

両親の怒声が、

 

大人の怒鳴り声が

 

ただただ怖くて

 

父のいない時でも

 

ケンカの名残りで

 

イライラしている母は

 

やっぱり安心できる存在じゃなくて

 

怖い存在だった。

 

 

この頃一番の問題は

 

食事。

 

頑張って食べなきゃと思っても

 

ご飯はノドを通らなくて…

 

モタモタしていると

 

『ご飯粒数えとんのか!』

 

と叱られる。

 

叱られたくないけど

 

それでも

 

どうしてもノドを通らなくて

 

しだいにご飯を口いっぱいに詰め込んで

 

トイレに流すことを覚えた。

 

母が目の前にいない時は

 

この手で乗り切ってたンだけど

 

母がそばに座っている時は

 

ダメ。

 

一度バレて

 

ひどく叱られたから。

 

(叱られるのは当たり前だよね 

    食べ物を粗末にしてるんだもん)

 

母もしだいに

 

側で見張るようになった。

 

でも

 

そばに座っていられては

 

緊張して

 

ますます食べられない。

 

ノドが詰まって塞がれてるようだった。

 

母は

 

「早く!早く!」と、

 

テーブルをドン!ドン!と叩いて

 

口にご飯を入れながら

 

飲み込めない風に

 

プレッシャーをかけてくる

 

ほんと容赦なく・・・

 

1日3度の食事は

 

まさに苦行のようでした。