東京都内に私立男子校は31校あります。
このうち高校募集(帰国生入試を除く)を行っているのは18校で、
その内訳は、
中高一貫校が15校で、中学校を併設しない高校は3校です。
現在、都内の私立男子校の90%以上が中高一貫校なのです。
最近では、「中高一貫校に入学するのなら附属中学から」と考える人が多いのですが、
その理由の1つに、高入生が少数派になっているという事実がある。
ちなみに、昭和60年代頃は、海城や豊島岡は高入生が主体の学校だったんですよ
当時の募集人数はだいたいこんな感じでした。
海 城 (中学180名、高校240~350名)
豊島岡 (中学40名、高校400名)
その後、中高一貫教育が強化されて、高入生の割合が減っていき、
高校募集停止の流れとなっています。
高入生が主体の進学校は今でもあるのでしょうか?
高校入試を行っている中高一貫校(15校)について、
中学入試と高校入試の募集人数の比率を調べてみました。
中高一貫化が進んでいる(=中学募集の割合が高い)順に並べると、
以下のようになります。
<中学募集の割合が高い私立男子校ランキング>
中学募集の割合=中学募集人数÷(中学募集人数+高校募集人数)
1 世田谷学園 88.9%
2 学習院 86.2%
3 立教池袋 82.4%
4 桐朋 78.3%
5 巣鴨 77.4%
6 城北 76.1%
7 開成 75.0%
8 本郷 74.1%
9 明大中野 59.3%
10 佼成学園 55.6%
11 日大豊山 49.7%
12 京華 47.1%
13 足立学園 44.5%
14 日本学園 31.4%
15 早大学院 25.0%
これらの学校から、大学付属校を外して、合不合80%偏差値50以上に限定すると、
青色で示した学校(世田谷学園、桐朋、巣鴨、城北、開成、本郷)が残ります。
高校入試を実施している私立男子校については、女子校ほどは減ってはいませんが、
6校しかありませんでした。
本郷は2021年度より高校入試を停止するので、いずれ5校になります。
次に、中入生の割合に注目すると、
高入生が主体の男子進学校はもはや存在しないことがわかります。
世田谷学園を除くと、中入生の割合はいずれも75%前後になっています。
中高一貫校では、高入生は中入生のカリキュラムに追いつくために、
高校入学後に猛烈なスピードで勉強しなければならず、
学校側が生徒を手厚くフォローするために、
「中入生:高入生=3:1」
ぐらいの比率になっているのかもしれません。
今後、本郷が高校入試を停止すると、
私立男子校(5校)の高校募集人数の合計は330名となり、
もはや早大学院 1校の募集人数360名よりも少なくなる――。
私立男子校(進学校)の高校募集人数は減り、
選択肢もどんどん狭くなっています。