「モテキ」の大根仁監督最新作、「バクマン。」
優れた画力を持ちながら将来の展望もなく毎日を過ごしていた高校生の真城最高(佐藤健)は、漫画原作家を志す高木秋人(神木隆之介)から一緒に漫画家になろうと誘われる。当初は拒否していたものの声優志望のクラスメート亜豆美保への恋心をきっかけに、最高はプロの漫画家になることを決意。コンビを組んだ最高と秋人は週刊少年ジャンプ連載を目標に日々奮闘するが……。
近年稀に見る漫画の実写映画化成功例。
いやぁーやっぱり大根監督は良い仕事しますね。相当良く出来てました。
欠点が見つからない。
個人的に現時点で今年の邦画No.1です。
まず、キャストが素晴らしい。
サイコー役の佐藤健くんと、シュージン役の神木隆之介くん。
公開前はビジュアル的に「どう見ても逆だろ!」と騒がれてましたが、蓋を開けてみればベストキャスティングだった気がします。
改めて感じましたが、佐藤健くんは本当に器用な役者さんですね。
これはひとえに彼の演技力によるものだと思う。
特に、終盤の鬼気迫る表情は素晴らしかったな。
相棒のシュージン演じる神木くんもすごく良かった。
担当編集者の山田孝之さんも、熱意が無さそうに見えながらも、実は誰よりも漫画を、ジャンプを愛しているのが伝わってくる。
酔っ払って熱く語るシーンは、高学歴な編集者ってぽくて上手いなぁと感心。
叔父の漫画家役の宮藤官九郎さん、編集長役のリリーフランキーさん、漫画家仲間役の桐谷健太さん、皆川猿時さん、新井浩文さんも原作のイメージに近くて思わずニコニコ。
サイコーの彼女、亜豆ちゃんを演じた小松奈菜さんも、あまりに可愛すぎて二次元の人みたいなところが良いなーと。
中でも、ライバル漫画家の新妻エイジ役を演じた染谷将太くんはさすがのカメレオンぶりでしたね。
でも、人と接することなく漫画を書き続けてきたために、失礼な言動が多かったり、身なりに気を配らなかったりと、相当な変わり者でもある。
まぁただの変人を演じるだけならそれほど難しくないのかもしれませんが、終盤のサイコーとシュージンの仕事場に乗り込むシーンがすごく良くて。
「友情、努力、勝利」という彼ら(とジャンプ)の合言葉をバカにしたように見せて、実は心の奥底ではサイコーとシュージンへの友情が垣間見えるシーンでしたよ。
大根監督は今回プロジェクションマッピングを駆使した撮影にも挑戦。
白紙の原稿に次々と絵が浮かび上がり消えていくことで、漫画の制作過程を表現しています。
ただ描くだけのシーンにスピード感が出ていたし、見応えがあって楽しかった!
実験的な手法に挑む姿勢も素晴らしいなぁと思ったりして。
ちょっと個人的な話なんですが、昔漫画家を目指して漫画誌に投稿していた経験があるので、理解できる部分が多かったんですよね。
漫画って、1ページ仕上げるのに何段階もの手順を踏んでいる。
ネームを描いて、原稿に鉛筆で下絵を描いて、ペン入れして、鉛筆の線消して、ベタ塗って、ホワイトで消して、スクリーントーン貼って、やっと完成。
それを何十ページも描くわけですから、それこそ血を吐く思いですよ。
私自身、32ページの原稿を描き上げるのに夏休みのほとんどを使ってましたから。
それなのに、1ページを読まれるのなんて一瞬なんですよね。
初めての持ち込みで、編集者の服部がすごいスピードで二人の原稿を読んだ時、シュージンが思わず「今のページすごい時間かかったのに」と口にするシーンがあるんですが、本当そんな感じなんですよ。
二人の顔に常に墨やらホワイトやら付いてるの、あれはちょっと大げさだけど。
本当に上手くなると手も汚れなくなるって言うからね。
でも体の変なところにスクリーントーンが貼りついてたりっていうのは日常茶飯事。
あと、ヤンキー漫画を描く福田が、ケンカシーンの為にアシスタントに蹴られて写真を撮るシーンがあるんですが、それもあながち冗談じゃなかったりして。
複雑なポーズを描く時は皆やってるはず。
そんな感じで、漫画を描いた経験がある人や、何かを制作した経験がある人にはさらにグッとくる映画ではないかと。
原作と比べると
「シュージンが秀才設定じゃない」とか、
「エイジの魅力が描き切れてない」とか、
「二人のペンネームは?」とか、
色々と気になる部分はあるかもしれません。
が、私は原作を全巻読んだ上でも、この映画は面白いと思いました。
勿論、原作を知らなくても十分楽しめると思います。
あと、エンドロールも是非注目してほしい!
ものすごく凝っているし、製作陣の愛を感じます。
たぶん熱心なジャンプファンはスローで見たいくらいだと思いますよ。
これはヒットするんじゃないかなぁ。
オススメです!


























