BS・CSの視聴者が増えているのかも | プロ野球の視聴率を語るblog

BS・CSの視聴者が増えているのかも

前回は「HUTはそれほど下がっていないが地上波テレビ番組の視聴率は下がっている」というエントリーでしたが、その数字についてもう少し掘り下げます。

 

前回はナイター中継の視聴率と比較するため、各テレビ局の「平均」値を計算しましたが、今回はHUTと比較するためゴールデンタイムのテレビ局の「合計」値を出してみます。

 

  HUT 合計 差

01 68.7 74.9 +6.2

02 68.0 74.2 +6.2

03 67.0 72.1 +5.1

04 68.3 72.9 +4.6

05 67.6 72.7 +5.1

06 65.8 70.2 +4.4

07 65.8 69.5 +3.7

08 66.0 69.1 +3.1

09 64.3 65.9 +1.6

10 63.9 64.1 +0.2

11 63.7 64.4 +0.7

12 63.8 63.2 -0.6

13 64.2 62.0 -2.2

 

なんと、2012年から「地上波テレビ局の視聴率合計」よりも「総世帯視聴率」の方が高くなるという逆転現象が起きていました。知らなかったぜ…。

 

前回も書いたように、世帯内の複数のテレビで別のチャンネルを見ている場合、視聴率にはダブルカウントされるものの総世帯視聴率には反映されないため、これまでは「HUT」よりも「合計」の方が高く出ていました。

 

ところで、HUTに反映されるテレビ番組は地上波テレビだけではありません。BSやCS放送については個別の視聴率は出ず「その他」とまとめて集計されていますが、BSのみ見ていた世帯があっても総世帯視聴率ではオンとカウントされます。(録画やPCでの視聴は含まれないそうです)

 

つまり、「総世帯視聴率はさほど下がっていないが、地上波合計視聴率は下がっている」という現象の背景には、「BS・CSの番組を視聴している人が増加している」という影響もあると思われます。もちろん、先日書いたように「複数のテレビで別のチャンネルを見る世帯が減っている」ということもあるとは思いますが、それだけでは上記のような「逆転現象」は起きません。

 

なお、2011年7月より地上波テレビ放送がデジタル放送に完全移行されています。それによってテレビのリモコンが変化しBSにチャンネルを合わせる手間がかなり減ったことが、BSの視聴率が(おそらく)上昇している原因なのでは?という説があり、もっともらしく聞こえます。

 

かつては「プロ野球の視聴率を語る」スレでは、「BS・CSはすべて合わせても視聴率4%程度で、地上波放送の視聴率に与える影響はほとんどない」とされていました。実際、2010年に日本シリーズがNHK-BSのみの放送になった際に3.1%(以下)と日本シリーズとしては相当低い視聴率を出していた ことがあり、以前はBSのチャンネルはザッピングの対象になっていなかったものと思われます。とはいえこれも地デジ完全移行前の話ですので、今ではBSの視聴率も上がっているのではないかと思いますが…。とはいえ正確な数字がわからないので定量的な分析は出来ないです。

 

今回のエントリーで、「BSやCSで野球中継を見る人が増えている!」と早合点する人がいそうですが、BSやCSといえど別に野球中継ばかりやっているわけではないので、それはどうかなと思います。多チャンネル化はスポーツ全体にとっては放送される機会が増えるのでよいことだと思うのですが、プロ野球はマスメディアとの結びつきがストロングポイントですので、地上波テレビの影響力が弱まることは必ずしもポジティブとは言えないかもしれません。