20.醒めない夢 | プロ野球の視聴率を語るblog

20.醒めない夢

昨日マトリックスを観なかった、悪い子のために映画のあらすじを説明します。




主人公のネオ(キアヌ・リーブス)、彼は「起きてもまだ夢を見ているような感覚はあるか?」と、自分の存在する世界に違和感を覚えていた。答えを探し求めるネオ。彼はモーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)を訪ねる。


モーフィアスはネオに、世界に隠された真実を知りたいかどうか選択を迫る。「“マトリックス”は真実を隠すための虚像の世界だ。それは人に教わるものではなく、自分で見るものだ」と話す。そしてネオに赤と青のカプセルを提示する。「青い薬を飲めば“マトリックス”について知ることはなく、今までどおりの暮らしが続く。赤い薬を飲めば“マトリックス”の謎を知ることが出来る。その代わりもう引き返せない」ネオは赤い薬を飲む。


プログラムが転送され、ネオは現実世界で目覚める。容器の中で赤っぽい液体に浸かっている自分。自分の体から黒いコードが伸びて、機械につながっている。自分の周りには同じような容器が、自分の横、上と無数に存在している。そこから脱出、モーフィアスに助けられ、現在の現実世界について説明される。


人類とコンピュータとが争う世界になったこと。コンピュータを滅ぼすため人類は青空を破壊し、太陽エネルギーを遮ったこと。コンピュータは自らのエネルギーを得るために、人間から発生する生体エネルギーを利用するようになったこと…。ネオがいたあの場所は、人類を栽培しエネルギーを生み出す施設、そして“マトリックス”とはコンピュータが人類に見せている醒めない夢、仮想世界だったのだ・・・。


(知っている人は、長々とお付き合いいただきありがとうございました)






今回までの議論を正確に理解している人であれば、マトリックスの世界と、(少なくとも最近の)プロ野球の世界との類似点はおかわり・・・じゃなくておわかりでしょう。


・ 野球マトリックスは、メディアを通じてニセの現実(=野球人気に死角なし!)を作り出し、マトリックスに飼われた人々に楽しみを与えます。
・ 飼われた人々から薄く広く、視聴率という形でエネルギーを産み出し、スポンサーを通じて利益にします。
・ その利益を通じて、メディア、プロ野球界はさらに肥え太っていきます。
・ 飼われた人々は自らの判断を停止しており、与えられた現実で生きていく。きっかけがなければその世界で一生を終える人もいます。(徳光とか・・・昨日のアレはなんだ?)
・ マトリックスを脅かすもの(サッカーとか?)には防衛活動により、自らの立場を守ろうとします。


小さい頃からなんとなく野球ファン、だけど球場には行かない、テレビは時々見る、近鉄がなくなるのはよくわからないけどとりあえず反対、楽天に期待、という典型的な『野球ファン』は、いまだに赤い液体に浸かった、飼われた人間なのです。醒めない夢を見て喜んでいる。



まあメディアが利益を上げるこの構図は野球に限った話ではないですが、ここまで長く続いた歴史や、社会に与えている負担が大きいことを考えると、プロ野球が最もマトリックス的であると思います。(俺から見れば、オリックスの赤字と、使われない高速道路の赤字と何が違うの?と思うよ。払われた税金を無駄遣いしてるか、無駄遣いして税金を少なく払うかの違いだけで)




ところで、映画マトリックスのクルーの中にも、
「俺は本当は赤い薬なんか飲みたくなかった!現実なんか知りたくなかった!」
と言って仲間を裏切り、マトリックスに戻ろうとする者がいます。


他人から与えられた価値観でなく、自分で物事を判断して生きていくのはそれなりの苦痛を伴います。
ましてや、自分が好きだった世界(古きよきパリーグとか)が、現実には興行として成り立っていない≒価値がないものだという現実、この世のからくりを知ってしまったら、拒絶反応を起こす人もいるでしょう。

視スレに出てくる荒らし(広義の防衛軍)も、もしかしたらそういう歴史を背負っているのかもしれません…。




井の中の蛙は幸せでした。
井戸の外に何も興味がなかったから。

井の中の蛙は幸せでした。
井戸の外で何があっても関係なかったから。

そしてあなたも幸せでした。
井戸の外で何があったか知らなかったから。





僕も子供の頃は野球ファンでした。