17.野球防衛軍① | プロ野球の視聴率を語るblog

17.野球防衛軍①

新聞、テレビをはじめとしたメディアが、幻の野球ファン、幻の野球人気を生み出しています。
でも、どうしてメディアはそんなことをするのでしょうか。


ここでは、プロ野球ムーブメント初期の話ではなく、末期(90年代~現在)についての話をします。




90年代まで、プロ野球中継は高視聴率を取れていました。
スポーツ新聞にも、特に今のような批判はなく売上をキープしていた。
野球とメディアの蜜月の時代です。



テレビ局にとっては、プロ野球中継は非常に魅力的なソフトでした。
慣れた中継技術を使って、十年一日のごとく目の前の試合を垂れ流して(メディア側に対する批判としてこの表現を使います)いれば、勝手に高視聴率が期待できたのですから。
そのため各テレビ局としては、放送枠の一定の部分はプロ野球中継で計算していたと思います。
制作だけでなく、編成や営業部門としてもありがたい存在だったでしょう。



スポーツ新聞としても、一定の構造に従って紙面を構成すればよかった。
試合展開やインタビューの構成、記事の起承転結など、ワンパターンな展開に従って盛り付ければいい。
仕事の内容も非常に慣れた、ルーチンワーク化していたのだと思います。


メディアはわざわざ知らない他の分野に手を出すこともなく、楽をしていたわけです。


まあ、当時は受け手もそれを望んでいたのでしょうから、別に悪いことではないのですが…。



また当時は試合中継やニュース番組で必要なので、「解説者」の需要が多かったと思います。
沢山の「評論家」「解説者」「ゲスト」などが、プロ野球事業の利権に食い込んできました。


プロ野球帝国によって、多くの人たちの生活が支えられていました。




そして2001年、野球帝国の崩壊が始まります。
テレビ視聴率の低下です。




日本テレビ・読売新聞にしてみたら、巨人戦関連事業は収益の柱になっていましたし、
朝日系列は高校野球、NHKは高校野球とメジャーリーグ、
フジテレビはヤクルト(を通して巨人戦)、TBSは横浜(を通して巨人戦)と、
各メディアが野球関連ビジネスに深く足を突っ込んでいました。



崩壊してもらっては困る。

危機を敏感に感じ取った各メディアは、自分達のために野球を守る偏向報道を始めました。

いや、以前からやっていましたが、それをさらに強めました。



視聴率スレでいうところの「野球防衛軍」の誕生です。



しかし、時間経過とともに視聴率はどんどん下がっていきました。



(続く)