8.プロ野球・冬の時代③ | プロ野球の視聴率を語るblog

8.プロ野球・冬の時代③

現在のプロ野球の運営にとって生命線である巨人戦地上波中継がなくなると、セリーグのうち半分が破産の危機に陥ります。ではパリーグのチームはどうでしょうか。


確かに、パリーグのチームは現在ですらどこも赤字で、親会社が不足分を補填してくれています。ですからパリーグのチームであれば、テレビ中継がなくなっても冬の時代を乗り切れる…とも限りませんよね。



パリーグのチームの親会社が赤字を補填してくれる理由、それは「広告宣伝費になる」というのが大義名分になっています。巨人戦のテレビ中継や、ニュース番組のスポーツコーナーで試合結果を紹介してくれる、「オリックス対日本ハムは…」とNHKのニュースで喋ってくれる、これのために年間50億円も出しているわけです。(脱税、裏金問題はややこしくなるのでここではスルーします)


正直、今でさえ50億の価値はないと思いますが、巨人戦地上波中継がなくなった世界では、きっとニュース番組でプロ野球に割かれる時間も少なくなることでしょう。そんな状態ではまともな広告効果なんて期待できません。


「じゃあ経費を減らせばいいじゃないか」という意見について。もっともなようですが…昨日取り上げた各チームの運営状況の、パリーグ編を紹介します。



<各球団の運営状況・端数や項目は多少改変>


球団

売上

放送権

差額


 

支出

年俸総額

損益

年俸を除く経費

ダイ

58億

8億

50億


 

68億

26億

-10億

42億

西武

60億

3億

57億


 

不明

22億

不明

不明

近鉄

45億

3億

42億


 

85億

20億

-40億

65億

日公

35億

3億

32億


 

74億

22億

-39億

52億

オリ

45億

3億

42億


 

75億

17億

-30億

58億

ロテ

21億

2億

19億


 

56億

19億

-35億

37億



上記のようになります。この中で支出を切り詰める…というと、前回紹介した広島が参考になるでしょう。現在でも親会社を持たず、選手年俸を切り詰めながら運営している球団です。


広島の年間経費は64億です。となると、パリーグの各球団は現在70~90億で運営しているので、差額は20億程度でしょう。支出を切り詰めても現在穴埋めしてもらっている50億には遠い数字です。つまり、どんなに節約をしても親会社の補填なしでは運営が成り立たないということです。



親会社が手を引いたらパリーグは潰れます。実はわざわざこんな表を持ち出さなくても、あんなに客が入っている(水増しもあるけど)ダイエーですらひとり立ち出来なかった、という事実だけからでも明らかです。そして『Xデー =巨人戦地上波中継がなくなる日』こそが、親会社が球団運営から手を引くタイミングであり、パリーグはもしかしたら全チーム消滅するかも知れません。



深夜のサッカー続きで疲れてるので、今日はここまで!