入口でこれを渡された時、「あれ?思ってた映画と違う?」と一瞬考えましたが、こういう場面がちゃんとありました。
というわけで、話題の「この世界の片隅に」を観ました。
物語の感想を書くのは苦手だし、どうしてもネタバレしてしまいそうなので書きません。
ただ、ただ、「この映画を作ってくれてありがとう!」と思いました。
それほどすばらしい映画だと思います。
思えば小学2年生の時、クラスに1枚だけ割り当てられた映画チケットの争奪じゃんけんに何故か勝ち進んでしまったわたくし。
観たくもない戦争映画(実写)を観に行かざるを得ない状況に陥り、ただただ悲惨でかわいそうで救いのない物語を耐え忍んで鑑賞したのでした。
おまけに感想文を提出しろというし。
・・・・戦争は二度としてはいけないと思いました・・・
これを原稿用紙1枚半になんとか引き伸ばし、子供ながらにどうしようもない感想文を提出した様な記憶が残ります。
同じ頃、同級生に広島長崎の原爆写真展に誘われて、(確か、絶対に行きたくなかったのに最終的に一緒に行ったのは、その子がじゃんけんに負けて映画に行けなかったことを物凄く悔しがっていたので悪いな・・・と思ったから)小学校低学年にはかなり刺激的な写真を見せられました。
もう少し年齢が上だったら、深く考えるきっかけになっていたかも知れませんが、8つの子供には「戦争は怖い、戦争してはいけない」という教訓の押しつけにしか思えないのでした。
それがトラウマなのかどうかはわかりませんが、普段戦争がテーマの映画は観ないようにしています。(「ライフ・イズ・ビューティフル」ロベルト・ベニーニ監督/主演は好きですが)
でも、「この世界の片隅に」は笑える場面がたくさんあるし、映像が美しいし、なにより戦時中でも明るく生きようとする人々がいきいきと描かれていて、いわゆる戦争映画とは別物でした。
もちろん戦時中ですから爆撃の緊迫した場面や悲しい場面もあります。
それでも最後には、この人たちが懸命に生きてくれたお蔭で今の私たちがあるんだな・・・と、うれしく思えるような映画です。
観たらきっと、人に勧めたくなると思います。
ところで、この映画を見に行った日、映画館のすぐそばで有名フードファイターの方のイベントが開催されておりました。
平和な現代との対比があまりにもくっきり感じられたのでした。