一戸建てで一人暮らしをされていた、ある高齢女性の支援に入ることになりました。


元々は大変お元気で、ご自宅で自立した生活を送られていた方です。しかし、突然足が動かなくなり救急搬送されるという事態が発生しました。


 ​病院での治療が進む中で必要となったのが「キーパーソン(身元引受人・連絡先)」の存在です。しかし、ご本人には普段から行き来のある身内がいらっしゃいませんでした。


最終的に疎遠だった親族の方が代理で立つことになりましたが、これまでほとんど関わりがなかったため、親族側も「何からどう対応すればいいのか分からない」と困惑されている状況でした。
​退院後、治療を終えた段階で「施設入所」の話が持ち上がりました。


 ​しかし、ご本人の想いは違います。
「施設には入りたくない。住み慣れた自宅へ戻りたい」
​一方で、自宅へ戻るとなると大きな課題が立ちはだかります。
​急な病状変化があったとき、誰が対応するのか
​日常的な金銭管理や手続きをどう行うのか
​頼れる親族が近くにいない中、これらを一人で管理・対応していくのは現実的に非常に難しい状況でした。


ご本人と親族、双方の悩みや不安を受け止め、私からは成年後見制度の利用や、社会福祉協議会などが実施している**金銭管理支援(日常生活自立支援事業)**といった権利擁護の仕組みについてご提案・ご説明をさせていただきました。
​話し合いを重ねた結果、現状の体制ではすぐに自宅へ戻るリスクが高いことから、まずは**「施設入所」**を進めるという方針で着地することになりました。


 ​ご本人は「まずは施設で少し暮らし、体力が戻ったら家に帰りたい」とおっしゃっています。
​親族がいない、あるいは疎遠である独居高齢者の支援において、本人の「家に帰りたい」という強い希望と、安全を確保するための「現実的な選択肢」の狭間でどう支援を組み立てるか——支援者としても非常に頭を悩ませる事例となりました。


 ​今後は、施設での生活を支えつつ、本人の「自宅へ戻りたい」という希望を尊重しながら、権利擁護の仕組みなどを整えていくアプローチを模索していきたいと思います。