彼が運転する車で四国の私の実家へ。
3日間プラス半日の旅だ。
車で片道10時間。
車中、とりとめのない話をずっと彼としていた。
長い時間一緒にいても
彼と一緒だと、会話に困ることもなく、
いつも楽しかった。
瀬戸内海を渡るとき、初夏のまぶしい日差しの中、
青い海が映え、
あまりのその美しさに彼は少し興奮していた。
あっと言う間に到着。
母が出迎え、その後、妹が出てきて挨拶した。

日中は、彼の車で、二人で四国巡りをした。
彼は海の美しさとうどんのおいしさ・安さに感動していた。
夜は実家に戻って、母と妹も加わり、夕食は、4人一緒に外食をした。
夕食の席ではごく普通に
世間話をしながら、食事をした。
まあ彼は、基本よく話す人で、どんな人とでも話を合わせていけるし、場の空気を読むのもうまいので、
話もそこそこ弾み、悪い印象は与えていないと思う。
だが、結婚についての話を、いつ彼が切り出すかと思ったが、
それに関しては結局、最後まで何も言わなかった。
母も何も聞かなかった。
この帰省の間、私はほとんど彼と一緒にいたので
彼のいないところで、私は母と妹とゆっくり話す時間はなかった。
唯一少し話したことといえば、食事中、彼がトイレへ立ったときの数分。
「ハハハ、彼、おもっしょいの(おもしろいね)。それに見た?あの派手な靴下!」と大笑い。
「でも離婚しとるけんの。何で別れることがあるんやろ?子どももおるのに。あんたがいいという人なら、もうしゃーない(しょうがない)と思うけど。あんたもいい年やし」と文句を言いたげ。
「でもまあ、離婚して苦しみも味わっとるだろうけん、その分、人間的に成長しとるんかもしれんけど・・・」
「やさしそうな人やわ」
これだけだった。

彼が母に結婚の話を何もしなかったことがちょっと心残りだった。
事前に結婚するつもりで、実家に行くと伝えてあったので、そういうつもりで来たとは分かっていたと思うのだが。
彼も、本気で結婚する気があるのだろうか?
それなら男らしくきちんと言ってほしかったな。
後で彼が「(かえでの家族に)どう思われたのかな」と言っていた。
「私もゆっくり話してないからわからない。それに向こうも何も言わないから。でも気に入ってくれていると思うよ」
最後に母が「東北にかえでの姉とその家族が住んでいるから、二人で旅行がてら寄ってきたら?」と言っていたことを
彼が「あのときああ言っていたから、反対はされていないと思ったんだけどね」と言っていた。

今回の帰省で、

初めて3日間と半日もの長い間、ずっと彼と一緒にいたわけだが、

やっぱりここまで性格的に合う人は他にはいない、
もうこの人で間違いない、という気持ちが強くなり
もうこの人に迷いはなかった。

それから、もう一つの気づきだが、妹が変わったな?と思った。
姉妹なのに、私たちは仲がいいとは決して言えなかった。
子どものとき、妹は家でほとんど何も話さない子だった。
友だちとは出かけたりよく電話がかかってきたりしていて、運動部の主将をやったりしているのだから
外では普通に話していると思うのだが、家ではほとんど話さない。
母も「あんたは学校での出来事をいろいろ話してくれるけん、わかりやすいんやけど、あの子は何も話さんけん何考えとるんかわからん」と言っていた。
それに妹は特にわがままだった。三人姉妹の末っ子ということもあり、母や祖母も、私や姉と比べてどうも妹に対して甘いような気がして、それも頭にきた。
たまに話せば、いつもけんかになっていた。
存在自体も嫌で、ほとんど口をきかなかった。
お互い、接触を避けている関係だった。
友達は、よく姉妹でどこかへ出かけた、などと話していたが
私たち姉妹にはそんなことは考えられない。
その妹が、彼に積極的に話しかけていたのだ。
「あれ?こんなに社交的だったっけ?」と思った。
私に対しても、色々話しかけてくる。
以前より明るくなったかなと思った。

関東へ帰るとき、玄関で妹が私に言った。
「アトピーが治るかもしれない、ちょっとしたすごい人を知っとんよ。その人に会わせたい。近々もう一度、帰って来られる?また連絡するわ」と。
このときはそんなに深くは考えずに何気に聞いて終わったが、後々、このことが意外にも、私の中で人生を左右するほど大きく考えさせられることになるのだった。