わたしの大好きなお寺さんです
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創建:1285年(弘安8年)
山号:松岡山
宗派:臨済宗円覚寺派
ご本尊:釈迦牟尼仏
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開基(創立者)は北条貞時、開山(初代住職)は覚山尼と伝わります。
明治時代に入るまではご本山をもたない独立した尼寺で、駆込み寺、縁切り寺として、夫の横暴に苦しむ女性の救済場所でした。
そのため、家庭裁判所としての役割ももつ、ちょっと特殊なお寺さんだったようです。
覚山尼さまは、安達義景を父に、北条時房の娘を母にもつお姫さま。
夫は、鎌倉幕府第8代執権・北条時宗。
息子は、第9代執権・北条貞時です。
安達義景は、『徒然草』184段に出てくる「障子の切り貼りをして、世を治むる道、倹約を本とす」と、わが子時頼(鎌倉幕府・第5代執権)に教えた松下禅尼のお兄さん。
北条時房は、鎌倉幕府の初代征夷大将軍・源頼朝の正室、北条政子の弟。
※母親は別のひとです。昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では瀬戸康史さんが演じられていました~
そんな、何不自由なく傅かれて暮らしていたであろう由緒正しきお姫さまが、夫の死後に時の権力者である息子を後ろ盾にして、夫の暴力などに苦しむ女性を救済する政策を行なったと言われ、これが駆け込み寺の始まりとされているのです。
わたしが東慶寺をだいすきな理由のひとつが、ここです。
ぬくぬく、何不自由なく生涯をおえることもできたはずなのに、苦しむ女性を助けるために立ち上がったこと。身分があるからこそできること、というか、身分のあるものにしかできないこと、それを理解された上で 身分の上に胡座をかくことなく苦しむ人のために行動したこと、その、優しいきもちと行動をおこしたつよい心を、心から尊敬します。
かつては、鎌倉尼五山第二位の格式を誇り(ちなみに、尼五山のなかで現存するのは第二位の東慶寺だけです。)代々、身分の高い女性が住持をつとめたそうで、後醍醐天皇の皇女用堂尼が5世住持として入寺してからは、『松ヶ岡御所』と呼ばれるようになりました。
用堂尼さまは、鎌倉に幽閉され、のちに殺害されてしまった護良親王の腹違いの妹(もしくは姉との説も…)です。
20世住持の天秀尼は豊臣秀吉の孫娘で、大阪夏の陣で自害したとされる豊臣秀頼の娘。
お母さんは秀頼の側室でしたが、秀頼の正室であり、徳川家康の孫娘である千姫の養女分として保護され、東慶寺に入ることになりました。
(秀頼の息子、国松は男の子ということで殺されてしまいました。涙)
入寺の際、徳川家康に『なにか願いはあるか?』と聞かれ、『東慶寺の寺法が絶えることないように』と答え、許しを得ました。
このとき、天秀尼はまだ7歳…。
これ、すごいことなんですよね。
あの徳川家康のお墨付きをいただいたのですから!
江戸時代には、大名行列も東慶寺の江戸登城の折などの行列には道を譲ったといわれています。
当時、このお寺に助けをもとめた女性たちは、どんな思いだったんでしょ。
きっと、命がけですよね。
駆込み寺へにげこむ途中で夫につかまり、つれもどされてしまう人はたくさんいたそうです。
(バスも電車もタクシーもないし、、徒歩だし、、)
寺法では、東慶寺の門の中に身につけているもの(草履とか、かんざしとか。)を投げこめば、その時点で本人が(助けをもとめて)駆け込んだと同じこととみなされ、たとえ寺門前で夫につかまってしまったとしても保護してもらえたそう。
そうなると夫はもう手だしできないんですね。
保護された女性は寺役所で取調をうけ、まずは現在でいう協議離婚にむけ、裁判がはじまったそうです。
たまに素直に応じない夫もいたようですが、けっきょく抵抗はできなかったとか。
どんなにひどい扱いをされても、女性からはぜったいに離縁できなかった時代。
そんな男女差別のはげしかった時代によわい立場の女性を守ったのは、女性だったんだな〜
立ちあがった覚山尼さま、その志を引き継いだ代々の住持の方々…、すてきです。
(ㅅ´ ˘ `).✽*
ところで、ところで…。
先日、久しぶりに東慶寺を訪れましたらこのような看板が掲げられておりました。
『境内全域、撮影禁止。』
いつの間にか、境内全域において、撮影は禁止となっていました。
だいすきなお寺さんなので何度も訪れていますし、わたしのスマホやPCの中には過去に撮影した境内の写真がたくさんあるのですが…。
本日は写真は控えさせていただくこととします
(公式のHP、Instagram、Facebookがあるので、その中で境内の様子を見ることができます )
現在は尼寺ではないのですが、いつ訪れても、境内は女性らしいやわらかくて優しい気が流れているように感じます。
ただ手を合わせ、しーんと静寂を味わいながら境内を歩くのも良いです。
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松岡山 東慶寺
〒247-0062
神奈川県鎌倉市山ノ内1367
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※JR横須賀線:北鎌倉駅から徒歩4~5分
以上、きょうも最後まで読んでくださり、ありがとうございました