昨日は仕事中に泣き出しそうになったりしてとてもつらかったけど、上司に彼と別れた事を話して、少し泣いたら大分気持ちが治まった。
上司が私を抱き締めてくれた。頭を撫でてくれた。
私が求めていた事を、私に慰めをくれた。
黙って話を聞いてくれて、私の味方になってくれた。
昨日の私は上司に救われた。
今日の私は、朝から胸も頭にも失恋の痛みは無く、買い物や運動で気を紛らわせる事が出来た。
途中、彼と何度か行ったお店を見て胸が締め付けられたけど、痛みは長く続かなかった。
こうして気を紛らわせながら、未練だとか傷付いたプライドだとか、自分の将来とか、つらいこと皆少しずつ受け入れながら、また普通に暮らしていけるはずだ。
虚しさが頭を支配したときは、お気に入りのエクササイズDVDで運動するんだ。
それもダメになったら、好きな漫画や音楽を探すんだ。
ダイエットもしよう。
机に向かうと昔の記憶に支配されてしまう私だけど、毎日その記憶に打ち勝ちながら資格の勉強もするんだ。何度だって打ち勝って来たんだ。
幸せ混じりの彼との記憶なんて屁でも無いはずだ。
今、彼のことで頭がいっぱいで、却って良かった。
失恋は、大したことじゃない。
私はもっともっと辛いことに支配され続けてきたんだ。
好都合だ。
今はその辛いことに支配されてるんじゃない。
彼との記憶に、彼に受け入れられなかったことに、彼に切り捨てられたことの悲しみに支配されてるだけだ。
私は何も失ってない。
彼と一緒にいて無駄に膨らんだ自信や希望が元の形に戻っただけだ。
得られたものの方が多い。
幸せだった時間、これからの課題、
まだハッキリ感覚があるそれだけで、今は過去を、私を苛んできたクソみたいな過去を、
見えないようにしてくれている。
それはとても心強いものだ。
私は一人じゃない。
彼と過ごした時間だって力になるだろう。
最初から別々の人間同士だ。
別々に歩んでいた。たまたまちょっとの間、一緒の道を並んで歩んだだけ。
幸運なことだ。
良い出会いだった。
一人でいるよりずっと良かったんだ。
幸せを感じることが出来たんだから。
きっと、彼との過去とはうまくやっていける。
記憶が薄れるまでは、上手くやっていくんだ。


他人の幸せを祝福し、私自身を肯定し、
彼の幸せも願えるように。
私はそんな人間になりたいんだ。
それが楽な生き方だと思うからだ。

大切な人の幸せを壊さないように、守れるように、力が欲しい。

去って行った、大切な人たちのことだって、幸せを願っていたいんだ。

そう心から願えるだけの余裕が欲しい。