長くなった。 | さくら色のブロカント。

先日、故郷に行ってみた。


と言っても、あたしは、生まれたところ、実家のあるところ、幼少期育ったところ、学生時代過ごしたところ、とたくさん故郷と呼べるところがあるのだが、今回訪れたのは、最も繊細で後にトラウマとして影響を及ぼしやすいと言われる幼少期を過ごした広島は三原というところ、である。確かに、この時期、担任の先生など、大人との関わりの中であった出来事は良くも悪くもすごく鮮明に覚えていて、未だになにかの時に思い出す。子どもにとってはすごく大切な時期であるのだと理解しえる。


そんな時期を過ごした三原。原爆ドームには遠足で行くような位置ではあるが、そんなに大きな都市ではない。が、三原は「新幹線が止まる」のである。昔はそれがちょっぴりステイタスであった…。



駅前には、やっさ祭の像が出来ていた。



三原と言えば、タコとやっさ祭、というほど、まぁまぁ有名なお祭りで、やっさ祭の時はかなり賑わうのだが、コロナ以降は行われてないらしい(´・_・`)。


建物は建て変わってだいぶ風景は違っているが、道の感じは変わらないので、記憶を辿って歩いてみる。と、割と覚えているものである。細い路地、高架下、川、こんな道あったょなーと歩いてみる。


で、ふと、前住んでた家どうなってるかな、と思って行ってみることにした。…知ってる、この道、覚えてる。ほとんどが新しい家に建て替わってる。けど、その一角、あったーーー!


住んでた時のまんま。古い壁のまんま。薔薇がいっぱい咲いていた向かいの家は更地になってるし、隣の家は新築になってる、のに、この家だけ古いまんま残ってた。感慨深くて何度も家の前を往復してしまったけど、今は家族連れが住んでいるみたいで、子どもと親らしき人たちが庭で遊んでいたので、あまりじっくりも見れず、立ち去る。


その近くに、昔お世話になっていた小児科。歩いてみたら、家から2分くらいのところにあった。子どもの足だとだいぶ遠く感じたんだけどな…。



そして、5歳くらいの時にかばんを失くしてひとりで訪れた交番。



犬の絵が書いてある赤い小さいボストン型のかばんで、中にお金が入ってると思って「いくら入ってたの?」と聞いたおまわりさんに「お菓子がいっぱい入ってる」と言ったあたしの言葉に拍子抜けした様子だったけど、一生懸命話を聞いて、だいぶ下手くそな犬の絵を書いて調書らしきものを作ってくれたのをすごく覚えてる。あのことがあって、しばらく警察の人になりたいって思ってたんだった。


そしてまた、ふと、通学路覚えてるかな…と思って、通った道を行ってみることにした。いまやコンビニとか出来ててほんとまったく景色が違うんだけど、要所要所の道の感じが知ってる感じで…身体が覚えてた、着いた、母校。我が、三原小学校。



坂のど真ん中に大きな柳の木が生えてる柳の坂ってのがあって、その坂を登ると校舎があったんだけど、坂の真ん中の柳がなくなってた…。



柳の木、昔はこのど真ん中にあったのである。この坂、小学生には登るの結構ヘビーだった。柳はある意味シンボルだったんだけどなー。


と、思ったら、門の辺りに植え替えられたみたいで、門の中にあった。もっと太くて大きいと思ってたんだけど、意外と細かった。子どもだったからそう感じただけなのか、それとも植え替えの時、そのままは持ってこれなかったのか…。





桜の花と柳の木のコラボレーション˚✧₊⁎⁺˳✧༚


せっかくなので我も柳と。



よく見ると、頭に柳の花が落ちてきてた。この後しばらく頭に載っけたまま歩いてた。。


そして、さっきの門の外に運動場があるという謎の構造。



懐かしの遊具。



堪能した。引越して以来だもの。懐かしすぎた。


そして小さい頃、母が仕事の間は親戚の人の家で過ごしたのだけど、その家があったところへも。




この辺りの人はタコ漁をしていて、こんな風に家の前が海で、家の前に自分とこの船を綱で繋いでた。タコ天とかおやつ代わりによく食べた。今も変わらず家が並んで船が繋いであった。


そして、昔、よく行ってたお好み焼き屋さんへ行く。


実はこれが今回の旅の目的。このお好み焼きを食べるために三原を訪れた。


お店は、お好み焼き『ぼくちゃん』



これが、昔、よく食べてたお好み焼き。あたしが最もおいしいと思うお好み焼き。今までいろいろお好み焼きを食べたけど、やっぱりここが一番おいしい。


豚玉モダン。麺はうどん。子どもの頃とまったく同じものを注文。目の前の鉄板で焼いてくれるのだけど、焼き方もあの頃と同じで、焼いているのを見てるとなんか感動してしまった。代がわりしてるかなと思ったけども、ずっと同じ人が今もやっていた。ただ、高齢で身体も辛くなってきているので、そろそろ店をたたもうかと思っていると。今も営業時間は3時間のみ。あらかじめ、電話で営業時間を確認して、その時間目がけて三原に行った。


おいしい。ほんとにおいしい。そして懐かしい。今は、店自体は以前の場所と違う場所に移動してるのだけど、まったく変わらない味。たしか昔は漫画が置いてあって、ここで『ガラスの仮面』を初めて読んで、芝居をしたいと思うようになったのだった。


子どもの頃、よく食べに来ていたことを伝えるとすごく喜んでくれて、話もいっぱいしたかったけど、とにかく忙しい。ひっきりなしで客が来る、電話で注文が入る。常に5〜6枚のお好み焼きを鉄板で焼いている感じ。これが延々と続く。そりゃ3時間でも大変だわ。こんなに忙しいと思ってなくて、ゆっくり話せると思ってたのだけど、仕方ない。ずっと愛されてるのだなー。


とにかく目的は果たした。前々から行きたいと思い続けていた『ぼくちゃん』行ってよかった。行けてよかった。おいしかった。ありがとう。




さくら。