【登場人物】

・司会(佐藤)…在宅勤務民。今日もこたつ。

・田中…フリーランス。こたつ=オフィス。

・山本…主婦。家事よりこたつ優先中。

・高橋…会社員。カメラはオンだが下半身は秘密。

【場面】

冬の夜。

「新潟こたつ県人会オンラインミーティング」が始まる。

全員、画面には上半身だけ映っている。

司会「それでは本日の議題、『こたつからどうやって出るか』を始めます」

高橋「え、議題そこから!?」

田中「いや大事だよ。ここ3日ぐらい、ほぼこたつと一体化してる」

山本「わかる。出たら負けな気がする」

司会「まず、現状確認。

 “こたつから今日一歩も出てない人”?」

(3人、そっと手を挙げる)

司会「思ったより重症だった」

高橋「でもさ、理屈ではわかってるんですよ。

 ・こたつから出る

 ・着替える

・外に出る

 この三ステップで人生が開けるって」

田中「その一歩目が“ラスボス”なんだよね」

山本「私なんて、洗濯物たたむ用にこたつに持ってきたのに、

 たたまないまま2時間たってる」

司会「そこで、各自の“脱こたつ案”を発表してもらいます」

田中「はい。“タイムアタック方式”。

 『今から10秒以内に出なきゃ、一生出ないぞ』って自分を脅す」

高橋「それ、10秒過ぎたらどうするの?」

田中「“もう一生こたつで生きるか…”って悟る」

山本「解決してない!」

山本「私は、“こたつの向こう側にお菓子を置く作戦”」

司会「自分でハードル作ってる」

山本「でも、取りに行く瞬間だけは出られるから、そこで一気に立ち上がる!」

高橋「なお、戻るスピードも最速」

司会「では、最後に“現実的な案”を」

高橋「えー……“こたつのコンセントを抜く”」

(全員、固まる)

田中「……それは……禁じ手だろ……」

山本「新潟県民から国籍剥奪されない?」


司会「“こたつとの決別”は、まだこの会には早すぎるな」

【ラスト】

司会「というわけで、本日の結論。

 『こたつから出るのは難しいので、こたつの中でできることを最大化する』」

高橋「在宅勤務、読書、映画、オンライン飲み会……」

田中「人生のほとんど、こたつで完結するじゃん」

山本「じゃあ今日は、“こたつ県人会・延長戦”ってことで」

(その夜も、新潟のどこかで、こたつから一歩も出ないまま、熱く語り合う県人たちの会議が続いていく)


いかがでしたか?笑っていただけましたか?


「こたつからどう出るか」を真顔で議題にしている時点で、

もうすでに“こたつの勝ち”が確定している一編でした。


こたつの中から


  • 在宅勤務
  • 家事の計画だけ立てる
  • オンライン会議
  • そして「出る方法会議」



と、どんどん“こたつ中心ライフ”が進化していくのが、

雪国っぽくてちょっと切なく、でもやっぱり笑えます。


最終結論が


「出る努力」より「出ない前提で人生を組み立てる」


になってしまうあたり、

人間よりもこたつの方が、一枚上手なのかもしれません。