【登場人物】

・直樹…生まれも育ちも新潟。でも下戸。

・同僚・山本…県外出身。思い込み強め。

・店員…日本酒バーのスタッフ。空気読める人。

【場面】

新潟駅前の日本酒バー。出張で来た山本を案内中。

山本「いや〜、本場新潟だもんね。

 直樹くんも、もちろん日本酒強いんでしょ?」

直樹「あー……実は僕、コーラ2杯で赤くなるタイプでして」

山本「またまたぁ、新潟人がそれ言う?(笑)」

直樹「言うんです。本気で」

店員「ご注文お決まりですか?」

山本「この“利き酒セット”2人前で!」

直樹「あ、僕ウーロン茶で……」

山本「いやいや、新潟出身がウーロン茶は逆に失礼でしょ!」

直樹「なにその“生まれた場所=アルコール度数”みたいな理論」

(利き酒セットが運ばれてくる)

山本「ほら、一口でいいから。“DNAが喜ぶ”って!」

直樹「DNAにまでプレッシャーかけないで」

(恐る恐る、ほんの少しだけ飲む直樹)

直樹「……うまい……けど、もう顔が熱い……」

店員「お客様、すでに“ほろ酔いレベル”の色ですね」

10分後。

山本「よーし次は“八海山”いってみよう!」

直樹「ちょっと待って、もう顔が“佐渡の夕日”なんだけど」

店員「お客様、そろそろ“限界チャレンジ”から“生存チャレンジ”に切り替えたほうが……」

山本「でもさ、新潟人が飲まないって、なんかもったいなくない?」

直樹「じゃあこうしよう。

 “俺が飲まないぶん、米と水を全力で推す新潟人”ってことで」

山本「……じゃあ聞くけど、直樹くんの“推し”は?」

直樹「新潟の水で炊いたコシヒカリと、お茶」

店員「渋い。けど、いちばん強いかもしれませんね」

山本「なんかもう、“飲めない新潟人”というより

 “シラフ担当新潟代表”って感じになってきたな」

直樹「そうそう。酔っぱらいの帰り道を見届けるのが、僕の“地元貢献”です」

(その夜、日本酒バーの片隅で、

 グラスを片手に赤い顔でウーロン茶を飲む新潟人が、

 静かに「酒豪伝説」との決別をかみしめていた)


いかがでしたか?笑っていただけましたか?

「新潟ってことは、日本酒強いんでしょ?」という一言が、

下戸の新潟人にとっては、もはや国籍確認並みのプレッシャーになっているお話でした。

生まれた場所だけで、

  • 酒豪確定
  • コシヒカリ毎日2合確定
    みたいに思われがちですが、現実はやっぱり人それぞれ。

飲めない人が、ちゃんとシラフで場を見守ったり、酔っぱらいを安全に送り届けたりするのも、

立派な“新潟の役割”のひとつなのかもしれません。

どうかこれからは、

「新潟なんだから飲めるでしょ?」ではなく、「新潟なんだから、おいしく楽しく、自分のペースでいきましょう」でお願いします。