【登場人物】

・智也…新潟在住。「イタリアン」ソウルフード派。

・隆…東京の友人。ふつうに“イタリア料理”を想像している人。




【場面】

新潟駅前。お昼前。




智也「よし、今日は新潟名物食べに行こう!」

隆「いいね〜。パスタ? ピザ? どっち系のイタリアン?」


智也「いや、“イタリアン”そのものを食べに行く」

隆「その言い方、もう国の名前なんよ」




【場面:お店のカウンター前】


智也「すみませーん、イタリアン2つ!」

隆「あ、じゃあ僕、カルボナーラで」


智也「ないよ」

隆「えっ?」


(トレーに乗って出てくる“焼きそばにミートソース”)


隆「…………」


智也「はい、イタリアン」




隆「……これ、“焼きそば”に“ミートソース”……?」

智也「そう。“国籍:新潟”のイタリアン」


隆「パスタはどこ行ったの?」

智也「パスタのポジションは“焼きそば”が担当してます」


隆「じゃあミラノでもローマでも食べられないの?」

智也「新潟市と長岡あたりで高確率で出現します」




一口食べた隆。


隆「……うまっ」

智也「だろ?」


隆「なんか、“学食で出てきたらテンション上がる味”だ」

智也「それが新潟では“街の味”として大人になっても続くのよ」




帰り道。


隆「東京帰ったらさ、“イタリアン食べてきた”って言ってもいい?」

智也「いいけど、9割の人が“おしゃれなやつ”想像すると思う」


隆「じゃあ正しくはこうだな。

 “新潟という国の、イタリアンという料理を食べてきた”」


智也「うん、それなら誰も正しくは理解しないけど、なんか合ってる」


いかがでしたか?笑っていただけましたか?


「イタリアン食べに行こう」が、

東京の人には“オシャレなコース料理”として届き、

新潟の人には“焼きそばにミートソース”として届く、この情報ギャップ。


説明すればするほど

「それ、どこの国の料理?」と混乱していきますが、

ひと口食べた瞬間に

「……うまっ」で全部チャラになるあたりが、

まさに新潟ローカルフードの底力だと思います。