まるふくモータースのブログ

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── 懐かしさと、思い込みの危険。

「加速しなくなったので修理よろしく~!」

そんな連絡をいただき、入庫した車両は
日産・ラシーン


実際に試運転してみると…

まずは症状確認のため、試運転。

ごく低速域では、正直そこまで違和感はありません。
しかしアクセルを踏み込むと状況は一変します。

  • エンジンがボコつく

  • 回転数がスムーズに上がらない

  • 車体がガクガクして、加速しない

お客様のご不満は、すぐに再現できました。

体感としては、
「力が欲しいところで、燃料が足りていない」
そんな印象です。


懐かしい症状。でも思い込みは禁物

正直に言うと、

「ああ、昔よくあったやつだな」

と、少し懐かしさを感じたのも事実です。

ただし──
思い込みは診断の敵。

「昔こうだった」
「よくある症状だから」

それだけで決めつけると、
だいたいロクなことになりません。

ということで、一つずつ潰していくことにします。


スキャンツールが使えない世代

この頃の日産車は、14Pコネクターを使用しています。

幸い、14P変換コネクターは手元にあったので接続を試みましたが……
残念ながら通信不可。

久しぶりに、
完全に自力診断コースです(笑)


まずは燃料系から

最初に行ったのは、燃圧測定

症状が出ている状態でも、

  • 燃圧は安定

  • 低下や乱れなし

燃料ポンプ・レギュレーター系は
問題なし と判断。

写真はアイドル状態。


点火系も問題なし

次に、点火の確認。

  • プラグを取り外し

  • アース部と10mm以上離した状態で点火テスト

結果は良好。
点火エネルギーも問題ありません。


残るは「空燃比を作る側」

燃料 OK
点火 OK

となると、
空燃比を作っている制御系の点検が必要になります。

ここからはオシロスコープを使った実走行診断です。


同時モニターで試運転

以下の信号を 同時にモニター しながら試運転しました。

  • MAFセンサー信号

  • TPS信号

  • No.1インジェクター駆動信号

  • O2センサー信号

そして、
症状が出た瞬間の波形をキャプチャ。


青→MAF信号
赤→No.1インジェクター
緑→O2センサー
黄→TPS
 

赤丸の部分で、MAFセンサーの信号電圧が急激に低下しています。
そのタイミングで、エンジンはボコつき、加速しない状態となりました。


気になるのは、やはりMAF

解析していくと、
どう見ても MAFセンサーの信号が不自然

ただ、ここでもまだ決め打ちはしません。


位相の確認(MAF × インジェクター)

ここで、
MAFセンサー信号と No.1インジェクター駆動信号を拡大表示 して確認しました。

吸入空気量の変化に対して、

  • インジェクターの噴射タイミング自体は
    大きくズレている印象はなし

  • 大まかな位相関係としては問題ない

と判断しました。

あくまで私個人の判断ですので、
これが常に正解とは限りませんが……(笑)

少なくともこの時点では、

「位相ズレによって制御が破綻している」

可能性は低そうだ、
という感触を得ることができました。


MAFの「中身」を疑う

次に行ったのは、

  • MAFセンサー 電源

  • MAFセンサー アース

  • MAFセンサー 信号

この3点を 同時モニター した状態での試運転。

結果は明確でした。

  • 電源:安定

  • アース:問題なし

  • 信号だけが、症状と同時に破綻していく

電源・アースが健全な状態で、
信号だけが崩れる。

これはもう──
MAFセンサー内部不良と判断できます。
波形上でも、その過程がはっきり確認できました。


青→MAF信号
黄→MAFセンサー電源
赤→MAFセンサーアース

MAFセンサーの信号電圧が不安定な状態でも、電源およびアース電圧は安定していました。


上の画像を拡大すると、
MAF信号が徐々に破綻していく過程が、そのままキャプチャされていました。


MAF不良、確定

これまでの検査結果を総合し、

  • 燃圧 OK

  • 点火 OK

  • 配線・電源・アース OK

  • 信号のみ破綻

ということで、
MAFセンサー不良と確定しました。


リビルト品に交換 → 完治

今回は、
リビルトのスロットルASSY(MAF一体型)で対応。

交換後、

  • 同条件で試運転

  • MAF信号をモニター

  • 波形に乱れなし

  • 加速不良も完全に解消

無事、作業完了です。

リビルトパーツで対応させていただきました。




MAFセンサー交換後の信号波形。
絶好調でまったく問題なし!


今回のまとめ

今回のラシーン、

  • 症状自体は「懐かしい系」

  • でも、決めつけず

  • 波形で確認し

  • ECU目線で判断

結果として、
最短距離で原因にたどり着けた案件でした。

昔の車ほど、
「経験」と「思い込み」は紙一重。

だからこそ、
今も測る価値がある と改めて感じました。

 

 

おわりパー

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