神が天降り坐す磐座の天岩戸神社〜冬至丹後元伊勢行(8) | 日々のさまよい

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日室嶽を遙拝し岩戸渓谷へと下る〜冬至丹後元伊勢行(7)←(承前)

 

 

 

 

岩戸渓谷を流れる急流。

 

豊受大神社のほとりを流れる宮川が、その上流に鎮まる皇大神社の近くで五十鈴川と名を変えて、この川はさらにその支流となりますけれど、名前は何というのでしょう?
調べてみましたが、ちょっと分からないままです。

 

また、ネットでこの場所の写真を色々と見ましたが、これほど流れが激しい状況は珍しいように思えました。
中にはノンキに川の中へ入っている方々の様子もあったりしましたから、この日はこの日で見応えのあるお姿だったようです。

 

 

 

 

懸造(かけづくり)の本殿。

 

実はこの時、これが本殿というよりは、背後にあるご神体を拝するための拝殿的役割を果たしていることを知りませんでした(泣)


本当に、詳しいことを何も調べないまま行ってしまったので、ご祭神さえ分からないまま「山の神さま、水の神さま、コンニチワ〜」などとご挨拶していましたし。orz

 

祭神については、先に見た京都府の案内板に、

櫛岩窓戸命(くしいわまどのみこと)

豊岩窓戸命(とよいわまどのみこと)

とあった筈なのですが、神社の案内看板には何も記載がなかったため記憶に残らないままでした。

 


天岩戸神社(あめのいわとじんじゃ)
神:櫛御毛奴命(くしみけぬのみこと)
・・・・あるいは
・・・・櫛岩窓戸命(くしいわまどのみこと)・豊岩窓戸命(とよいわまどのみこと)

 

 

そして自分の探索が足らないため全く分からないのですが、このようにご祭神が二通りで伝えられているようなのは、どうしてなんでしょう。

 

あと、クシミケヌって、どこかで見たお名前だなあと思ったら、あの出雲の熊野大社で出雲国造が奉斎する伊邪那伎日真名子加夫呂伎熊野大神櫛御気野命(いざなぎのひまなごかぶろぎくまのおおかみくしみけぬのみこと)ですよね〜。

 

この丹後に出雲の神さまですから、さすが日本海繫がりです。

 


Wikipedia/天岩戸神社_福知山市

玄松子の記憶/天岩戸神社

 

なお『大江町誌』によると、

祭神は櫛岩窓戸命、豊岩窓戸命、大宮売命、八意思兼命という。

丹後の地名/元伊勢内宮:皇大神社/天岩戸神社(大江町仏性寺)

とのこと…

 

 

 

 

それでこの本殿ですが、何がご神体かというと、背後で川を堰き止めているような姿の巨岩だということです。

 

 

Wikipedia/天岩戸神社 概観/Saigen Jiro


この巨岩は御座石と呼ばれ、神が天降って座したということです。

しかし、この御座石の存在を知らなかった私たちは、本殿の裏手へは行きませんでしたから残念無念。


ただ、たとえ知っていたとしても、足下で急流の渦巻く滑りやすい岩の斜面を手掛かりもなく実際に行けたかどうか、分かりません。
少なくともサチエは、絶対に行こうとしなかったと思います(苦笑)

 

 

 

 

いよいよ、濡れて滑る岩の急斜面を鎖をたぐってよじ登り、本殿へと向かいます。

私が先に上がってサチエへ足場の指示を出しました。


それでも取っ掛かりですでに半泣きのサチエ。

もしこの川へ転げ落ちたらと思うと、私も気が気ではありません。

 

 

 

 

ようやく本殿前に辿り着くと、すがるような目でしばし茫然のサチエ。

狭い足場ですから、少しでもよろければそのまま転がり落ちてしまいます。

 

 

 


何とか呼吸を整えて参拝を終え、川の下流方面を望みます。
流れの先が岩々で隠れるその向こうが、産釜のある辺りのようです。

 

電線が垂れ下がっていますけれど、おそらくこれは、お祭りの際などに電灯を灯すためのものかと思われます。

 

 

 

 

今度は下り。

 

やはり登るより少しは楽なのか、カメラを向けると、緊張しつつも小さく微笑む余裕を見せたサチエ。
油断したら足滑らすよ〜と声を掛けます。

 

 

 


川縁に降りて、もう一度川の下流方面を望む。

 

 

 


サチエ激写の記念撮影。

 

 

 

 

足下の緩い流れへ手を浸したサチエが、謎のポーズ。
後で意味を聞くと、冷たいよ〜、ということだったそうです(笑)

 

 

 

 

本殿を振り返り、一揖して再訪を期します。

 

 

 


産釜の少し上流辺り。
川幅が広がり水深もあるようで、流れが穏やかになっています。

 

 

 


境内を出て、岩戸渓谷沿いの道をゆっくりと下って行きました。

 

何だかずっと目まぐるしい空模様ですが、西へ傾いていく冬至の太陽が、稜線の上から顔を覗かせていました。
ここでまだ15:00頃でしたけれど、この太陽が山へと沈めば、後はあっという間に夕暮れがやって来ます。

 

 

 

 

左手が皇大神社、右下に岩戸渓谷。
ようやくこの日に予定していた参拝を全て終え、サチエはカラ元気のポーズで力を振り絞ります。

 

 

 


みるみるうちに、太陽の光が弱々しくなって来ました。

 

 

 

 

大きな雲が低い位置に居座っています。
あの下一帯は、もしかしたら小雨くらい降っていたかも知れません。

 

 

 

 

道の造成で切り拓かれた崖へ、食らい付くように立ち並ぶ杜の木々。

 

 

 

 

大きく曲がるカーブの手前で振り向くと、私たちを見送るように日室嶽が聳えていました。
ここでも、再訪を期して一揖。

 

 

 

 

元伊勢観光センター駐車場に立つ酒呑童子と記念撮影。

 

列車の時刻に少し余裕がありましたので、行きがけにお蕎麦を頂いた元伊勢観光センターに寄って、地元名産の〝どぶろく〟2本と、漬け物をお土産に買いました。

一応、鬼の好物〝どぶろく〟を酒呑童子の手に提げてお供えの気分です。

 

 

 

 

酒呑童子とサチエのアップ。

 

 

 

 

近畿自然歩道
環境省/自然大好きクラブ/近畿自然歩道

○大江山伝説のみち

鬼の山コース

大江山連峰の山々を尾根沿いに縦走するコース。
〈距離〉14.4km 〈所要時間〉6時間00分 〈難易度〉3
〈区間〉辛皮駅~大江山スキー場~普甲峠~航空管制塔~鬼の岩屋~鍋塚~鳩ヶ峰~大江山(千丈ヶ嶽)~呑童子の里~二瀬川バス停
〈見どころ〉千丈ヶ嶽、鬼嶽稲荷神社、酒呑童子の里

 

元伊勢コース
二瀬川の渓流、現在の伊勢神宮の旧地と伝えられている元伊勢内宮皇大神社をめぐるコース。
〈距離〉4.9km 〈所要時間〉1時間40分 〈難易度〉2
〈区間〉二瀬川バス停~頼光の腰掛岩~鬼の足跡~新童子橋~ 瀬川渓流~鬼の里学童農園~天岩戸山神社~元伊勢内宮皇大神社~大江山口内宮駅
〈見どころ〉天岩戸山神社、二瀬川渓流、元伊勢内宮皇大神社

 

 

 


大江山口内宮駅に戻って来ました。

 

次は、この日の宿泊地となる天橋立は一の宮海岸へと向かいます。

 

 

 

(つづく)→ 天橋立のカモメと戯れて一の宮へ〜冬至丹後元伊勢行(9)

 




 

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