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いま、私の手元には、本とスマホとノートとペン。
静かな世界。
わたしのペースで生きられる世界。
わたしのことを一番に考えて、わたしがわたしのことを大切に取り扱う、優しい時間。
テレビも不要。
それでもスマホがあるので、ときおり友達からの連絡が入る。
わたしの入院を知らないひとからも連絡が入る。
のんびり返信。
過剰じゃないのが、ちょうどいい。
かと言って、わたしはひとが嫌いなわけじゃない。
コミュニケーションが嫌いなわけじゃない。
ただこうして、ときには静かな時間が必要なのだ。
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さて、お待ちかねの朝ごはん❤︎
空腹の身体にしみわたるー♪
洋梨、おいしい❤︎
好きな果物の上位に入る🍐
マイバランスminiは、二度目の登場「バナナ味🍌」、とても飲みやすい。
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エレベーターの音声案内。
「5階です」
これは以前から脳内で「誤解です」に変換されて、
「いえ!それは誤解です!」とエレベーターが焦っている様子が浮かび、ひとりぷぷっと笑っていた。
もうひとつ発見。
「地下階です」
と音声案内するエレベーター。
その建物は地下が1階しかないので、「地下1階」「地下2階」と区別する必要がなく、「地下階(ちかかい)です」と案内する。
この「地下階です」のイントネーションというか、言いかたというか、これがまた、
「ふかかいです」に脳内変換されてしまったのだ。
地下階に停まるたび、
「不可解です」
ちょっとムッとしたような、戸惑い気味のアナウンスをエレベーターが告げる。
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入院中というのは、自分で自分にやさしくするだけじゃなく、医師や看護師、病院のスタッフさんたち、みんながやさしい。
体温、血圧、酸素濃度を測り、体調を気遣われ、食事はぜんぶ食べられたか、便通はあったか、痛みはどうか、と、これでもかというくらい、わたしにフォーカスしてくれる。
それに対して、当たり前だが、わたしはひとつひとつ正直に答える。
そう、この「正直に答える」というのが、とても心地いいのだ。
「大丈夫?」と訊かれたら、
「うん、大丈夫」と答えてしまうクセが、いつの間にやら身についた。ホントは大丈夫じゃないのに。
「しんどい」って素直にいったら、
「なんで? どうして?」って怒られたし。
痛みを訴えても、気にし過ぎだと却下され。
つらいと言っても、あんただけじゃないと返され。
自己管理能力が低すぎる、病気になったのは自己責任だ、と睨まれた。
そっか。
共感されなかったんだな、わたし。
だから、自分のことは言わなかった。言えなかったし、言わないようにしていた。
言うと悲しくなるから。
入院中は病院関係者、みなさんがやさしい。
でも、舌癌になったことを周囲に言えば、また責められると思った。
ん? "また"責められる? 誰に?
(だから言わんこっちゃない)
(それ見たことか)
(自業自得)
(ワガママ言ってるからバチが当たったんや)
(面倒かけんといて)
わたしの頭の中で、これらの言葉がぐるぐる飛び交う。父と母の声だ。過去からの亡霊。
もう放っておいて欲しい。わたしのことは。
心を閉じる。
入院すると、外界から切り離され、閉じた世界の住人となる。
そこでは、自分の状態を正直に答えていい世界。
我慢したりせず、あるがままを答えていい世界。
それは、とてつもない安心感である。
病棟は、わたしにとって安全地帯なのだ。
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お昼前、外来の診察室で、担当ドクターの診察を受ける。
今日も先生、お休みじゃない。
頭が下がる。
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昼ごはん❤︎
回復が順調なので、いまの三分粥を来週からは五分粥に変更しようかと、担当ドクター。
でも、わたし、このとろっとろのお粥、けっこう気に入ってる。
下のほうに米粒たちが沈澱していて、上は重湯。
撹拌して食べてもいいのだが、この重湯がわたしは好きなのだ。
お椀を持ち上げ、たぷたぷと揺蕩う重湯を口に流し込む。
口を糊す。
糊口を凌ぐ。
という言葉が浮かんだ。
状況は違うけど、ああ、こういう状態のことなんだ、と理解する。
クロメバルの味噌煮は、弾力があって楽しい食感。
清汁(すましじる)の具材は、なんとそうめんを細かく刻んだもの。こちらは面白い食感だった。
食事のお供、メイバランスminiは、ヨーグルト味。
ヨーグルト味は何パックもわたしの身体に入っているが、ずっと鼻チューブからの注入だったので、
「おお、おぬしはこういう味であったか。舌では味わえんかったが、しっかり風味は感じていたぞ。あのときは本当に世話になったのう」
と、我が手にあるメイバランスに、今日もお礼を言った。
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夕ごはん❤︎
なぬ? この細かく刻まれてとろっとしているものが、なんと八宝菜とな?
見た目ではわからないが、食べると確かに八宝菜の味がした。すごいねぇ。
南瓜の煮物は定番のおいしさ。
ねっとりとしていて、大満足の食べ応え。
濃い緑の上に黄色が乗っているのは、小松菜の錦糸卵がけ。まあ錦糸状ではなくみじん切りだけど。
そして、ついにきたよ♪ 缶詰のみかん♪
これを見て、あー、あれは夢だったんだ、と腑に落ちた。
というのも、夢でみた缶詰のみかんは、その原型をとどめていたから。
実際に出てきたのは、みじん切りー❤︎
ゼリーみたいで、缶詰のみかんのみじん切りは、けっこうおいしかった!
(※実際には3/12(日)の夕食で缶詰のみかん(原型のまま)を食べています。ボケていました😅)
食事の最後は、メイバランスminiのコーヒー味で締める。
たいへんおいしゅうございました!
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20時過ぎ、娘から連絡。
できれば電話で話したいとのことなので、通話が許可されてるエリアに移動。
「無理してしゃべらなくても、いいよー💦
返事は、うん、うん、だけでいいよー💦」
と気遣ってくれながら、20分ほど話した。
娘、とてもうれしいことがあったので、聞いて欲しかったとのこと。
いろいろ話してくれて、わたしもうれしい。
♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪