これの続きです。
いろいろな感情を抱えながら、実家へと赴きました。
道すがら、お正月に会ったときのネチネチクドクドとしたやりとりを思い出し、それをもとに、父親からの攻撃に対する防御の仕方をあれこれ考え、シミュレーション。
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さて、到着。
玄関の呼び出しチャイムを押す。
~ピンポーン、ピンポーン~
家のなかで鳴っている手応えがある。
すると、、、ドアではなく、2階の窓がカラカラと開いたのだ。
(ん?)
見上げると、その窓から父が顔を出している。
一瞬、怯みかけたが、精一杯、優しく明るい声で、
「こんにちはー」と言ってみた。
返事がない。
聞こえにくかったのかな、と、もう一度、言ってみる。
「こんにちはー♪」
父が、ぐっとわたしを見た。
そして、目を吊り上げ、わたしに向かって、
「ゔー!ゔわんっ!
」
唸り声を上げて威嚇し、吠えたのだ。
(そう、記事のタイトル通りである。)
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?????
なんだなんだ?
いきなりのその対応に、わたしはビックリ、唖然となった
父は、話せなくなったのか!?
とも思ったが、どうやら違う。
母が出てきて、とりなそうとするが、埒が明かない。
そして父は、わたしに対して説教を始めた。
「ひとのところを訪ねるのに、その態度は失礼だとは思いませんか? まずは名前と用件を述べるのが常識というものでしょう。職場でもそういうことは教えてもらっているはずだけど、あなたはそういった常識がなっていない。うるさいようだが、あなたの今後のためにもあえて言わせてもらう」
うーん。
わたしのことを、得体のしれないセールスレディか、騙して金品を奪う詐欺師だと思ったのだろうか???
とにかく気に入らないようで、正論めいたものを振りかざして、わたしを排除しようとする。
母が、
「なにをいっているの、自分の娘でしょ。せっかく来てくれたんだから、家に上がってもらいましょうよ」
と、なだめても、
「娘?そんなヤツは知らん!
家に上げるというのなら、自分で責任を持って上げたらいい。僕は知らない!
」
かなりのご立腹。
こうなったらもうお手上げだ。
とっととこの場を立ち去ろう。
そのためには、わたしも父の物語のなかに入って、ひと芝居。
「申し訳ございません。失礼のほど、お詫び申し上げます。ご指導ありがとうございました。以後、気をつけます。ありがとうございました!」
ハキハキとそう言って、深々と頭を下げ、話を切り上げた。
そのわたしの姿に父は溜飲を下げ、そして自分は正しいことをしたとご満悦のようだった。
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そっと素早く母が手渡してくれた手提げの紙袋を持って、わたしは駅へと向かったのでありました。
(そのなかには果物や食物が入っていました。娘へのお小遣いもしっかり預かりましたよー♪)
はてさて、実家にいた時間、5分間くらいだったか。
そのうちの4分間は、父からの的はずれな説教だったな。
玄関に立ち入ることもなく、門前払いのテイではあったけれど。
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駅のホームで、電車を待っていると、はらはらと涙がこぼれた。
父に吠えられたのが怖かったのか、、、?
否!
実家に入れてもらえなかったことが悲しかったのか?
否!
なんだろう。
この涙は、なんなのだろう。
あれ、なんだか喉のあたりがスムーズ。
胸もあたたかく開いて、呼吸がしやすい。
そして、肩も軽い。
あ。
これって。
ものすごい解放感をわたし、味わっているんだ。
そっか。
その涙なんだ。
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父に吠えられたことも、笑えてきた。
イヌかよ。
弱っちい。
実に弱っちい。
必死に威嚇してくるのだけれど、自分は安全な高い位置から吠えるだけ。
怖がりね。
本当に怖がり。
そして、あいも変わらず、「責任」と「常識」という言葉がお好きなようで。
でもそれってさ、常識をかさにきて、責任を転嫁しているだけだからね。
全部バレバレなんだから。
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ふふ。うふふ。
父が、わたしを、忘れた。
忘れてくれた!
あー、ものすごくラクになった。
うん。
叶った。
