まるこが仕事から帰ると、
イチの表情がこわばっていた
まるこは母親の勘で、
すぐにゴリ夫に何か言われたのだと気づく。
どうした?
何か言われた?
無言のイチ…
そばにいたジロに話を聞くと、
イチが勉強しないで絵を描いてるのを見つけたゴリ夫が、
人生舐めてんのか?
ママの気持ち分かってんのか?
オマエ受験に受かる気ないだろ?!
やる事やらんヤツに飯食わさねーから
って、長々と説教したらしい。
確かに。
ゴリ夫の言う事は間違ってはいない。
しかし、、、
オマエが言うな
人生舐めてんのか?
ってオマエもな!!
ママの気持ち分かってんのか?
ってオマエこそ分かってねーだろが!!
何よりも、
その説教がイチになんのプラスも生まない事が、
まるこは腹立たしかった。
イチはそんな事は全部わかってるし、
さんざんまるこに苦労をかけている状況も全部わかってる。
そして、家庭教師をつけると決めた日から、
イチは変わってきた。
せっかく育んできたやる気の芽を、
踏みにじる
ゴリ夫の説教は自己満でしかない。
悔しさに目が潤むイチ。
ママは信じてる。
イチが頑張りはじめたのもわかる。
だから負けるな。
頑張れ
連れ子の再婚にあたり、
まるこは子育てについてだけは、
まるこに舵取りを任せて欲しいと、
最初から一貫してお願いしてきた。
けれどゴリ夫は、
まるこのいない所で子供達にチクチクと
偉そうに人生の教訓めいた事を語って、
子供達をげんなりさせる
何度言ってもわからないゴリ夫に、
まるこは延々と説教をした。