ちょうど一年前、長男は停学中だった。

あれから一年かー・・なんて懐かしく思うことはないのだ

けど、ちょうど一年目にして信じられない事件が起こった

ので、当時書かなかった詳細を含めてアップしようと思う。

 

かなりの長文になると思うので、時間と根気がある方だけ

おつきあいください。


 

高校2年になった長男がかなり乱れていたことや、

停学になったことは前から読んでくれている人は

分かってくれていると思うのだけど、その理由は

当時はそれほど書いていなかったと思う。

 

我が家は夫くんも私も自分の会社があるので普段は仕事に出ています

いわゆる共働きっていうのでしょうか。それををいいことに、毎日のように

友達を自宅に入れ、酒盛りをしたりなどということも

書いたことがあったけど、そういったことが本当に続き、

長男も、その友達も怒鳴りつけたことはあったけど、

たとえば何かをして警察に補導されたり、

学校を退学になったらどうするんだという話をしても

そんなことには絶対にならないし、なったとしても

自分たちでしっかり責任をとるくらいのことを言って

いたので、それならばどう責任をとるのか見せて

いただこうと思った。

 

私は別に、酒を飲もうがたばこを吸おうがどうも

思わない。

ただ、自分の親や学校の前では良い子にしている

くせに、人の家でしていることと言ったら・・・と

考えると本当に許せなかった。

 

親が大学教授だったり、高校の教師だったり

しているけど、当の親たちは何も知らない様子だった。

 

でもよそ様のことは私には口出しすることではないし、

でも実際、毎日大騒ぎをしているから近所から

苦情もあり、こちらも迷惑はしていた。

けど、悪いのはうちの息子でもあるわけだから。


 

そんなこんなで私は、自分の息子が処分される

ことを覚悟の上で、すべてを学校に話した。



 

当事者である子どもたちと、その親が呼び出され、

校長、教頭、学年主任、生活指導、担任・・がいる中で

子どもたちは泣いていた。

(うちの息子は泣いても通用しないと思っているようで

ずっと下を向いていた。)

 

「自分はそんなことしていません。」

「友達がしていました。」

「悪いと思ってもみんながやっていたから断れなかった。」

 

・・よくもまあ、そんなことが言えるもんだと呆れていた

けど、うちの息子は

「すみませんでした。」としか言わず、それが生意気と

とられたのか、最終的にはそんな状態にしている

我が家が一番悪いという話になった。

 

どこの親も、我が家と、長男が元凶だと思っていた。

 

うちの長男以外は、学年で20位に入るほど頭が良い

生徒だったし、親はしっかりしているととられている

ようだったから、仕方ないのかもしれない。

 

ひとりの生徒の親に、

「今後一切、うちの息子にはかかわらないでください」と

言われたけど、そんなこと私はもう、ずっと前から

こっちがそう思っていましたよって話。

 

だけど、「あいつとつきあうな。」とか

子どもに言えます? 友達を選ぶのは自分です。


 

そうして、他に余罪があった一人が退学になり

長男を含めて3人が停学処分となった。


 

停学中、私は仕事を一切休んで、自宅で長男と

過ごした。

話し合うこともあったけれど、ほとんどはそれぞれが

すべきことをこなしていた。

 

携帯は私が預かっていたけれど、

ほかに停学になったふたりから頻繁にメールがきた。

 

「だりぃ~。今から遊ばね?」

「今彼女が来てるんだけど、プレステ貸してくんね?」

「今ゲーセンにいるんだけど来ない?」


 

・・・彼らの親はいつもどおり、仕事に行っていた。



 

・・・でも。

別によそ様はよそ様。

うちは、うちの子どもをしっかり反省させるだけ。




 

数日に一度、担任が家庭訪問に来た。

学年主任と来たこともある。

 

学年主任は、以前私に

「あなたの子育ては失敗です。」と言った人(過去記事参照)

 

学年主任が来たのは我が家だけだったのだけど、

それは、「素の我が家」を知った担任が、

ぜひうちを家庭訪問してくれと言って

連れてきたというのをあとから知った。


 

リビングに入ってきた彼は、まずまっすぐに

壁一面に貼ってある写真に向かった。

 

小さい頃から、現在に至るまで

家族といっしょに撮った写真をしばらく眺めていた。

 

「自宅での彼は王様ですか?」と言っていた

学年主任は、「王様」でもなんでもない、普通の

長男を見たのだと思う。


 

それ以降学校の対応はガラリと変わりました





 

そうして一年が経った最近、

退学になったひとりの生徒の近況を知る。

 

彼は、やはり学校でトップクラスの成績だった。

我が家に泊まりに来ても礼儀正しく、どの親も先生も

一目置くほどだった。

 

実際、私も最初は長男の高校の友達の中では一番しっかり

している子だという印象を持っていた。

 

けれど、裏では窃盗、恐喝、詐欺を繰り返していた。


 

その親も、先生も、誰も気づかなかったが、

生徒たちは知っていた。私もね。

退学・停学騒動で、彼の素性があきらかになっても

それでも彼の親と、一部保護者は

それが信じられず何かの間違いだと言って、

退学を取り消す運動すらしていた。


 

が、うちに泊まりに来ていたときに、

我が家をいろいろ物色したらしく、

時計や洋服などを盗んでオークション等で売っていた

ことも今になって分かり、警察のお世話になることになった。

 

それでも親は

「うちの息子を信じている。」ということで、

一切の謝罪も、何もない。

 

そしてその本人も、

「おたく(夫のこと)の息子に10マン貸したんで

その借金のカタにもらったまでですよ。」と

言ってのけた。




 

私は自分の子どもたちを信じています。

でもその「信じる」は、すべてを無条件に信じるわけ

ではありません。

それは信じるということではないと思っています。

 

誰かに迷惑をかけたり、誰かを傷つけたり、

誰かに悪影響を与えたりということは、

悪意があろうとなかろうと、誰にでもしてしまう可能性の

あること。

 

人の気持ちを思いやって、相手が嫌がることはしない

どういうことが迷惑なことなんだろうと考えることを

常に教えなければいけないし、

もしかしたら、わが子が誰かに迷惑をかけているかも

ということは、常に考えなければいけないと思う。

それは信じていないわけでもなんでもない、親として

当然のことだと私は思う。


 

素直でとってもかわいかった我が子が、

自分の知らないところでいろいろなことを考え

行動するようになるのは成長している証

 

最後の最後のところで絶対的に信じているけれど、

何かを失敗することは絶対にある。

間違いをおかしていることのほうが多くてあたりまえ

だと思う。

 

そのときを見過ごして、修正しなかったら

今の世の中、それにつけこむどうしようもない人間が

ゴマンといるということを、私たちの時代とは

まるで違っているということを、しっかり認識

しなければ、これからの子育てはかなり厳しいと思う。

 

子どもであるのに、さまざまな情報が飛び交う中で

いろいろな知識を植え込まれる今の世の中は、

親が想像する以上に恐ろしいということを

しっかりと頭にいれておく必要があると本当に思う。



 

これからまだ8歳の娘が、それなりの年齢になる

頃は、どうなっているのだろうと想像すると

なんだか絶望的になってしまうけど、

なんとか踏ん張っていかないといけないぞと

常に気合いを入れる日々・・。