長男が芸能人になりたいという話・・・以前にもしたのだけど
実は受験を直近に控えた1月、長男がある雑誌に載った。

撮影をしたことは聞いていたけど、いつどの雑誌に載るのかは
はっきり知らされていなかった私なのだけど、もし載ってしまったら
ということばかり考えてけっこうナーバスになっていた。

本人は冬休み中で、お年玉ももらって浮かれつつ、
間近に迫った受験のことをほぼ考えていたようだった。

受験まではと携帯を取り上げたのは、万が一雑誌が世に出た場合
友達にそれを知らせたりしないようにとの防戦の意味もあった。

あまりメジャーな雑誌だとは思わなかったから、
本人が「載ってるよ」と言わない限りは誰も知ることは
ないだろうと思っていた。

発売日、長男はそんなことはすっかり忘れていたようだったが
私はこっそり本屋に行き、その雑誌を手にとった。
ペラペラとページをめくるその手は少し震えていた。

そしていきなり、見慣れた顔が飛び込んできた。 びっくりだった。
もちろん、名前も載っている。
なんだか頭が真っ白になった。

と同時に、学校に知られたらどうしよう。 
もしも生徒の誰かが見ていて大騒ぎになったらどうしようと
そればかりが頭を占めた。

でも、学校にはもしかしたら載ってしまうかもしれないけど、
その後の活動はしないと約束していたし、大丈夫かなとか
もうグルグルだった。

家に戻っても、そのことは長男には言わなかった。
それから数日は何もないように時間が過ぎた。

冬休みが明け、学校が始まった。

おしゃべりな二男には、くれぐれも「もしも誰かにお兄ちゃんのことを
聞かれても、ぼくは何もしりませんって言ってね」と言うと、
わかってる!という顔で出かけていった。・・・すごく不安汗
 

学校が終わりかえってくるなり、長男が
「雑誌のこと、クラス全員知ってた」 「みんなに聞かれた」と言った。

「雑誌が出た日に、それを見たヤツがみんなに言ったみたい」と。

二男も、「いろんな人におにいちゃん○○(芸能事務所の名前)に
入ったの?って聞かれたよ」と言う。 
本人よりも二男のほうが聞かれた回数が多いのは、
やはり二男のほうがペロっと言うだろうと思われたのか
それとも本人には聞きづらかったのか。

恐る恐る長男の携帯の電源を入れてみると、メールの着信が100を
超えていた。

それだけじゃない。

「なんかネットで俺のことが書かれてるみたい」というので
私は青くなった。
「どこで?」というと、「分からない」

・・・そりゃそーだよね。ふだんネットなんてしないし。

でも聞くまでもなかった。

ネットで長男の名前を打つと、何件かヒットした。

おそらく同級生か・・少なくとも同じ学校の子からの書き込みに始まって
知らない人たちが息子の名前を出し、語っていることに恐怖を覚えた。

これからの活躍を期待するような応援の発言には
「身内じゃない?」とか「自作自演じゃない?イタすぎ」とか書かれていて
「ふざけんな!身内でも本人でもない!!」と怒りを覚えたりもしたけど
いちいち反論してもしかたないし、消せるわけでもないから
時間とともになくなっていくだろうと無視することにした。

 

こんな無名な小さな小さな長男のことでも、
誰でも見られるネットの世界であることないこと言われるんだから、
本物の芸能人なんて大変だなと、芸能人なんてやっぱり
させるもんじゃないとつくづく思ったりした。

夜な夜な長男の実名はともかく、学校名やなんかが出ていないか
チェックしている私も情けないけど、そのおかげ(?)で今の子どもが
好きな芸能人にやたら詳しくなってしまった自分が怖い。

人のうわさもナンタラっていうけど、時間の流れがいろいろなものを
解決してくれるはず。 


人の苦労もしらず、毎日毎日楽しく暮らしている長男は
ほんと、お気楽だわ。