在宅医療の本質的は、家族支援だと考えています。
人は1人で生きていけません。独居の方の孤独死を検死で見てきました。1人では生きていけないのです。孤独になりたいのは、元気な証拠なのかもしれません。
在宅医療は、通院困難な患者さんにのみ提供することが許されています。誰でもいいわけではありません。在宅医療は、正式に指定を受けた医療機関が提供する保険診療です。つまり大学の教授が提供する者でもないので大学で学ぶことは一つもありません。何故ないかと言い切れるのかというと、大学には生活や暮らしがないのです。勿論私も大学人を長くやりましたので、そこに暮らしている大学人の生活は知っています。ただ、その人たちは元気ですから対象外ですね。
その人の暮らしの中で必要な医療を医師が訪問して行う訪問診療を在宅医療と言います。医師がそこで暮らすのではなく、暮らすのは患者さんであり、家族であり、ささえる人です。つまり、在宅医療は医学的管理という名で報酬をいただいていますが実際に暮らしをささえているのは家族です。家族がいない方は、ささえる人たちとなります。新聞屋さんや、生協の配達、宅配弁当から、電気ガス水道など全てささえる人です。無いと生活や暮らしが成り立たない。在宅医療は、生活医療。そんな表現をする先生方もいらっしゃいます。その通りです。暮らしをささえる御家族を、医療機関としてささえるのが在宅医療の大きな役割だと考えています。家族ができないときは、暮らしの場を変える、つまり入院、入所という方向性に切り替えます。看取りは本質ではなく結果であり、生きることをささえる医療をしています。徹底的に生きることにこだわっています。どうやって生きるのかを患者さんや御家族と相談しながら進めていく作業のようなものです。医師は概ね週一回の訪問診療。ほとんどの在宅ケアは、看護師が担います。家族指導も具体的なケアの指導は、看護師が主体となります。