「サムシング・グレート」などで知られる村上和雄教授の本を読んでいたら面白いエピソードがありました。
ノーベル賞を受賞した、アメリカのある田舎町の教授の話です。
ノーベル賞受賞の後、あちこちから講演の依頼が舞い込んできます。
しかし、講演であちらこちらの町を回っているうちに、この大先生はだんだんとあきてきました。
ある小さな町の講演会の時、この町の人たちは自分の顔を知らないはずだからということで、運転手に向かって、「今日は、君が代わってやってくれ」と言ったのです。
運転手は、もう何十回もこの大先生の講演を聴いているので内容はすべて頭に入っています。
舞台に立っても堂々たるもので、素晴らしい講演をして、拍手喝采をもらいます。
講演の後、質疑応答が始まりました。
そして、少し手ごわい質問が投げられました。
しかし、運転手は平然として言いました。
「素晴らしい質問だ。でも、この程度の質問なら、後ろで寝ている運転手に答えさせよう」
こういう機知に富んだ話は面白いものです。
この教授と運転手はなかなか素敵なコンビですね。