ザーダイン国は殆ど戦をせずに大国となった

 

一体どんなトリックを使ったのか他の国はわからない

 

元々商業を中心にした地域だったのは大きな一因である

 

とは言え軍事力を疎かにして来たわけでは無い

 

多国間の貿易をする場合安全保障は必須だ

 

この世界の時代背景からすれば無事に商品の受け渡しができる確率は極めて低い

 

その為護衛は必須で

 

国の財政を担った商人たちを守るため国軍が保護するようになる

 

一方他国もまた正規兵が野盗に扮して商品を強奪する策略に出た

 

このように戦が無かった訳では無いが

 

戦と言うより策略の一つと言えるだろう

 

恐らくこの地域の人々は戦を好まない性質が強いようだ

 

だから策略が発達して行く

 

戦の弱い小さい国は策略で生き残ろうとするのは自然なことだが

 

基本的に戦下手な地域であるため兵士も剣技を磨く者は多いが合戦を極める軍は無い

 

これはこの地域の弱点でもある

 

それを補うためには策略を磨くしかなかったのかも知れない

 

地政学では環境が民族性を生み出す可能性を強調しているが

 

DNAによる民族性の根拠も未だ否定されていない

 

環境かDNAかという問題は未だに結論は出ていない

 

この地域に住む民族は戦を好まず策略が得意で商業に長けている性質の人が多い

 

原因はともかくその事実だけは変わらない

 

いくつもの小国がこのような争いをしながら商業を中心に発展と後退を繰り返し

 

何千年も経済的な栄枯盛衰を繰り広げて来ていたが

 

ある時期から大きく関係性を変える改革が起きた

 

これは革命と言っても良い程の変化だ

 

突然一つの国が多彩な商法と情報網で他国を圧倒して豊かになる

 

同時に軍事力を強化する反面他国との貿易ルート特に道路の舗装に力を入れ

 

等間隔に宿舎を設備し、道を守る警備宿舎を設けそこへ兵士を常駐させた

 

今まではやりたくても出来なかったことだ

 

少なくとも莫大な資金を必要とする

 

また国境に触れる問題だから戦に発展する可能性も高い

 

今までは戦を好まない地域の性質から一歩を踏み出せなかった

 

この国は商業の成功と共にそれを資金として

 

道の確保舗装工事、道を守る兵士に宿舎や特産物の売店などを設けて

 

その収益を運営資金及び道の開拓費用にあてた

 

新たに兵士を雇用することで殆どの国家間の道を制圧してしまった

 

当初これは事実上の侵略であることに気が付く者は殆どいなかった

 

侵略だと気が付いた頃には時すでに遅く道を塞がれている

 

貿易のルートを断つことで経済制裁を行い自発的にその国へ下る様に促した

 

戦わずして小国は吸収され大国として統一されて行く

 

更に空間魔力持ちや転移魔法の出来る者を貴族待遇で歓待する

 

道に頼らずまた荷馬も必要としないで流通できるルートを開拓することで

 

いち早く他の大国へ安全に運ぶことで信用を得て成功を治め

 

増々豊かになったがその財力を投入して大国間の道も作ることにした

 

道に依存しない新たな流通ルートを開拓しているのに何故道を作るのか

 

それは転移魔法が出来る者は極めて少ないことも理由の一つだ

 

道の開拓により所有権を獲得することで通行税を課した

 

大国間の道の全てに関門を建てたようだ

 

それは決して儲ける為ではなく通る人の選別を目的にしている

 

所謂セキュリティの強化だ

 

様々な魔力持ちを雇い入れ独創的な使い方をすることで

 

この国を強化していた

 

口コミの力の絶大さを知っているこの地域の人々は

 

それぞれ大国となりつつある他の地域の国々へ商人たちを使い

 

様々な噂を拡散させた

 

中でも

 

セイレスの森には魔王軍が存在していていつ人間の世界を襲撃してくるかわからない

 

という噂を浸透させ

 

他の大国を警戒させることで大国間の戦を起こさせない策略にも成功させた

 

この目的は他にもある

 

大国間の戦は貿易の障害となるから起こさないに越したことはない

 

それぞれの大国が自国を確立している間に

 

大国間での貿易のルートを確立させ、その後も戦を起こさせないことで

 

世界的な貿易独占市場を確保したのだ

 

やがて大国が落ち着けば独占市場禁止法が国際法として設立する可能性はあるが

 

それまでの間にぼろ儲けしてそれを資金に軍事力及び道の開拓と維持費に使う

 

通行税は極めて小さく子供のお小遣い程度にして敷居を低くしたのも

 

誰でも気軽に通ることで通行税を徴収する事への不満を抱かせ難くしている

 

また、通行手形を世界中に張り巡らせ密偵に調べさせることで

 

様々な個人情報をビックデータ化して整理している

 

犯罪歴のある者はマークされ、国内で犯罪行為をした場合即座に逮捕して確保する

 

その場で処刑しないのはより明確な情報を入手して仲間も一網打尽に捕まえる為だ

 

まるで蜘蛛の糸に引っ掛かる虫のように犯罪者は確保された

 

また確保された犯罪人の中で使える者は密偵として雇用する場合もあり

 

また才ある者は犯罪を取り締まるアドバイザーとして活用した

 

このような人々は正規の密偵とは違う角度で世界を見ている為

 

その情報からより立体的に世界を分析することが出来た

 

この大国にはもっと恐るべき事実がある

 

これだけの革命と呼べるほどの改革を実行させたのは

 

たった8歳のレセルティア第四皇女なのだ

 

しかも昼夜、職人の分業体制を作ることでたった2年で大国間のルートとして

 

拡大させている

 

商人の口コミ情報に加え密偵がその情報の拡散をする事で

 

大国に影響を与える戦術も確立させた

 

一人のカリスマが革命を起こして世界の常識を一変させることは稀にある

 

残念なことにこのようなカリスマは変わり者が多い

 

このザーダイン国のレセルティア第四皇女も例外では無い

 

先ほどまで機嫌よくしていたかと思うと突然逆鱗に触れた者が現れる

 

場合によっては国外追放か処刑される事もあった

 

気性が荒いという訳ではない

 

起伏が激しいと殆どの人は捉えているが

 

意図的にヒステリックを演じている可能性が高い

 

彼女が激怒して国外追放した者を尾行すると何者かによって消された

 

それが殆どである

 

口封じであることは間違いない

 

処刑した者は国にとって重大な情報を他国へ売ろうとしていた

 

これも後々知った事実だが当初

 

殆どの王侯貴族たちは彼女の逆鱗に触れないようにビクビクしていた

 

頭が良すぎて何に腹を立てているのか誰も理解できなかったからだ

 

数日から数カ月経って初めて理解できるレベルなのだ

 

だが気分でいら立っているわけでは無く

 

ヒステリックにも理由があると貴族たちが認識するにはその後2年を有した

 

彼女が10歳となった今でも

 

貴族たちの誰一人いつ気分を損なうかわからないから

 

必然的に腫物を触る扱いになっている

 

ただ一つ言えることは、彼女の知略はずば抜けている

 

だから貴族たちの狡賢い所業には目もくれないが

 

ある特定の行為に対しては異常なまでに神経質になってしまうようだ

 

父である王ですら彼女に気を遣う程である

 

と言うのも父王ですら言い負かされてしまうのだ

 

気分を害されたというだけの理由で長年誠実に支えてくれた側近を解雇させられた

 

「王よあなたには選ぶ権利があります、この者と私どちらを選びますか」

 

彼女はこの国の皇女でありながら他国へ亡命すると簡単に言ってしまう

 

「そうなれば父上あなたとは敵同士になりますね」

 

このように半ば脅しに近い言葉で大切な側近や重鎮を何人も解雇させた

 

今では彼女は無くてはならない存在なのだ

 

亡命されて敵になられては困るから従うしかない

 

それを咎める重鎮も居るが

 

「あら、気に入らない相手を処断して何が悪いのかしら」

 

鋭い眼光で威圧的に一喝する

 

次第に誰も彼女に進言する者は激減して行く

 

彼女は決して進言して来た重鎮に責を負わせない

 

寧ろ率先して意見を聞くようになるのだが

 

イメージというものは人の潜在意識に入り込み易く

 

彼女への進言の敷居は上がる一方だ

 

それでも狡猾な人間はいるもので冷静に見て

 

彼女は進言した者を即座に処断しないで寧ろ歓待して頼りとしている

 

その事に気が付いて意図的に進言する狡賢い貴族も現れた

 

ところが、このような下心のある者に対して

 

彼女は冷遇して失脚させて行く

 

「命が惜しくない者は私に進言なさい」

 

これが見せしめになり、同じような下心で取り入ろうとする貴族も激減した

 

それでも進言する者がいるとすれば命懸けでの言葉になる

 

「そう言う臣下の言葉に耳を傾けない者は愚か者と呼ばれるわ」

 

彼女が処刑した者は売国行為をしていたり

 

工作員に利用されている者ばかりだと発覚してからは

 

貴族たちは彼女への畏敬の念を抱くようになった

 

相変わらず腫物に触るように接する貴族は多い

 

そんなある日

 

突然の爆発音が響くと城壁が落ちて行く

 

王宮の一部が爆破されたのだ

 

「レセルティア様」

 

爆煙を振り払い城壁を魔力で飛ばしながら爆破された部屋に

 

騎士や兵士が雪崩れ込んで行く

 

突然の光が見えたかと思うと爆煙が一瞬で消えて視界が開ける

 

騎士や兵士たちの目の前に一人の少女の姿が見えた

 

「レセルティア様、ご無事でしたか」

 

「単なる自爆テロでしょ、騒ぐことではないわ」

 

レセルティア第四皇女は何事も無かったかのように歩き出すと

 

シールドで包み込んだ犯人たちが魔力で浮かんで行く

 

「拘束しているけど自害する可能性があるから気を付けなさい」

 

「はっ」

 

「まぁ自爆テロをするくらいだから口を割らないでしょうね」

 

「それでは何故生かしておくのですか?」

 

重鎮の一人が尋ねた

 

「勿論利用価値があるからよ」

 

「敵の正体もわかりませんのに、利用できるのですか」

 

「あら、私が敵の正体に気が付かないとでも?」

 

「レセルティアさまにはこの者達が何者かご存知なのですか」

 

「こんな下っ端のことなど知らないわ、でも誰が差し向けたかは見当がついている」

 

「それは一体」

 

重鎮が聞くとレセルティアは人差し指を伸ばして唇の前で一文字に静止させた

 

黙りなさいという合図だろうか

 

重鎮は片膝をついて合意を示す

 

10歳くらいの少女は大人びた表情で片膝をついている重鎮に

 

孔雀の羽根で作った扇子を向けると

 

「ルガルそろそろ神官に工作員が紛れ込んでいるという報告があがると思うけれど、暫く泳がせるように命をくだしなさい」

 

「それは事実ですか」

 

「神官に懐柔された貴族共を探らせ、片付ける時は一網打尽にすることね」

 

「神官を捉えて吐かせれば」

 

「そんなやり方はコスパが悪いでしょ、時間と労力は節約しないとね」

 

「はぁ、しかしどこの国が送り込んできたのか」

 

するとレセルティアは扇子で口を隠しながら笑った

 

「あなたまで幻想を追いかけるつもりなの、それこそ時間と労力の無駄だわ」

 

「それは一体どういう意味ですか」

 

すると彼女は扇子で騎士の頭を軽く叩いた

 

「少しは自分の頭で考えなさい」

 

「それにしても、この幻想を一体どれほどの国が追いかけるのかしらね」

 

そう言うとまた扇子で口を隠して笑う

 

今彼女の考えている事を理解できる者は恐らくこのザーダイン国にはいない

 

「そうねヒントくらい与えてあげないとあなたたちには見えてこないかしらね」

 

そう言うと魔法で瓦礫を積み上げそこに座る

 

「このザーダイン国の運営の殆どを10歳の私が仕切っているなんて、一体どれだけの国が信じるかしら」

 

しかし重鎮や騎士たちはまだ理解できていない様子だ

 

レセルティアは呆れ果てた顔になる

 

「まぁ良いわ、くれぐれも工作員には手を出さず監視して裏切り者の貴族を付け止めなさい、それから貴族にも工作員が紛れ込んでいる可能性があるから探らせなさい」

 

「はっ」

 

漸く他の貴族たちが慌てて駆けつけて来た

 

その後から漆黒の甲冑に身を包んだ騎士が現れ彼女の前に片膝をつく

 

「レセルティア様、ルーフェンベルク国の第三王子が国を立ちました」

 

彼女の扇子は黒騎士に向けられる

 

「それで何処へ向かっているのかしら」

 

「ザードバイズ国を経由してデボアス国へ向っているようです」

 

「そう、幻想を追うなんてシルバレッド王子も存外大したことはないようね」

 

扇子で顔を隠してから

 

暫くしてちらりと黒騎士を見る

 

「それは、シルバレッド王子の独断、それともルーフェンベルク国の意向かしら」

 

「密偵の話によればルーフェンベルクのドッド王の命を受けてシルバレッド王子が国を立ったと」

 

「そう、それならシルバレッド王子は国への義理を果たす選択をしたわけね、だとしたら侮れない相手である可能性は依然として消えていないわ」

 

すると先ほど駆けつけて来た重鎮の一人が

 

「ルーフェンベルク国と事を構えるおつもりですか」

 

「それはまだわからない、ただルーフェンベルク国は大した相手ではない、でも密偵から聞いたシルバレッド王子の動向には目を見張るものがある、警戒すべきはシルバレッド王子と言うのが私の見解よ」

 

「つまりシルバレッド王子次第ではルーフェンベルク国と戦うこともあるのですね」

 

「そうね、友と為るか敵となるかは彼次第ね」

 

「しかしルーフェンベルク国は戦闘に特化した国です戦となれば苦戦を強いられましょう」

 

「あら戦は軍事侵攻のみだと思わない事ね、戦略的に相手の国を落とす方法もあるでしょ、神官に紛れ込んだ工作員によって大国を傾かせる策略から学びなさい」

 

「工作活動で崩すのですか」

 

「そうね、例えば今軍事物資や技術をサウローン国とヴァルギア国両国に分配販売させているでしょ、その際商人と工作員の連携によって情報をコントロールしている、和解させず睨み合いをつづけさせているのだけれど、これを解消してルーフェンベルク国へ両国の憎しみの矛先を向けさせればどうなるかしら、そこにザードバイズ国も参戦させれば、ルーフェンベルク国は背に海を背負っているカタチになるから追い詰められるでしょ、戦闘に特化した民族であったとしても、三国に進軍されては生き残るのも難しくなるでしょうね」

 

その重鎮は冷や汗を流した

 

「ルーフェンベルク国如きはいつでも落とせるのだけれど、シルバレッド王子には少しばかり興味があるわ、私と同じ年で国の問題を一度に解決させた手腕は面白い」

 

「本当にシルバレッド王子が解決させたのですか」

 

「それは実際会ってみないとわからないわ、だけど考えても見て王子とは言えたった10歳の子供に国の存亡に関わる問題を託すなんて考えられるかしら」

 

「言われてみればそうですね、我々はレセルティア様で少しばかり感覚がずれているのかも知れません」

 

「もう少し頭を使えば、あなたへの宿題の答えは見えて来ると思うのだけれど」

 

レセルティア第四皇女は扇子をルガルと呼ばれた重鎮へ向けながら

 

黒騎士へ視線を移す

 

「シルバレッド王子の動向を尾行を付けず各国に入り込ませた工作員によって調べさせなさい、そして逐一私に報告も怠らないように」

 

「はっ」

 

「尾行はされないのですね」

 

後から駆けつけた重鎮の一人が言う

 

「シルバレッド王子に尾行なんてすれば警戒されるでしょ手の内を隠すことだってあり得る、密偵の話によれば自分の家族にも実力を隠している様子だから相当用心深い性格のようね、だから出来るだけ情報を知る必要があるわけよ、万が一戦うとなればその情報が命運の鍵を握ることだってあり得るもの」

 

「それほど危険な人物なのですか」

 

「警戒すべきはルーフェンベルク国ではなくシルバレッド王子ただ一人」

 

そう言うと扇子で顔を隠しながら笑い出した

 

そして悪戯な笑顔を覗かせ

 

「ワクワクするほどデンジャラスな相手ね、久々に楽しめそう、お手合わせ願いたいくらいだわ」

 

「どうかそれだけはおやめください、国の存亡に関わります」

 

「古来永遠に存続する国なんてないわ、いずれこの国も滅ぶ日が来ることを自覚なさい」

 

「縁起でもない」

 

「少しでも長く存続させたいなら、今目の前の事ばかりに目を向けた政策をしないことね、将来を見据えてみれば、子孫重視に政策すること、それを基本姿勢にする限りその国は揺るがない、あなたは滅んだ国をもっと調べると良いわ、国の存亡はただ侵略されて滅ぼされたという平面的なものではないわ、腐敗が権力者に蔓延していたり、不正が横行している、国が滅ぶ要素は既にその国内で生まれていることが多い、だから国内の腐敗は決して許してはならない、特に権力者、王侯貴族たちはその誘惑に陥り易い、歴史の書にその事は記されていない、時の権力者にとって都合が悪いからでしょう、その事を肝に銘じなさい」

 

「はっ」

 

レセルティア第四皇女は王宮の歴史書だけでなく

 

地方の焚書された歴史書復興に尽力していた

 

歴史の改竄は権力者によって生まれるから王宮の歴史書は当てにはならない

 

他国に潜入させた密偵や工作員たちに

 

その国の焚書された書物で辛うじて残っている本を入手させ

 

本国へ商人を通して遅らせ修復と解読を進めた

 

そこには改竄されていない真実が明記されている可能性があるからだ

 

彼女はその記述を鵜呑みにはしない

 

現地調査させることで真実確認を追求する

 

「この世界の殆どの貴族たちは気が付いていないようね、歴史書には計り知れない程の教訓が隠されていることを、改竄やベクトルを外してより真実に迫れば迫るほどに世界は法則によって維持されている事を認めざるを得ない、それと上手く付き合っている国は栄えて、それに反する国は消えて行く、どんなに軍事力を強化して侵略を成功させ領土を拡大された国であっても例外では無い」

 

だから彼女は先手を打ち世界の中心となったこの国の有利な状況を

 

決して過信していないのだ

 

一方で彼女はもし自分がこの国の敵なら

 

どうしたらこの国を落とせるかをシミュレーションして

 

いくつもの戦略を見つけている

 

その一つ一つに対策も練って逆に罠を仕掛けているのだから

 

この国を攻め入ろうとすれば

 

幾重にも張り巡らされた罠によって壊滅させられる可能性は高い

 

その罠は蜘蛛の糸のように張り巡らされていて

 

どれか一つに引っ掛かれば連鎖的にそこを攻撃するよう仕組まれている

 

様々な情報から敵軍の性質や癖を把握してのそれぞれの攻略法も見つけ出している

 

こうしてシルバレッド王子の情報から彼の性質や癖を読み解き

 

彼に対する罠と策略も構築しつつある

 

それは情報次第でその都度更新して進化させるつもりだ

 

つまりシルバレッド王子がこの国へ足を踏み入れた時点で

 

既に罠の中にあると考えて間違い無いだろう

 

まさか初対面として出会う前から攻略法を見つけ出し

 

その戦略を練られているなど

 

今の龍炎でも予測できないかも知れない

 

どうやら彼女は戦う前から戦略を練って根回しと準備も済ませ

 

宣戦布告した時点で既に勝利を手にしているタイプのようだ

 

いずれ龍炎は彼女と対峙することになる

 

その龍炎は今はまだザードバイズ国にいる

 

つづく

 

 

 

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あとがき

 

結局三話分を一話でというのは小説では難しいようです(=◇=;)汗

 

そこで第15話をもう少し細かくじっくり書き直そうかとも思いました

 

トルクスと三大英雄との関係も彼らのトルクスへの想いも描き切れていない

 

国を守り任される責任感がトルクスとの絆によって導き出される事も

 

全話では描かれていません(=◇=;)

 

しかし、途方もない尺になりそうなので(。-ω-。)ノ ・゚゚・。ポイッ

 

今回はレセルティア第四皇女について触れてみました

 

主人公である龍炎にとっては天敵のような存在です

 

まる☆