【読書】2020年からの教師問題  | とある音楽教師のつれづれ

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 石川一郎著 《2020年からの教師問題》 ベスト新書の一冊です。

 わかりやすい!!  読みやすい!!

という一冊でした。

 前回読んだのが、藤田英典先生の《教育改革》でしたが、こちらは本当に難しい本でした(私の頭が悪いので)。一方、こちらの本は冒頭から終わりまでスラスラと読めます。読みやすいんですよね。

この違い何だろう、と考えたんですが、今回読んだ《2020年からの~》は、小見出しごとに言いたいことを一本化して、それに集中して記述してあるのに対し、藤田先生の《教育改革》は、弁証法で書かれていますので言いたいことが一本化されず、内容が肯定→否定→肯定→否定と繰り返され、また他国と比較されるということで、頭の中が大混乱。一回目の読書では、途中、字を追っているだけ状態となってしまいました・・・。形式が頭の中で整理するまで時間がかかるんですよね。

 

 ということで、我々教師は2020年以降、大教育改革を迎えるわけですが、石川先生、この大問題について・・・簡単に言えば、

 

教員のメンタリティーが問題ですよ~

 

と言及していらっしゃいます。

 

 メンタリティーといえば、精神疲労やうつ病のことかと思いがちですが、そうではありません。この大改革にチャレンジできるかできないか、それは教員自身にかかっているということです。

 

 教育って、社会情勢に合わせて改革されてきたんですよね。例えば、明治国家では欧米からの植民地化に対抗するため富国強兵殖産興業を目指して、戦前は強い日本をってことで軍国主義的な教育、アメリカのGHQが入ってからは自由主義的な教育と来たんですけど、経済の発展とともに高校、大学進学者が急増、苛烈な受験戦争の時代となって、この反動があり、2002年からはゆとり教育・・・、ゆとり教育は失敗だろということで、その反動・・・という具合です。

 

 で、2020年の教育改革の背景は、社会はAIの出現やグローバル化、また多くの仕事で人間の手が不要になるなど、これまでに経験したことのない未知なる社会が待っているということです。そのために学校教育でできることは何か? というのが今回の教育改革なんですね。

 

で、授業を「主体的で対話的な深い学び」にしよう、知識・技術を身に付けよう、思考力・判断力・表現力を身に付けよう、というコンセプトのもと、学校教育が変わるんです。あと、大学入試もですが・・・。

 

 で、一番課題になると思われるのが「主体的、対話的で深い学び」ということでしょうか。これまでは、教員から生徒へと知識を与える授業が多かったと思いますが、これからは、生徒と教員が共に高めあう授業が必要なんです。生徒自身が主体的に学び、生徒が他の生徒や教師と対話をしながら学ぶ、そんなのが理想になってくるんですね。で、これまでは、(多くの教科では)必ず「答え」があって、それを解くということが学校教育の中心でしたが、これからは「答えのない問題を考える」ということが登場しそうです。これは、これから不透明な社会を迎えるにあたって、生徒に答えの無い問題に向かわせるということが大切だという、お偉い様方々のお考えなんでしょうね。学校の授業はもちろん、大学入試もこのような問題が増えてきそうです。

 

 で、石川先生の著書ではこの問題について、政策的にああだこうだのべるのは簡単なんですが、現場を司るのは教師にほかならず、教師が改革を実現してくれないことには改革にならないという警鐘を発してます。ここで問題なのは、教員自身が改革についていけない、負担になるならやりたくないという教員のメンタリティ・・・これこそが石川先生がおっしゃる2020年からの教師問題なんです。

 

 教員って、生徒にわからせてなんぼ、って感じでした。これまでは。授業がわかる先生が素晴らしい、部活の大会で実績をあげる先生が素晴らしいという感覚でしたよね。石川先生は、「そうではないよ」とおっしゃっています。これからは、生徒に「君ならどう考える?」と投げかけて、生徒が悩んでしまう状態(石川先生はこれをモヤ感とよんでいます)をうまく作り出し、生徒のこれまで発掘されていなかった能力を引き出せる教師が素晴らしい教師だとおっしゃっています。

 

 これは確かにそうだ!!

 

で、自分なんですが、答えのない問題を自分の教科で思いつくかっていうと・・・

まったく思いつきません。。

生徒の未知なる能力を引き出せるのか、というと・・

正直、難しいでしょう。

 だって、生徒一人、マンツゥーマンで教えているんだったらできるかもしれませんが、教えるのはたったのたったの週2時間、しかも一度に何10人相手で、できるんですか、これ? え?

 

 どこかの優秀な先生が実践し一人成功する、ではダメなんですよね。全国の教員が実践し成功させるんですよね?

 

  ということで、理想はそうなんですが、現実は難しくないですかね。ただ、政策は理想を掲げなきゃならんので、このようなことを言わなきゃならんのですが・・・それはわかりますよ。それを実行するのは何百万人といる全国の先生方、そして何千万といる生徒諸君、この一つの理想に向かって、全員が突き進むなんてできるのかしら???

 

 そもそも教科書って、改革を実現するならこれまでと同じ形式じゃだめですよね。答えのない問いを教科書に掲載してくれるのかしら、それとも教師自身がその問題を考えろって言うのかしら・・・。

 

 いずれにしても、教員は全員、古い教育で育っています。新しい教育が浸透するまで、めっちゃ時間かかりますよ。スピード感持って取り組むなら、今のうちにアクティヴラーニング推進校との連携や外国の授業、例えばインターナショナルスクールの授業視察など、今から準備しないと間に合いませんね。

 私は、改革を成功させるなら2020年以降は各学校とも、すべての伝統と蓄積をいったん白紙にして、新しい学校経営をする必要があるくらいの度胸が必要と思いますがみなさんいかがでしょうか?そして働き方改革もあります。効率よく改革を実現せねばなりませんね。そんなスーパーマンみたいなことができるのでしょうか・・・。というか、この教育改革によって、働き方まで変えちゃうって一石二鳥でどうでしょう。

改革によって、学校が良くなった、働きやすくなったってなれば、最高じゃ~ないですか。。

 

ご精読のほど、ありがとうございました。