もう…二つ目が終点

そんなアナウンスが聞こえ

降りる準備をした

一つ目の停車駅を過ぎ

ぼんやりと

車窓の向こうに森が見えた


終点の駅に着いた

ざわざわとした人の声

改札を通り抜け

閑散たした駅前を通り

人の行く方向に歩く

あてもなく


しばらく行くと

バラバラに消えた

最後の一人になり

フィと振り返る

自分の影だけが

尾を引いていた


行けども、行けども

宿らしきものがない

段々と薄暗くなり

急に不安になった

仕方なく戻り始め

足の重たさに

気が滅入った


やっとの思いで

駅の待合室に着く

人影のないベンチに

ゴロリと横になり

半分剥がれた

ポスターを眺めていた