どうも、かつたるいです。



やっと、ブログを更新する事ができました。

 


また覗いて下さってありがとうございます。



長く間があいてしまいましたが、皆さん如何お過ごしだったでしょうか。


年々、体調の悪化が原因で更新のペースが落ちてきており、見て下さる皆様方には大変申し訳なく思っている次第であります。


気長におつきあい下されば有り難く存じます。



皆さんご存じの通り、令和6年。今年の元旦、能登半島を襲った巨大地震。


よりによって新年を祝う、めでたい元日に未曾有の災害が発生するとは誰にも予測できなかった事のはずです。


地震、雷、火事、オヤジとは、よく言ったもので、まさに一番怖い予期せぬ一大事であります。


瞬時に13年前発生した、あの東北大震災が脳裏をかすめました


被災された方々、ご家族を失われた方には、おかけする言葉もございません。


どうか、気を確かにもって今日、いち日いち日希望をもって頑張り、生き抜いて行って頂きたいと存じます。


それが亡くなられたご家族へのせめてもの弔いだと私は心から信じております。


 


 

にしても




お国のトップの人達はいったい何をしてるんでしょうね。いざという時の政府だと私は思うんですが、、恐らく本音は被災地の事など親身になって考える余裕等ないのでしょう。


裏金問題で発生する自分の身の上の事ばかりが先にたち、たてまえばかりの対応しかせず危機感をもって対応しているとは私には到底思えなくて全然あてにならず残念でなりません。




「なんか、情けないなぁ」って思うのは私だけでしょうか、、。 



生き延びる" すべ "は自分達で考え、自分で生きて行くしかないようです。



我々は絶対、気高く生きていきたいものです。



それでは、慎ましく本編へと移りたいと思います。


いつもの様に見て下さる方々の想像力と包容力をお借りしながら、、、




「第97話      "せんたく"   と   "かんそう"」




寒さが続いた冬も、いつの間にか過ぎ去り森山家にもなんとなく春の気配が感じられるようになってきました。







小百合さんは洗濯物を取り込みながら



「だいぶ暖かくなってきたけど、、でもまだ厚手の物、余り乾き良くないかな」







等と独り言を言いながら、彼女は一部の洗濯物を乾燥機にかけている姿が見えます。



森山家の乾燥機はガスをつかった大型のプロ仕様でどんな洗濯物でもすぐに乾かす事ができるのです。


すると、姑も洗濯場にやって来て



「小百合ちゃん、次、乾燥機使わせてくれない?私らの洗濯物も、ちっとも乾いてなくって」



「あ!はいはい、お義母様!ちょっとまって下さいね」




姑の頼みをきいた小百合さんは、洗濯物を乾し終え、そそくさと乾燥機からとりだしている姿が見えます。



姑は嫁の洗濯物を見て



「それ全部、幸ちゃん(幸多)のユニフォーム?それに裕(ゆうすけ)のも。二人のばっかりじゃない!すごい量。それじゃ小百合ちゃんも洗濯屋と一緒だわね!たまには旦那(裕助)にもやらせたら?」



小百合さんはその洗濯物を抱えながら



「" 洗濯 "はアタシの仕事ですから大丈夫です!あの子(幸多)、自転車に乗っては汗びしょりになって帰ってくるんです!ウチの人も寒がりで厚手のものが多くて!そのわりに汗っかきで汗臭いの嫌だからって、何枚も着替えるんでよ」



姑は反対に洗濯物を乾燥機に放り投げながら



「軽々しく簡単に着替えて洗濯物増やしてくれるわよねウチの男どもは。裕も全部、女房にやらせて、いいご身分だ事!幸(幸多)ちゃんはほとんどプロみたいなもんだからね、別にいいけど。それ全部スポンサーから支給されたやつなんでしょ?ほら、なんだっけ、ビー、、なんとかっていうやつ



「BMXです、お母様!」



「それそれ!!すごいわねぇ、幸ちゃん!

今じゃ世界から注目される程になってるんでしよ!雑誌なんかにも掲載されたりしてさ、信じらんない!幼いころはあんなに甘えん坊だったのに。よく1人でここまで成長したわよね。それでいてオリンピックなんかには出る気全くないんでしょう?なんでかしらね」



小百合さんはテーブルの上で洗濯物を畳みながら



「なんだか目標が違うみたいで、あの子の事、正直良く分かりません。何考えてるのか、、。」



姑は乾燥機が、ぐるぐる回る様子を見ながら



「大丈夫よ小百合ちゃんが産んだ子だから!きっとそれなりの事考えてるって!それにしてもオリンピックに出れる程の実力を持ってて、何故かしらね。もったいないわよねぇ。世界に羽ばたける実力をもった子なのに、、ウチから世界レベルの人間がでたら私、どんなに鼻が高い事か知れたもんじゃないわ!」







「そう言いますけどお義母様、、そんなに甘いもんじゃないと思いますよ。世界は広いから、、」



「でも、トライしてみる価値はあると思うんだけど、どうなのかしら。やってみるのもいいんじゃないかしら、、」



小百合さんは、姑の話しは聞いていましたが、それ以上何も言いませんでした。




彼女は母として、こう思っています。




あの子の好きなようにさせ、最後まで 自分で決めた道を"完走" させてあげたい。、と。




小百合さんの息子、森山幸多は今やBMXの名手となっていました。


型にとらわれず、誰にも真似出来ない独創的な技を自ら生み出す、言わばBMXのアーティストといっても過言ではありません。



世界競技に出ずとも彼は今やこの世界では名の知れた存在になっていたのです。



実際に世界競技で金メダルを手にした選手がインタビューでこう応えています。



「本当のメダリストは私ではありません。その人は今も自分の限界を目指し、今日も練習を積み重ね新しい技を生み出している事でしょう。」



名前こそ出しませんがこのメダリストは真の本物をしっているのでした。




当初、彼の親友である「拓也君」がBMXを自在に操る幸多の姿をSNSで配信し続けて依頼、噂が噂を呼びいつの間にか、ある大手自転車メーカーからの支援を受ける程の人物になっていたのです。



幸多本人がそれを望んだのではありません。



メーカー側が一方的に彼、森山幸多の技術に目をつけ称賛し彼に車両をたくして、その宣伝効果を狙っているのでした。



幸多はそれほどの実力と腕前を身につけていたのです。



誰にも真似できない世界を圧倒する程の宇宙的超ウルトラテクニックを



自ら鍛練し開発して、それをやって見せているのです。







彼が以前に言った





              " 自分の限界 "     を目指す為に





なので、彼が繰り出す技は全て個性に満ち溢れたファンタスティックな型ばかりだったのです。



大手自転車メーカーは、ひとり孤独に技を作り上げる幸多を全面的にバックアップしているのです。



企業からは報酬こそ受けていませんが、その自転車に必要たる部品や装備関連は全てメーカー側からの支給品なのです。

 

これは、プロと言っても過言ではなかったのです。



もちろん彼から得られる収益を狙ってのれっきとしたビジネスなのです。



その幸多は現在中学1年生。学業も怠りません。



 自転車に明け暮れる毎日でも、勉強は不思議と

良い成績を残し続けています。



人知れず、やるべき事はやっているのでした。



 特に外国語(英語)の成績は抜群で普通に会話もする事ができていました。



これは、母親である小百合さん譲りなのでしょうか


ペラペラ、しゃべっています。



幸多は、世界のジャーナリスト達に言います。





            「僕は型に、はまりたくないのだ」と  



 


決まった型を120%やってのけて、なんの意味があるのか、、、


もっと繰り出せる技が無限にあり自分は自分の目指す技の限界に挑み続ける









これが、彼の主旨なのでした。



しかしながら、周りはそうは思っておりません。



何故、オリンピックを含め各競技にエントリーしないのか




彼の繰り出す技は半端ではありません



幸多は空中技を得意とし前転5回回転は当たり前、後方回転でもそれを同じ様にやって退けるのです。



物理的に不可能な事を優れたセンスでやってのけ、これは言葉では表現できません



その見事なバランス感覚とダイナミック性



誰も真似できないのです。



何故か、、 



それは感性によるものでした。



完全に、スポーツではなく芸術だったのです。



そのひらめきをかいかした瞬間でしか出来ない技



一瞬の技なのです。



なのでオリンピックを目指す選手の間でも彼の実力は認められているのでした。





おそらく真の世界一は、森山幸多だと


 


母の小百合さんは度々、まわりから問い詰められていました。



「親御さま方のお考えもあって黙認されてるとは思いますが、息子さんの力量は世界に誇れる実力者と傍目から見てもはっきり言いきる事ができます!いったい何故なんですか!!もっと世界にその実力を示すべきだとは思いせんか?!彼の実力なら日本にいくつものメダルを与える事ができるんですよ!!」



小百合さんはジャーナリストの質問に対し静かに答えています。




「そう、とも、限らないと思いますよ。世界はそんなに甘くないと思います。彼本人が出る気がないと言っているもので、、申し訳ありません。あの子の好きにさせてあげて頂きたく存じます、本当にスミマセン」



という返答ばかりでした。




そんな中、父、裕助が技を磨き続ける息子、幸多にこう言っています。



「おまえ、型にはまりたくないなんて言ってるが、メダルを狙ってもいいんじゃねえのか?そうすればおまえ自身の励みにもなるだろ」







幸多は静かに、こう答えています



「ならないよ。何度も言うけど、俺の目標は自分自身への限界なんだよ、父さん。わかってくれる?金メダルもらってなんになるの?もらったらそれで満足なの?。もらって優越感にひたるの?俺はイヤだ。全然目指してるところが違うんだよ。他の乗り手がまったく出来ない技を目指し続けたいんだ。父さんの仕事だってそうでしょ?他の職人さんには絶対真似出来ない加工技術を身につけてるじゃない。それを盾に自分の仕事できるはずだよ。なんでしないのさ。それと一緒だよ。父さんこそ、なんで中小企業の町工場でいつまでも働いてるの」



父、裕助は痛いところをつかれ言葉につまりながら



「お、俺だって今のままで満足してるわけじゃねぇよ。それなりの事を考えてる、、」



幸多は疑う目付きを父にみせながら



「それなり?、、って何さ」



裕助は逆に返答しきれず



「それなりって言ったら、、それなりだよ」



「ほらみな、人の事言えないじゃん。母さんは承知してるの?」


 

「ああ、してる。、、と思う」



幸多は笑顔をつくと 



「じゃ、それにこたえなきゃ!父さんこそはっきりさせようよ!!脱サラしたら?」



ズバリ言われた裕助は益々困り果て



「簡単にいうなよ!俺の考えてる事はそう容易いもんじゃねぇよ。物事には順序ってものがある。金も掛かるしな」



幸多は



「じゃ俺と同じじゃん!やっぱり人の事言えないじゃない!」



裕助は改まると



「お、同じってなんだよ、、、俺だって考えてるさ。いつかは必ず独立してやるってな」



幸多は明るい笑顔のまま



「俺の目標はね父さん。、、将来、俺独自の自転車を造りたいんだ!今はメーカーさんにお世話になって、それは、それですごく感謝してるけど、それを基により高度な技を繰り出せる俺自身が設計した自転車の開発をしたいんだ!それを操ってもっともっとスゲー技をあみだしたいんだよ!そしてその自転車を使って他の人にも、もっともっと楽しんでもらいたいんだ」



裕助は息子のそれを聞いて鳥肌がたちました。



(な、なんなんだよ、こいつ、、中1のクセに、もうそんな大それた事、ビジネス的っぽい事、考えてんの?、ヤバくねぇか?マジで、、、すでに自立してるんじゃん、こいつ)



幸多は続けて



「できたら将来、父さんにも頼みたい。試作部品の製作を、、。一からの製作だからワンオフになっちゃうけど、、。父さんの高精度な加工技術と溶接技術スゲーもん」



ワンオフとは、それ専用の部品の製造の事です。


 

父、裕助は息子の真相をしるやいなや



「おまえ、やベーやつだな。その歳で普通そこまで考えねぇぞ、頭、いかれてんだろ」



幸多は鼻を高くして



「父さんに言われたくないよ。俺、父さんの息子だもん!お互い様でいいんじゃない?」 



父、裕助は息子の意思をきくと自分が情けなくなってきました。



いつまでもダラダラとサラリーマンをやっている自分が、、。



彼の目標は超高精度ナノ単位の精密加工を売とする自分の会社の立ち上げです。


彼にしか出来ない技術でどこにも負けない製品の開発。



それには自ずと資金が必要となってきます。



現在、金銭の管理は全て小百合さんが行ってました。


銀行等とのやり取り等必要とされますが、裕助はそれらがめっぽう嫌いで大の苦手だったのです。


要するに"  やりくり交渉  "というやつです。



仕事はできても、それ以外の関連事業に手をつけられませんでした。



ここで、どうしても脱サラの踏ん切りがつかなかったのです。



それに対し妻の小百合さんは昔、OL時代培っていた経理やら営業の手段の経験が豊富にあり何をどのようにすれば良いのか大体のところは理解している頼もしい存在だったのです。



小百合さんは夫に対してはいつでも100%フォローする心構えをもっていました。



脱サラをするか、しないのか。



裕助次第だったのです。



裕助の両親も彼の力になれる" 術 "を準備しています。



しかし両親からの後押し(だしん)の話しはいっさいありません。



彼自身の、一身上の事だからです。


 

妻であり母である小百合さんは2人の方向性ををただただ見守るしかありません。



義妹にあたる佳世が小百合さんに言いました。



「義姉さん、たまには2人のお尻叩いた方がい

いんじゃない?幸ちゃんはしっかりしてるからともかく、お義兄さん迷ってるんですよ。お義姉さんの事、気にしてるんだと思います。脱サラして経済的負担を姉さんにかけたくないって。中小企業の管理職やりながら仕事を続けるって、とても偉い事だと思うけど、正直、お兄さんのガラじゃないと思います。ものすごく職人気質強い人だし、本当は自分の仕事をやりたいんだと思います。それこそ" 森山ブランド "、目指してもいい気がしますよ。お義姉さんのはっぱが必要な時期に来てる気がするなぁ」







そうは言われても、小百合さんは黙って夫について行くタイプの女の人です。



いつ発動するか、まってはいますが、どう、はっぱを掛ければ良いか分からなかったのです。



ずうっと、夫、裕助が仕事をする姿を影で見守り続けてきた妻です。




そこで、いい繋ぎ役となったのが、息子の幸多でした。



幸多は毎日、せっせと勤務する父に、こう言いました。



「父さん、いい加減やれば?やりたい事あるんでしょ?いつまでも会社のイエスマンでいていいの?俺と母さんの事、気にしてたら先になんて行けないぜ」



それをストレートに言われた父、裕助は、頭に血がのぼる、というより、めからウロコが取れた状態に陥りました。



中学1年の息子に、はっぱを掛けられたのです。



ある意味、やはり幸多は父、裕助が感じる通り、中学1年にして、すでに自立しているかもしれません





                                  そう




裕助は自立する息子、幸多に、はっぱ、ではなく激励をもらっていました。



そんな2人の行く末を小百合さんは、ただただ見守っています。



いつ、どのタイミングで事を動かすのか。



やはり小百合さんが尻を叩くしかないのか



舅の義父は、そんな嫁をみて、ある時こんな事を言っています。



「小百合くんが嫁に来てくれたおかげでこの家は大きく変わったんだ。君の力なんだよ。君の支えがなかったら裕助も幸多も飛躍出来なかったろう。この際だ。君からもう少し後押ししてやってくれないか、、私も母さんによく尻をたたかれたもんさ。だから今の自分でいられるんだよ。そういう意味じゃ母さんにはとても感謝しているよ。だから君も、、、」



そばで聞いていた姑、つまり義父の妻の義母は笑顔で



「男を動かすのは、常に女よ!歴史を見ればわかるでしょ?いつだって女が男をかえるのよ小百合ちゃん!!」



そう頼られても、慎ましい小百合さんは



「そ、そんな大それた事、、そう言われても、本人がその気になってくれないと、アタシ、、動き様がありませんです、、、」



姑は



「だから、尻を叩くのよ!!やってごらんなさいな!!それでダメだったら、そんくらいの器の男なのよ!とりあえずやってみなさいな!!ね、小百合ちゃん!!」








(ええ?!無理ですぅ!!)  





何度も言いますが小百合さんは夫、裕助に寄り添って、なんぼの女性(ひと)なのです。




尻を叩く




やはり難しい事なのです。小百合さんには




そんなある日の事



夫、裕助が会社から再度、辞令をもらって帰宅してきました。



係長から課長への昇格だったのです。



喜ばしい事だったのですが裕助は、その辞令書を小百合さんにみせながら



「センパイ、俺、申し訳ないけど受ける気ないっすよ」



小百合さんは辞令書を手にしながら何も口に出しません



裕助は、妻が反応を示さないその姿をみて




「なんで黙ってるの?センパイ!。俺、やる気ないって言ってるんだよ?。、、なんか言ってよ」






小百合さんは辞令書を折り畳みながら



「裕助くん、受けないんでしょ?そうすればいいと思うよ。アタシがとやかくいっても仕方ないじゃない」



裕助は余りに冷静な妻に腹立たしさを覚えるとつい強い口調で



「センパイ、俺やらないっていってるんだぜ!それがどういう意味か分かってる?!!会社からの辞令を断ることがどういう意味か分かる?」




「わかるよ。裕助くんの好きにしていいよ」



小百合さんの夫について行く考えは変わりません。なのでなにも言わないのです。



裕助は更に苛立ちを涌きあがらせ



「なんでだよ!!俺の勝手にしていいの?!!

やらねぇって言ってんだぜ!!どういう事か分かってんでしょ?!なんでいつも何もいわないのさ!!」



小百合さんは表情をかえぬまま



「だって、仕事してるの裕助くんだもん。アタシがあーだこーだ言っても仕方ないじゃない。裕助くんがそうしたければ、そうやればいいのよ」






それを聞いた裕助は、" イラ "っとしました。



「なんか俺の事、バカにしてる?」



小百合さんは微笑みを浮かべて



「そう聞こえる?、、なら謝る。でもねアタシの思ってる事は裕助くんは、言ったらきかない人だって分かってるからよ、、。アタシはゆうすけくんのお洗濯はできてもゆうすけくんの人生の" 選択 "までは出来ません!我慢してるのゆうすけくんじゃない!自分で決めて下さい。」



裕助は、妻にそれを言われ、せっぱつまりました。






どうにも返答のしようがありません。


妻に反対され、中途半端な自分自身への言い訳をしたかったのですが、それすら出来ませんでした。



裕助は、この時、息子から言われた一言を思いだしています。




「気にしてたら、先になんて進めないぜ」





 確かに、その通りなのです。





裕助は考えに考え抜いたあげく、妻、小百合さんに、こう言いました。




「センパイ、何が、、何があっても、俺を、信じてくれますか?ついて来てくれますか?」




小百合さんは、ただ、うなずき、愛する夫、裕助に、こう言いました




「自分の信じる道を走って。そして" 完走 "させて下さい」




裕助は、その妻の慎まし姿勢に、ただただ感謝する気持ちでいっぱいになりました。









              決断の時が、やってきた




裕助は、そう思いました。



小百合さんは静かに言っています。



「アタシ、こう見えても、ゆうすけくんの事

いちばん分かってるつもり。、、ゆっくり考えてね。、、どうなってもアタシ、ゆうすけくんのそばに居ますから」




裕助は心でこう思いました。




   (スミマセン、センパイ。ありがとう、、)




裕助は感謝に感謝を重ね、何も言わず妻、小百合さんの肩をそっと抱きよせ、夫婦である有り難さを噛みしめていました。




幸多の件にしても、小百合さんは同じ思いでいるのです。



ただ、息子、幸多と裕助の立場上の違いはあるのです。



幸多は、まだ中学1年、これからの人間、未成年です。



に対し裕助は成熟した家族を養わなければならない身の人間なのです。



妻であり母である小百合さんは、2人の行く末を見守る立場の人間、女性です。



2人の今後を左右するのは、やはり、小百合さんなのかも知れません



そんな中、先に行動に移したのは、息子の幸多です。



「俺、世界戦に出てみるよ。うまく行けば今お世話になってるみんなに恩返しができるかもしれないから」




そして幸多は各競技を登り詰め見事、その実力を世界に示す圧倒的成績を残し、改めての地位を確立する事に成功しました。


 

「皆さん、ありがとうございます!僕を支えてくれた方々のお陰です!!本当にありがとう!!心から感謝致します!本当にありがとうございました!!!」







これによりスポンサーも増え、ビジネスの一歩を踏み出したのです。




父、裕助はこれを励みとし、人生の分岐点を迎えています。




「俺、会社辞めますセンパイ。」




小百合さんは、そっと夫に寄り添っていました。




小百合さんの新しい人生が始まりました。



裕助を頭とする会社の立ち上げの手助けを引き受けたのです。




小百合さんは一生懸命、裕助の補佐を務めました。



経理、営業等、仕事以外の賄い管理を全て引き受けたのです。







小百合さんは夫、裕助と息子、幸多のこれからの"選択"と"完走"を見届ける役を引き受け、大変そうでした。



小百合さんは小春日和の中、裕助の営業に走りまわりながら、こう祈っています










       (    自分で" せんたく "したんだから最後まで"かんそう"させてね!! 頑張って!!負けないで!!!) と。



小百合さんは、知らず知らずのうちに2人のお尻をたたいていました。、、とさ。




つづく。




最後まで見て頂きありがとうございます。


今回は挿し絵を簡単ではありますが、カラーにしてみましたが如何だったでしょうか。


これは作り話しなので、余り細かい事に拘らず見て頂けたら幸いに思います。


次回もいつになるか分かりませんが、まだ続きますので、よかったらまた覗いてやって下さい。



それでは、また!!👋😃