どうも、かつたるいです。
心も身体も調子良く、まだまだやってます。(+_+)
季節の変わり目のせいか、このところ昼間眠くて眠くて仕方無い日が続いております。私の住む地方はもう12月だというのに朝晩は寒いですけど昼間はまだ暖かいんです。
ついつい、うとうとしてしまうのは私だけかもしれませんが、これが仕事中だと眠気を抑えるのに大変なんですよ。(+_+)
っていうか、そもそも仕事中に眠気を感じる等、言語道断。ぶったるんでる証拠です!
私のお腹の贅肉といっしょ。(笑)
気も贅肉も引き締めて行かないとヤバいですね。
ブログだけは気を張って行きたいと思いながら早速、本編に移りたく思います。
見て下さる方の想像力、包容力をお借りして。
では!
「第88話 小百合さん、昇天する!!」
そして 、 その後。
そうこうしてる内に森山家の家の建て替え準備、段取りが整ったようで、家族総出の仮住まいへの引っ越しが始まりました。
父母夫婦。裕助、小百合さん夫婦。裕次、佳世夫婦。
それぞれ荷物整理を兼ねた、いわゆる断捨離
という作業を各夫婦が行っている状況が見えます。
これがまた癖もので各夫婦、捨てる捨てないでの言い合いに時間を費やし一向にはかどっていないようです。
母は、夫が後生大事にしている骨董品かと思われる、そのひとつを手にして
「ちょっとお父さん!こんな物いつまでも眺めてたって価値なんか上がりはしないわよ!!早く手を動かしてもったいぶらず、いい加減すてる覚悟しちゃいなさいよ、ちっとも片付きゃぁしないじゃない!引っ越し屋さんまってるのよ!!」
父は、妻からその品を奪いとると
「お前なんかにこの壷の価値が分かってたまるか!いいか?これはなぁ、___!!」
あーだこーだと能書きを言っては一向に捨てようとしません。
その繰り返しで切りがないのです。
妻は呆れながら
「そんなに大切な壷ならいっそうの事一緒に寝て暮らせばいいのに!!こんな下らないものばっかり集めて何が面白いのかしらね」
「下らないってなんだ母さん!女なんかにこの価値がわかってたまるか!!」
「女なんかってなによ!」
しまいには喧嘩が始まってしまってます。
いつになったら片付くのでしょうか。先が見えないので他をのぞいて見ます。
小百合さん夫婦はと言うと
「ねぇゆうすけくん、このオートバイの部品まだ使うの?ずーとしまってあるんだけど、使わないなら処分した方が良くなぁい?」
裕助は好きなバイク雑誌を整理しながら
「だめだよセンパイ。そこにあるのは全部予備部品だから捨てないでね」
小百合さんは首を傾げて
「でもずーと置いてあるよ。本当に使うの?」
「使うかも知れないからね!まだとっとくんだ!」
小百合さんが部品を手にしてため息をついています。
それもそのはず。どれも用途不明な物ばかりで正直、小百合さんから見たら、ただのガラクタにしか見えないのです。
小百合さんが仕方なく段ボール箱に詰めている姿が見えます。
そんな最中、彼女の目に止まった小箱が数点見つかりました。
「ねぇゆうすけくん、この箱の中はな~に?何が入ってるの?」
裕助は雑誌の記事に気を取られながら
「ああ、それ?全部時計だよ。それもとっといてよ。」
「時計?___ふ~ん。___ねぇ開けて見てもいい?」
「いいっすけど。センパイが見てもわからないと思うな」
小百合さんが箱をそれぞれ開けてみまると確かに腕時計が入っていました。
どれも似たようなデザインの腕時計です。
彼女が何気なく値段を訪ねてみると裕助は雑誌の記事に夢中になりながら、適当な口調で
「ああ、そのモデルは当時120万位だったかな___」
値段を聞いた小百合さんは飛び上がりました。
「ひゃ、ひゃ!ひゃくにじゅうまん?!!そんなにするのぉ?!!!!」
すると裕助は、平然と
「そう。__当時はね。__今はもっと価値が上がってるはずだよ。その箱のは全部ヴィンテージモデルってやつで中々手に入らない物ばかりだからね。どれも100万円以上のものだよ」
小百合さんは驚きを通り越して呆れました。
5箱あるので簡単に見積もっても500万円相当の物になります。
「ここ、こんな高価なもの、なんで使わないで幾つもあるの?もったいないじゃない!」
すると裕助は雑誌を見るのを止め、腕時計のひとつに手をやりなが
「使う方がもったいないよ。買っておいて時々眺めるのがコレクターってもんすよ!」
小百合さんには理解できず、心の中で
(馬鹿じゃないの?!)
っと思ってしまうのは当然でしょう。
どうりで、裕助には金がない理由が判明しました。
さすがの小百合さんも呆れ果てて
「使わないなら、売っちゃえば良くない?」
裕助は後生大事に腕時計を箱に戻しながら
「俺が死んだらセンパイ売っていいよ!それまではとっといて下さい」
そう言われた小百合さんは
「もう、縁起でもない事言わないでよ!そこまで言ってないから!!___分かったわ。" とりあえず "とっとくわね」
結局裕助の物は何一つ処分できるものは無いようです。
裕助はまた古いバイク雑誌を見つけると
「おおー懐かしいの出て来たぁ!!何年前のだろう、これー!!!__」
等といって片付けそっちのけになってます。
小百合さんばかりが片付けをして、こちらも一向に引っ越し準備は、はかどっていないようでした。
まぁ仕方無いと言う事で、今度は裕次と佳世夫婦を覗いてみると
佳世の姿が見えません。裕次だけが片付けをしていますが、こちらはもう、おおかた片付いたようで、整理された段ボール箱以外は見当たりません。
この夫婦の引っ越し準備は順調に進んでいた様子が伺えます。
佳世がいませんが、彼女は子供達の子守りをしながら台所で家族皆の賄い料理を作っているのでした。
料理が苦手だった彼女も今では1人で賄う事が出来る様になっています。
しかし彼女が焼いているこれは__もしかして
「♪マァルシン!マァルシン!ハンバーグゥゥ♪♪!!私の得意料理~♪!!これがまた美味しいのよね」
料理と言えるか疑問ですが、鼻歌まじりで調子良く作っている佳世です。
「幸多くん、明香!待ってなさいね!!もうすぐ美味しいのが出来るからね!」
佳世は焼き上がると適当な大きさに切っておにぎりの中に詰め込んでいます。
「みんな忙しいから簡単なおにぎりにしてあげた方が食べ易いのよね!!」
幸多も面白いがっておにぎりに詰め込むのを手伝っている姿が見えます。
ひじょうに簡単な賄い料理なのですが、これがまた家族に好評で昼時になると皆、喜んで食べていました。
なんやかんやで仮住まいへの引っ越しは無事終わり一段落した家族はダイニングで" やれやれ"と寛いでいる様子が見えます。
腰を落ち着かせた父が
「築35年経ってるわりにきれいだろ!!庭も広いし日当たりも良好だ!!」
佳世は何故か、舅をフォローするかのように慌てながら
「そ、そうですよね!お義父さん!!駅も学校も近いし、スーパーだって直ぐそばだから買い物だってらくです!!6LDKで仮住まいとしては充分です!!」
父は得意げに
「だろう?!!みんなの事考えてここが一番いいと思ったんだ!!!」
すると姑が、ひと言。ぼやく様に言いました。
「隣が墓地じゃなけりゃぁねぇ。」
父は、嫁の小百合さんが出したお茶をすすりながら体裁悪そうに
「し、仕方無いだろ!同じ町内で条件が整った物件はここしか無かったんだから。家が建てなおるまでの辛抱だ。お前も了解してくれたじゃないか、今更ぶつぶつ言うなよ」
母はため息をつきながら
「そうだけどさ。いざ越して来るとなんとなく気が滅入る感じがして。墓地との境に壁でもあればいいけど、こう丸見えじゃぁね__」
すると小百合さんがこう言いました。
「" 千の風にのって "って唄の中にもあるように、そこには誰も居ないと思いますから。余り気にしない様にした方がいいと思いますよ」
裕助も妻の意見に賛同するように
「そうだよ母さん!!住めば都、気にしない気にしない!!」
母は、お茶をすすりながら不満そうな表情を見せて
「そんな簡単に言うけどこの家も広いったって、庭だけでしれてるわよ!お父さんのガラクタ処分してくれればこの仮住まいも少しは広くなるんじゃな~い?」
と、夫に対し嫌みたらたらです。
「ガ、ガラクタってなんだ母さん!ようし分かった。そこまで言うなら一度鑑定してみてもらったらどうだ?そしたらその価値がわかるだろう!!」
夫の交戦に母は
「いいわね!面白いわ、そうしましょう。やってもらいましょうよ!!」
引っ越しそうそう父母夫婦達二人は宣戦布告状態に陥りました。
後日、引っ越しの片付けもそこそこに早速、鑑定士が呼びだされ、父自慢の骨董品の数々の鑑定を行ったところ
「全部で9800円になります。残念ながらすべて偽物の粗悪品ですね。この壷などはただの土産品として作られたもので鑑定額は500円です。」
価値を知った父は放心状態となり、ガックリと肩を落としています。
母は大笑いしていました。
「ほらみなさい!!私の言った通りじゃない!!!捨てちゃいなさい捨てちゃいなさい!!!」
この対戦は母に軍配が上がったようです。
その様子を見ていた小百合さんは、夫の腕時計の値段が無性に気になってきました。
(ゆうすけくんの腕時計、100万円以上するっていってたけど、__本当かしら。段々怪しくなってきた。実際はいくらするんだろう___)
そう思ったら、気になって仕方ありません。
ある日の事。
居ても経ってもいられなくなってしまった彼女は、こっそりと夫に内緒で腕時計を持ち出し、某有名買い取り専門店で現状価格の査定をしてもらうことにしました。
鑑定士は入念に品物を調べた後、合計価格を計算機でさし示しました。
小百合さんは恐る恐る計算機を見ると
「1080000円_??___ですか?」
彼女は内心
(5つでそのくらいなの?、__まぁ、そんなもんなのかな?___)
すると鑑定士は苦笑いを見せたかと思うと
「違いますよ奥さん。ひとケタ違ってます。
5品で一千八十万円です!」
それを聞いた小百合さんは、改めて計算機の数字に食い入りながら
「え、ええー!!!い!いい、いっせんはちじゅうまんえ~ん??!!」
鑑定士は
「どれもロレックスデイトナのヴィンテージモデルに間違いありません。なかでもこの品物は特にいいもので、こちらのモデルだけでひとつ350万の値段がつけられます。これだけの物が揃ってるのは私も初めてみます。素晴らしいものばかりですよ!! 奥さん?___奥さんどうされました?」
小百合さんは、その余りの衝撃査定を聞き、そのまま気を失いかけてしまいました。
(いっせん__はちじゅう__まんえん__)
「奥さん?!大丈夫ですか?!しっかりなさって下さい!!奥さん??!!」
どーにかこーにか、やっとこさの思いで気を取り戻した彼女に対し鑑定士は立て続けて
「是非ウチで買い取らせて下さいませんか、奥さん。勿論現金で今すぐお支払いたします!」
その気の無い小百合さんは慌てて品物を取り返すと逃げるようにその場から立ち去って行く姿が見えます。
(じょ、冗談じゃないわ!!ゆうすけくんの大切な宝物だもん!!!誰が売ったりするものですか!!!)
なんとか家にたどり着くも、彼女の頭の中は
「__いっせんはちじゅうまんえん__いっせんはちじゅうまんえん__いっせんはちじゅうまんえん__いっせんはちじゅうまんえん__」
何をするにも腕時計の査定額が気になり、家事が手に付きません。
いつの間にか、座り込んでしまっています。
その様子を見た佳世が突然叫びました。
「きゃーー!!お義姉さん!!!魂が抜けかけてるー!!!ヤバいヤバいヤバい!!!幽体離脱しかけてるじゃん!!!!おねーさん?!!どーしたんですかぁ!?お義姉さん、大丈夫?!!!!」
大声を聞き駆け付けた姑もあわてて
「ちょっと小百合ちゃん?どうしたの!!しっかりしなさい!!行ったらだめよ!!おい!しっかりしろ!!!」
必死で彼女に呼び掛けています。
2人の呼び掛けもあって小百合さんの魂が無事戻ってくるも
「___いっせんはちじゅうまんえ~ん___ゆうすけく~~ん、ま~ベら~す~__!」
っと、ずーと言ってました。とさ。
お、し、ま、い。
大したオチもないまま、最後まで見て下さってありがとうございます。
その後、正気を取り戻した小百合さんは引っ越しそうそうのお宝発見で大変気を良くし、夫へのサービスが倍増したそうです。
どんなサービスかって?
それは想像して下さい。
見て下さった方々の妄想力にお任せします。
でも、小百合さんの事だから、きっと濃厚なんでしょうね。(笑)
裕助の道楽は伊達では無かったようでした。
父も骨董品集め(ガラクタ?)は、懲りる事無くやめなかったそうですよ。
目利きではありませんが基本、好きなんですね。
誰でも好きな事は止められませんもの。(^^)
次回は一気に新築祝いへと進みます。
また気が向いたら覗きに来て下さいね。
では、また次回まで!👋