空港のホテルに2泊予約した

彼が乗ってる飛行機の到着時間より
3時間も早く空港に着いたのに
ホテルの入口がわからなくて、
キャリーバッグを引き摺り
1時間も迷った

ようやくホテルの受付に着いた頃には
ヘトヘトで
チェックインの時間より早かったのに
部屋に通してくれた

シャワーを浴びて、メイクを直し
到着ロビーへと向かった

近い時間帯に二機の飛行機が着いて
たくさんの人が来る

細身でメガネをかけたスーツ姿の男性が
真っ直ぐ歩いて来ては
横を通りすぎた

えっ👀⁉️
この人?
雰囲気が全然違う・・・

何か言いたげな視線を感じ
チラッと見るけど
その男性は柱に凭れかかったり
時計を見たり
私と視線を合わせようとはしなかった

・・・変な人

到着ロビーの出口を見続けた
満面の笑顔で真っ直ぐに歩いてくる男性

彼だ!
写メと同じ

お互いの名前を確認した
チラッとさっきの男性を見た
私達を見て、タクシー乗り場の出口に行った
・・・なんだったんだろう

そっと伸ばしてきた彼の手を
ゆっくり触れた
手を繋いだ

わたしね
手を繋いで歩いた事ないの
変でしょ?
元ダンナは 恥ずかしい!誰かにみられたら、どうする!
そういう人だったから

この話しを覚えててくれてた

エレベーターに最後に乗り
私たちの初めてのKISS

彼との1週間は楽しくて
また離ればなれになる前日は
ずっと泣いてしまった

おれの右側は maruの為に開けとくよ

それは婚姻届の事だった

すぐに結婚出来る訳じゃないけど
彼の気持ちが嬉しかった





大好きだったお祖父さんが
行方不明のままの初盆
彼は親戚が集まるお母さんの実家だった南三陸には行かず
私に会いに来てくれた
ご両親とお姉さんの承諾を得ての事で
私の存在が親戚中に流れた

お祖父さんは翌月、
9月の私の誕生日に
遺体安置所で遺骨となって見つかった
青森のイタコに見てもらったり
何ヵ所も安置所を回って
やっとの事だった



その年の冬 2度目の旅行

お母さんの実家、お祖父さんの家の写真を
見せてくれた
数枚の写真の中に
桜の樹が一本あった
家は土台からズレてるのに
桜の樹は川と反対側に
見事な葉があった

さくら・・・サクラ・・・桜

父と一緒に見るはずだった桜
彼のお祖父さんの宝だった桜

私の涙で この写真をダメにしてしまった



翌年の夏 
初めて会った日と同じ日に
また1週間、一緒に居れた













今日で書き終わろうと思ったけど
当時のことを思い出してしまい
現在まで書けませんでした

もう少しだけ、お付き合いして下さると助かります
わがまま言って、ごめんなさい。