引き出しを整理してて
妹からの手紙が出てきた

8年前の古い手紙

妹は、父が旅立ってから
ずっと苦しんでいた

〇〇が生まれた時
女の子だったから
父さんは、一度も病院に来なかった

母からのこの言葉は
わたし達姉妹を ずっと苦しませてきた

3歳違いの妹
本当なら、わたしと妹の間に
男の子がいた

わたしの弟になるはずだった赤ちゃんは
元気に生まれてくる事がなくて
両親の3番目の赤ちゃんが
父は、男の子を強くの望んだけど
生まれたのは、女の子
だから、父は落ち込み顔を見に来なかった


ずっと聞かされてきた


父の仕事は、漁師だった
油汚れ、魚の臭いがした服装で
病院に行ける訳にも行かず
一度帰って着替えると、わたしが居る
父は、家に帰って来ても数時間で
また、仕事に行く
だから、病院に行きたくても行けなかった

これが、真実だった

父は、わたし達姉妹を
とても愛してくれた

だから、余計に
妹は、父と、どう向き合い
どう接していいか?わからないまま
父の癌がわかり
父の最期が、妹の側でなくて
わたしの側を選んだのか?
苦しんで、父の死も受け入れる事が
出来なかった





妹の旦那の両親は、
妹の旦那が20代の始め頃に
続けて旅立った

その悲しみの中
妹と出会い、結婚した

誰よりも、親の死の悲しみを
理解してる。。。
そう思った


命ある者は 限りがある

そう言って、
妹の気持ちに寄り添う事は、なかった


父が旅立ってから
妹は、父の仏前に座れるまで
長い長い時間が必要だった

やっと、仏前に座れる頃
母の癌が、見つかった



誰も住む人がいない実家

妹の旦那は
地主から、土地を返すなら更地にして欲しい
そう言われたんだ
実際、地代金を払うのは大変なんだ
早く解体したいから
市の助成金の申し込みに
ねーちゃんの名前、貸して欲しい
5月と10月に2回 言われた


両親の仏壇は、妹の家にある

父の死を、受け入れよう!
そう思えるまでに5年かかった妹
母の場合は。。。?


妹の旦那に、妹のグリーフ ケアは
きっとないだろう

わたしは、
物にこだわらない

そう言った妹だけど
妹が、わたしの名前を使う事を反対し
実家の解体も反対してる





遺骨となった父は
50日目に母と一緒に
やっと実家に帰った

遺骨となった父と母の別れの時
わたしは母に抱きついて、泣いた
母さんだけでも 長生きしてね
と。。

それを見た旦那に
なんで泣くのよ!
バカじゃないのか?
そう言って、笑われた

離婚を、初めて真剣に考えた瞬間だった



いま、妹は大丈夫なんだろうか。。。?




妹からの手紙を見つけた時
泣きながら、父の闘病と最期の会話を聞いていた
妹を思い出した