マニアックKicker練習法 | 蹴撃日記 ~世界へ向けて日々精進~

蹴撃日記 ~世界へ向けて日々精進~

アメリカンフットボール選手の丸田喬仁です。
ポジションはK(キッカー)
プロを目指して渡米、チャレンジ中です。

心技体兼ね備えた選手になるため、
出来事、思った事、感じた事を記します。

最後のトライアウトは2月になりそうです。
資金の面とビザの面を考えて、2月いっぱいが期限なので最後に一発受けて、結果はどちらにしてもその後帰国となると思います。

滞在も大詰めになり、
最近はこれまでの時間を振り返って考える事が多くなりました。

「お前は能書きが多い」
「結果を出してからモノを言え」
と思われてもしょうがない状況ですが、人の目を気にするより、
考えながらやる事。間違えでもいいから、考えている事をどんどんアウトプットしていく事から得られるモノの方が自分にとっては大事です。

「ぼっち練習を極める」で練習方法について紹介しましたが、
今回は今までに練習を通して感じた事を書きます。
かなりマニアックな考察になりますので、最後まで読むとたぶん後悔します笑

簡単に練習の行程 をまとめると
⑴練習中の全てのキックをiPadに録画する
⑵蹴る前に「どのような感覚で、どの身体の部分をどう使うイメージで蹴るか」をiPadに音声吹き込む
⑶練習後に動画を見て、ボールの飛び方とその時の感覚がどう関係するかを観察
⑷結果をevernoteに記録。貯めこむ。

といった感じです。
「感覚を言葉にしていく」作業だと思っています。

なぜこれを始めたかと言うと
・練習し過ぎると確実に故障するので、練習中キックできる総数は限られている。一蹴りも無駄に出来ない
・自分と向き合う時間が今まで以上に確保しやすい
という状況だからです。

以前までぼんやりしていた、感覚を言葉にする事のメリットがわかってきた気がします。

①感覚を言葉にすることで、感覚を「そこにあるもの」の様に扱えるということ。
感覚に記号をつけることで、初めて意識内で存在できる気がします。
もししなければ、感覚は感覚のままでふわふわした存在。
感覚を意識しずらい。

②言葉を頼りに感覚を呼び覚ます事ができる。
キックは細かい動作の違いで、結果に大きな変化が出ます。微妙な感覚の違いを区別できるのは、非常に意味があると思います。また、トライアウトによっては十分なアップ時間を与えられない時もあります。ベストな感覚を取り戻すまでの時間を最短にする必要があります。
感覚を言葉にすることで、感覚を意識にしまっておける。
言葉を頼りに、感覚を取り出して、身体で再現しやすくなるのが最大のメリットです。

③人に自分の感覚を伝えられるという点。
お互いにある程度、キックの感覚に向き合った事があるのが条件ですが、言葉のやり取りだけでも動作のコーチングが可能です。
学生時代、自分の師匠、飯塚啓太さんからは全て言葉のやり取りでコーチングを受けていました。動作を実際に見る必要はありませんでした。

早稲田のキッカー佐藤敏基選手にも、この方法でコーチングが出来ました。
プレシーズンからシーズン終了まで、
LINE でキックの動画を送ってもらい、蹴った感覚をヒアリングして、
気になったポイントを指摘、自分の感覚を文章で伝えるという方法を取りました。
シーズン半ば頃、指摘したポイントを完全に捉えて、一回の練習でイメージ通りに蹴れるように修正してきた時はセンスの良さに驚きました。
関東オール24選出、FG成功9/9も納得できます。
学生のキッカーを何人か見た経験から、自分と身体の使い方、重心のかかる位置が似ている選手の方がより伝わりやすいと感じます。

以上が考えられるメリットです。
全然知らなかったのですが調べてみると、スポーツのスキルにおいて似たような考え方は元々ちゃんとあるようです笑

正直、これが正しいアプローチなのかどうかは今でもわかりません。
でも、どれだけ自分と向き合えるかがキッカーの成長の鍵だと思っています。

最近では、SNSをきっかけに学生キッカー同士が交流したり、日本のキッカーがアメリカに来て技術を学ぶ事が多くなりましたが、それでも学生のキッカー達は、どう練習していいかわからない事が多いと思います。この方法でなくとも、自分で試行錯誤して自分にあった練習方法を見つけて欲しいです。

自分はとにかく、最後まで自分ととことん向き合ってやっていきます。

◯た