松本さんの記事により、『週刊文春』の売り上げが大幅に伸びたことが報じられている。

 

この段階で、「世論」は、松本さんへの疑いをファクト(事実)として扱っており、数多くの批判と中立的な意見への揚げ足をとるような攻撃が行われている。

 

しかし、一方で、このような中でもネット配信されている松本さんの番組の再生回数は衰えていない。

今も数多くの人が松本さんの番組を楽しんでいる。

一般の人々の見解は、記事のことを知らない、知っていても気にしていない、事実関係が明らかになるまで批判を避けているのいずれかにあると言えよう。

 

今後、松本さんが活動を行えなくなれば、少数派が作りだした「世論」が、一般の人々の日々の楽しみを奪うこととなる。

「今は、コンプラ的に…」「このご時世だから…」といったあいまいな空気が、スポンサー企業にまで届き、不寛容で息苦しい社会を加速させている。

 

ここで、なぜ悪意ある少数者の扇動が「世論」と認識され、一般の人々の楽しみを奪うほど大きな力を持つのかを考えておきたい。

 

現在の社会状況は、次の「沈黙の螺旋仮説」によって説明できる。

①多くの理性的な人々は孤立することを避け、自分の意見が「世論」と異なるとみられることを恐れる。

②少数派の意見でも、メディアで繰り返し報道され「世論」とみなされると、人々は反対意見を持っていても沈黙する。

③反対意見の数が減少すれば、「世論」はますます正しいと錯覚され、沈黙が加速する。

 

社会生活において、少数派の意見は大切にしなければならないの当然である。

しかし、それが利益誘導や誹謗中傷である場合には、尊重する必要はない。

自分の仕事や友人関係において、ただ目先の利益を求める人、悪口ばかりを繰り返す人とは信頼関係は構築できないだろう。

そして、自分の家族や大切な人が、そのような人々に攻撃された場合は、毅然と対抗しなければならない。

 

 

「松本人志さんのスクープ報じた「週刊文春」45万部が完売 編集長「新たなファクトの発掘に取り組む」(ヤフーニュース、2024.1.15)

「松本人志出演番組がトップ3独占 2023年10月期テレビ見逃し配信再生回数 ドラマ除くランキング」(ヤフーニュース、2024.17)

「インターネット時代にも役立つマス・コミュニケーション研究: 沈黙の螺旋仮説」(九州大学付属図書館図書館webサイト)