出会いは、
もう10年以上も前になるでしょうか。


両親の故郷の松山で、
夏になると毎週開催される
土曜夜市。
(昔からの大きな商店街のちょっとしたお祭りみたいなものね。)


そこで、
写真を並べているお兄さんがいました。

プロじゃないよ、

といいつつも、


その写真は、
動画を切り取ったような、
空気や風や音を感じるような、
物語が感じられる、
そんな写真でした。


心奪われてしまって。
しばらく彼と話し込む。
その写真を見てたら、
わたしもカメラやりたいんです!
と話してました。




そしたら、
使ってないの、あげるよ、
って。



いやいや、まじ?!
  


数日後、
丁寧に梱包されて、
カメラが東京の家に届きました。




そこからしばらく。
いろんな写真を撮りました。 

カメラを持つだけで、
同じ道でも歩くのが楽しくて。

商店街でおばあちゃんに
話しかけて写真撮らせてもらったり。

綺麗な色を求めて歩いたり。


当然に、現像しなしゃいけないから、
その時の写真は今も残ってたりするけど、
結構いい写真とってると思う。笑
 

そんなカメラも、
デジタル一眼レフを手にしてからは、
すっかり使わなくなってしまいました。

 
もう何年も、
スーツケースの中で眠っていたカメラ(スーツケースの中が保管場所だった。笑)



もう、使わないんだろうな。
分かっていても、なんか大事で捨てることも、売ることもできず。




そんなカメラを。 


この人になら渡したい。
と思える人に出会いました。  



前からの友人ではあるけれど、
なんとなく、わたしの元にあるよりも、
彼女に渡った方が幸せなんじゃないかと。
ここ最近強く思うようになり。




今日、ついに、
お嫁に行きました^ ^



当時のわたしは、
彼に、ちゃんとしたお礼なんて
できてなかったでしょう。(今考えると恐ろしいくらい純粋そして不義理( ̄▽ ̄;))


どこにいるかも名前もわからない彼。
今更、もうきっと、
お礼を言うことはできないかも知れないけれど、

こうやって、きっと大事に使ってくれる人に渡せたことが、一番の親孝行になったかな、と思っています。


大事なものを手放すということは、
悲しいことじゃないと感じる。

わたしのカメラも、
友人の手に渡ることで生き返り、
友人も、カメラだけでない、
何かを受け取るはず。



必要な人の元へ。



そのものが、
そのエネルギーが、
生きる、
ためには何をしたらいいのか、


そういう視点で
物事を考えていきたいと思うのです。

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