科学の祭典は神戸の震災の翌年からなので,二十数年関わってきましたが一昨年には一応実行委員を引退することにしました。それでも人手はいくらあっても足りないくらいなので何がしらかの「お手伝い」は続けています。コロナ禍も収束し,たくさんの子供達が参加してくれるようになりつつあり,私自身の出展もやってみる価値はあるだろうということで,大昔の「へんてこ電子パズル」を復活させることにしました。

 以前は適当なケースが見当たらないため,塩ビ板を曲げたりして作っていたのですが,3Dプリンターが使えるようになり,多少のものは作り出せるようなり,見栄え良くしようとしています。

 この「パズル器」は数種類あり,一部は完全に作り直しをするものがあります。で,とりあえず基板の傷みがあるものは作り直そうということで5台を作り直しました。

「パズル」の内容は左端の器械でわかるように,スイッチが四つしかないのに7-Segの数字表示器で「 1」から「 9 」の数字を表示するというものです。7-Segは7個のLEDランプで構成されているため,単純に考えると7つのスイッチが必要になり,表示したい数字に合わせて複数のスイッチを同時に「ON」にしなければならないのですが,写真でわかるように「 IC 」を一つ使うと簡単にそれを実現することができます。

 電子回路に詳しい人ならすぐにその仕組みがわかると思いますが,「論理的思考」が苦手な人はすぐに諦めてしまいます。右端のスイッチを押すと「 1 」,2番目のスイッチを押すと「 2 」,そして3番目では

「 3 」ではなく 「 4 」となるのです。この段階でわかる人は「左端のスイッチで・・・」とすぐ答えが出せるのですが,パニックになる人も多いのです。

 その昔,倉敷での科学の祭典では数人の女子大生が「パニック」になっている側で幼稚園 (年中組 )のお子さんがほんのちょっと触っただけで「わかりました」といい,私が「どうなっているのかな ?」と聞いたところ幼稚園児とは思えない素晴らしい解答をしてくれたのです。隣にいた女子大生さんたちは互いに顔を見合わせながらスゴスゴとその場から逃げて行きました。

 ちなみに多くの人が「躓く」のが「 7 」です。しかしそのお子さんは悩むことなく,「・・・・やから・・・です」と完璧な答えをしたのです。私が過去関わった子供さんの中では一番飛び抜けた「才能」の持ち主だと思います。

 以前はこの工作は万能基板に回路図を見ながら適当に部品を並べていきなり半田付けをしていたのですが,今回は多少部品の配置や配線の引き回しも色々考えて工作したのですが,昔のように一気に工作していく元気がありません。この五つを完成させるのに数日を要すという情けない状態ですし,その出来栄えはというと,,,,

お世辞にも「綺麗」とは言えないですよね。

 ちなみに以前は単四乾電池を2本使用するようにしていたのですが,今回は少し贅沢にLip0電池と充電ユニットまで組み込みました。その結果かなり高価な工作となってしまい,残りのパズル器をどうしようかと思案中です。