岡山が世界に誇るべき「天才」の一人が 仁科芳雄 です。といっても,岡山県人でも知っている人はかなり少ないようです。私も大学に入ってしばらくして初めて知った偉人の一人です。湯川秀樹,朝永振一郎のお二人のことは高校生の時から知っていたはずですが,そのご両人の先生とも言える大先生なのです。

その教えを受けた人や,さらにはその「孫弟子」にあたる人たちの何人かがノーベル賞を受賞しているのです。その大先生の生まれが岡山県西部の里庄町で,そこには「仁科記念館」があります。いつかは行ってみようとしていたのですが,やっとその機会に恵まれたのです。

入り口には

 「環境は人を創り,人は環境を創る」 とあります。私がどれだけの人の「環境」になれたかというと恥ずかしいばかりです。

仁科の名を知る人が少ないのには理由があります。

こんな説明を見せられて「なるほど・・・」と思える人は極めて少ないと思います。私も学生時代この式を勉強しているのですが,もうその「説明」が困難です。

館内をしっかり案内してもらえたのですが,皆さん 「?????」の連続だったようです。

 展示物にはすごいものが多く,

仁科先生とは直接の関係がないですが,近年のノーベル賞受賞の関わる極めて重要な実験器具の本物なのです。また,大先生も悩まれたことがあったという「証拠」もあり離ました。

叶えられなかった「志望学科変更願」なのです。この願いが叶えられていたら,日本の物理学が大きく変わって (遅れて )しまったであろうというものです。

 科学者になろうとする学生さんを指導するであろう,,,という教師 (特に理科,とりわけ物理 )の方はぜひ訪れてみて欲しいところです。

 

 このあとは遠方から来られていた人と共に笠岡にある「カブトガニ博物館」に行きました。カブトガニは私が中学生の頃には漁師の息子が学校に持ってくることがあるくらい馴染みのあるものでしたが,今や絶滅寸前だそうです。展示はお世辞にも「素晴らしい」とは言い難いものでしたが,生きたカブトガニを見られるところはほとんどないので,ここも合わせて見学してもらえると良いでしょうね。

 

 おしまい