僕の目の前に唐突にソイツは現れた
ちっ なんてこった パンナコッタ
僕は心の中で舌打ちした
ソイツは僕に向かって
「オラオラ どうした小僧 ここを通りたいんじゃないのか?
通ってみろよ ホラ」
さっそくケンカを売ってきやがった
僕がソイツの横を通り抜けようとすると
ザザッと反復横とびの要領で僕の前に立ちはだかる
「おう どーしたぁ?通れるもんなら通ってみろや」
僕は後ろずさって間合いを取りなおした
「おっ なんだオメエ 逃げんのかぁ オラ オラ」
ソイツは挑発的に体を揺らしながら僕のほうに近づいてくる
実に気持ち悪い
じわりじわりとソイツは間合いを詰めてくる
僕も少しずつ後ずさるが、背後はもう壁だ
恐怖の限界に達した僕は
「うわああぁぁぁぁぁあぁーーーーー!!!」っと
3軒隣まで聞こえるような大絶叫で大号泣した
するとガラガラガラって戸が開いて
「なんだい?どうしたんだい?まったく」
とボヤきながら、僕のばあちゃんが入ってきて
素手でベチッ
一撃でソイツを潰してくれた
そう これは 僕が3歳くらいの頃
家の中で初めて大きなクモと対峙した時の記憶である
北朝鮮のミサイルも
いささか怖い気もするが
何よりも怖いのはオカンが
Jアラート
を
ジェラート
って間違って覚えている上で
近所の井戸端会議に参加していること
そして
井戸端会議の他のメンバーにも
ジェラートで会話が成立していることだ
小松原街道沿いのジェラート屋さんに悪評が立たないことを祈るばかりだ
