出産回想⑯　～現在の気持ち～

説明を聞いた翌日、わたしは面会に行けませんでした。

どうしたらいいかわからなくて、その日は夫が行ける日だったので、わたしの気持ちは伝えず、行ってもらいました。コロナで1日1人のみでした

あの日、説明を受け、症状は出てみないとわからないと言われましたが、私が気になっていたこと、『知的障害は出るのか』については、損傷箇所によって可能性はあります、と。やっぱりあるんだ…

調べれば調べるほど、損傷が大きいほど知的障害の可能性は高い。自閉スペクトラム症や、重度ならばてんかん等も併発リスクは高そうで、絶望しかありませんでした。

息子はもちろん、娘の人生はどうなるんだろう…

高齢出産だった分、なるべくお金を残して負担をかけないように死にたい、と思っていたのに、

私たちの死後、助けてあげられない状況で娘に大きな負担をかけてしまうに違いない、

息子と自分で居なくなったほうがいいかもしれない、という考えが頭から消えませんでした。

2人目を望まず、娘が幸せに生きていけるようにできることを全力でやればよかったのか

入院した時点で諦めて中絶しておけばよかったの？

考えても考えても答えは出るわけがなく、

ただただ泣くばかりでした。

そして息子の退院前のMRIでPVLは確定。軽度ではない、何かしらの症状は出てくると思う、と言われ、私たち家族の試練は始まりました。

夫とはこの時も話せませんでした。すべて受け入れて一緒に愛情を持って育てていこう、きっと大丈夫だよ、という言葉を望んでいましたが、夫の中では触れたくない問題だったようで、私を責めこそしませんがフォローもしてくれなかったです。今までずっとです

義両親にもまだ何も話さない夫。いつになっても歩かない息子を見て、1歳半くらいまではまだ歩かないの？などと聞いてきた義母も何も言わなくなりました。

そんなに人に言えないこと？息子のこと、隠したいんだろうか。認めたくないんだろうか。モヤモヤは常にあります。

一番の協力者であってほしい夫はリハビリも病院も療育も我関せずで遠くから見てるだけですが、自由にやらせてくれるだけいいと思うことにしています。期待はしない

将来、息子が自分のことを否定しないで前向きに強く生きられますように

娘が自分の幸せを手に入れられますように

そう祈るばかりです

なんでこんな体に生んだんだ、と怒られる日が来たら、どれだけ謝ったって普通の体にはしてあげられないけど、生まれてきてくれてありがとう、と伝えたい。

あなたを産めてよかった。あなたに会えてよかった。

愛してるよ。

かわいい寝顔を見ながら、2人でいなくならなくて良かったな、と今は思えます

娘にどれだけ負担をかけてしまうかわからないけど、娘にも、息子にも、幸せになってもらいたい

なんだか気持ちがあっちこっちに行ってしまいましたが、出産の振り返りはこれでおしまいにします。

思い出してやはり涙が出てしまうこともありましたが、前向きになったな、息子かわいいもんな、という気持ちが大きいです

もうじき3歳、まだ立てませんが、コミュニケーションがすごくとれるようになって、この子なら生きてはいけるだろう、と思えるようになってきました。

これからもがんばって成長してくれますように

よにんの日々