◆ビッグモーター、伊藤忠などが600億円で買収へ。新会社を5月1日に発足

 伊藤忠商事と伊藤忠エネクス、投資ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズによるビッグモーターの買収規模が有利子負債の引き受け分を含め総額約600億円になることが分かった。

 近くビッグモーターの主要事業を新会社に移し、店舗や従業員を引き継ぐ。新会社の社長と副社長には伊藤忠グループの幹部を派遣し、社外取締役に前消費者庁長官の伊藤明子氏(62)をあてる方向。

 伊藤氏は国土交通省出身で、新会社のコンプライアンス体制の強化に向けて消費者問題に関する知見などを生かす狙いとみられる。伊藤氏は現在、伊藤忠やキヤノンでも社外取締役を務めている。議決権ベースの持ち株比率はJWPが95%、伊藤忠グループが5%となる見込みだ。

 ビッグモーターの社名は変更し、全国約250の店舗網と従業員は維持する。主要事業を切り離した後の旧会社は、保険金不正請求問題など一連の不祥事への対応に専念する。ビッグモーターの創業家は新会社の経営に関与しない。

 伊藤忠は将来的に、JWPの保有分を取得して新会社を傘下に収め、自動車関連事業の収益拡大につなげる考えだ。


https://news.yahoo.co.jp/articles/09733d6a6d57a73cf8db4789340a18cbbd7ebdd9
https://news.yahoo.co.jp/articles/02b7b7b96587263661dcf9b0394fd858696ecc36
https://news.yahoo.co.jp/articles/a8f4569c6570847c570c4cc63a2886f3ad3267a6


◆ビッグモーター・兼重宏行前社長が25億円借金の理由

 担保は「目黒の豪邸」「軽井沢の別荘」

 前社長の自宅は東京都目黒区青葉台に聳える、約500坪の豪邸である。ソニーの創業者・盛田昭夫の土地を買い取って建てたもので、噴水や滝、茶室を備える、高級ホテルのような代物だ。

 別荘も複数あり、軽井沢には約2900坪の土地に2棟のセカンドハウスを所有。隣にあるトヨタの豊田章男会長の土地よりも、敷地面積は広い。また、熱海の駅から車で5分ほどの高台にはオーシャンビューの別邸を、京都の南禅寺近くにも日本家屋風の邸宅を所有する。

 これらの不動産登記を見ると、ある"動き"があったことが分かる。

 昨年12月28日の日付で、前述の土地や建物にまとめて抵当権が設定され、25億円もの借金をしているのだ。貸し手は東京スター銀行で利率は6.08%。

 一体なぜ、これだけの額が必要だったのか。

 「ひとつは昨年末にビッグ社の運転資金が苦しくなり、急きょ、オーナーとしてそれを調達した可能性」

 もうひとつは、会社分割後の旧会社への出資金だ。

 「日経の報道では、創業家は損害賠償などに備え、100億円を出資するとのことです。この一部を充当する目的かもしれません。これだけの担保を入れているにもかかわらず、利率が高めに設定されているのは、借り入れに緊急性があったことを意味しています」

 「推測ですが、2通りのケースが考えられます」(経済コンサルタントの小宮一慶氏)

 「兼重家は株主という立場ですから、本来ビッグ社に拠出する責任はない。巨額の借金は、せめてもの"償い"という意味があるのかもしれません」


https://news.yahoo.co.jp/articles/f33fee1b66f34d5c22437d2032acaa230a59b3be