日本企業は3社ランクイン

2023年の世界半導体売上高ランキングトップ20、NVIDIAが初の2位に

Omdiaは、2023年の世界半導体企業売上高ランキングを発表した。同ランキングでは、NVIDIAが初の2位となった。1位は前年2位のIntel、3位は前年1位のSamsung Electronicsだった。

2024年04月16日 13時30分 公開


 市場調査会社のOmdiaは2024年3月27日、2023年の世界半導体企業売上高ランキングを発表した。それによると、前年2位だったIntelが前年比15%減となったものの、511億米ドルの売り上げを記録し、首位に返り咲いた。また、前年8位だったNVIDIAは前年比133%増の491億米ドルと大幅な成長を見せ、初の2位となった。

 一方、2022年に1位だったSamsung Electronics(以下、Samsung)の2023年の売上高は前年比33%減の443億米ドルで、順位は3位に下がった。メモリ分野の売上高が大きく低下したことが不調の理由だ。




 OmdiaのシニアリサーチアナリストであるCliff Leimbach氏は「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の流行期に始まった好況はもう終わった。パンデミック時には半導体需要が急増して供給不足に陥ったが、今では状況は逆転した。マクロ経済的要因から需要が落ち着いた一方で、供給量は増加している」と分析している。

 市場の縮小は、売上高ランキング上位の常連だった大手メモリメーカーに顕著に影響を及ぼしている。2017年から2021年まで、Samsung、SK hynix、Micron Technology(以下、Micron)が5位以内を維持していたが、メモリ市場の不調で2023年にはSamsungは3位、SK hynixは6位、Micronは12位となった。


AI需要は好調 HBMは2024年も高成長へ

 2023年には半導体業界全体で売り上げが低迷したが、AI(人工知能)関連の需要は成長を続けていて、AI領域に注力する企業は恩恵を受けている。その最たる例が今回世界半導体売上高ランキングで2位となったNVIDIAだ。NVIDIAの売上高は2019年には100億米ドル未満だったが、2023年には491億米ドルにまで成長した。

 AI関連では他に、広帯域幅メモリ(HBM)にも強い需要があり、SK hynixをはじめ各大手メーカーがHBMを展開している。2023年のメモリ市場が全体的に落ち込んだ中でも、HBM市場は前年比127%増と大きく成長した。Omdiaは、HBM市場が2024年にも150~200%成長し、メモリ市場をけん引すると予測している。

 車載半導体の2023年の売上高は、前年比15%以上成長して750億米ドルを超えた。電気自動車(EV)の増加と自動車へのインテリジェンス統合が主な理由だ。