◆トヨタ社員・元社員6名が嘆く「世界ナンバーワン企業・トヨタの危機」

 「有望な社員が続々と退職している」「章男会長は人が良すぎる」、文春オンライン

 トヨタは業績や株価が過去最高に達する順調ぶりですが、グループ会社で不祥事が相次ぐなど、組織が揺らいでいます。マスメディアでは、トヨタを率いる豊田章男会長に対して称賛と批判が交錯しています。

 「近年グループに加わった日野やダイハツはともかく、豊田自動織機でも不祥事が起こったのは、明らかにグループ全体の体質に問題があると言えます。近年グループが急速に肥大化し、社内の風通しが悪くなっているのは間違いありません」(A氏・現役社員)

 「批判を承知で言うと、今回のような不正はどの会社でもある程度やっていることではないでしょうか。トヨタということで過剰に叩かれているという印象を受けます」(B氏・元社員)うか。

 「EVで先行する米テスラや中国BYDに対し、いま危機感を持って巻き返しています。わが社の販売力や資金力をもってすれば、後れを取り戻すことは可能だと私は信じます。一方、本当に大丈夫か、改革のスピード感が欠けるのでは、と疑心暗鬼になっている社員も多いようです」(C氏・現役社員)

 「全世界37万人の社員をまとめ上げるのは、並み大抵のことではありません。トヨタイムズは、社外向けの発信であると同時に、グループ社員に向けたメッセージでもあります。こうした社員と向き合う豊田章男会長の気持ちは、社員に確実に伝わっていると思います」(E氏・元社員)

 「豊田章男会長の経営スタイルをトップダウンと見る人もいるようですが、社員や顧客の声を柔軟に取り入れて舵取りしています。『まずバッターボックスに立て』と挑戦を促しており、実際に頭ごなしに社員のことを否定したりはしません」(F氏・現役社員)

 「やはり育ちが良いので、我々のようなひがみ根性がありません。自分が好きなことやトヨタにとって良いと思ったことを真っ直ぐに突き詰めます。社員の我々が『もっと海千山千でも良いのでは?』と思うくらい、とにかく良い人のようです」(C氏・現役社員)

 「基本は、体育会系の人間です(大学時代にホッケーの日本代表)。長くレースドライバーとして活動したように、好奇心が旺盛で、少年のように純粋な人です。社内でも、面白い話や部下の斬新なアイデアには目を輝かせて、食い入るように耳を傾けています」(B氏・元社員)

 米フォードでは創業家のフォード一族が40%の株を保有しているのに対し、トヨタでは豊田一族の保有比率は2%足らず。豊田章男会長がトップであることや長男・大輔氏(ウーブン・バイ・トヨタのSenior Vice President)がその後継者と目されていることに異論はないのでしょうか。

 「章男氏くらいの学歴(慶応大学法学部卒)の社員はいくらでもいるわけで、才能としてはトップというわけではありません。た世界37万人の従業員を束ねるには創業家という旗印が有効で、その点、章男氏はトヨタにとって唯一無二の存在と言えます。私は章男氏や大輔氏のトップ就任に賛成です」(E氏・元社員)

 「いつまでも『豊田家の会社』では、我々日本人はともかく、世界の従業員や株主は納得しないでしょう。グローバル企業トヨタにとって、豊田家による支配は決して良いことではありません。将来もし大輔氏がトップになったら、北朝鮮のことを笑えなくなります」(B氏・元社員)

 「私の周囲では、有望な若手・中堅社員が続々と退職しています。人事部はアルムナイ(退職した社員の同窓会組織)を立ち上げるなど対応していますが、どうでしょうね。逃げた魚を追うよりも、組織に閉塞感を持つ若手・中堅社員が増えていることに、手を打つ必要があると思います」(F氏・現役社員)

 「トップは『やってみなはれ』と言っているのに、ミドルがせき止めてトップの意向を下に伝えていません。若手・中堅が意欲的に活動しようとしているのに、ミドルがそれを抑え込むケースが目立ちます。本来は"組織の連結ピン"であるべきミドルが、逆に組織の障害になっています」(A氏・現役社員)


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