倒産危険度ランキング2024【自動車24社】4位日産、2位河西工業、1位は?

河西工業が2位にランクイン、日産系サプライヤーが不振

「第二の“マレリ”となってしまうのか」――。市場関係者からそんな懸念の声が上がるのが、自動車内装大手の河西工業だ。

 河西工業の経営は極めて厳しい状況にある。2020年3月期以降、4期連続で最終赤字を計上。自己資本比率は23年3月期末で7.7%と低空飛行を続けるなど、財務状態はおぼつかない。

 資金繰りも綱渡りだ。河西工業は22年5月以降、メインバンクであるりそな銀行らからシンジケートローンとコミットメントラインで総額378億円の融資を受けているが、これまで複数回にわたって返済期日の延長を繰り返している。

 シンジケートローンについては、純資産の維持を求める財務制限条項にすでに抵触しており“レッドカード”状態。このリスクは、有価証券報告書の継続企業の前提に関する重要事象等にも記載されている。

 そもそも、同社の業績悪化は、販売高の約半数を依存する日産自動車の不振が続いてきたことが大きい。

 ここ数年、コロナ禍による需要減や半導体不足から減産を余儀なくされてきたことに加え、過去の過剰投資による負担で、日産は業績の低迷が続いてきた。24年3月期はそれらの反動や歴史的な円安が追い風となって業績が上向いているものの、中国市場の低迷といった不安要素も残り、回復は本調子とはいえない。

「日産は普段から販売台数の見通しが甘く、系列サプライヤーにとっては負担となっていた。日産自身の業績悪化もあり、日産依存度が高い企業は軒並み苦戦している」(自動車メーカー関係者)

 そうしたことから、河西工業を、同じく日産系の大手サプライヤーで22年に民事再生法の適用を申請したマレリホールディングスと重ねてみる向きは多い。負債総額1兆円を超えるマレリの破綻は、当時製造業として最大の倒産案件となり金融機関を騒然とさせた。

 河西工業が上半期決算で発表した24年3月期の通期見通しは、売上高が前期比14%増の2000億円、営業利益は10億円の黒字と、20年3月期以来の黒字を見込む。ただし、最終損益は構造改革費用の計上などにより10億円の赤字で、正念場が続いている。

 自動車産業全体を見ると、トヨタ自動車、ホンダ、スズキなど複数の自動車メーカーが24年3月期に最高益を更新する見通しで、コロナ禍の不振から一転して明るい兆しが見え始めている。しかし、原材料の高騰や中国市場の変調のほか、EV(電気自動車)という一大トレンドが内燃機関関連のサプライヤーを追い詰めるなど、安穏とはしていられない。

 今回、ダイヤモンド編集部では自動車業界の倒産危険度ランキングを作成した。その結果、24社が“危険水域”に入っていることが判明した。

 経営危機にある河西工業は2位にランクイン。同社を差し置いて1位にランクインした企業はどこなのか。次ページで、ワースト企業の顔触れを見ていこう。



マレリ株式会社(英: Marelli Corporation)は、日本の大手自動車部品メーカーである。

市場情報    非上場(以下は過去のデータ)
東証1部 7248
2017年5月8日上場廃止
本社所在地    日本の旗 日本
〒331-8501
埼玉県さいたま市北区宮原町2丁目19番地4
設立    1938年8月25日
(日本ラヂヱーター製造株式會社)
業種    輸送用機器
事業内容    自動車部品製造
代表者    代表取締役社長 藤井司
資本金    16億円(2018年3月期)

売上高    連結:9,986億円
単独:3,523億7,100万円
(2018年3月期)
営業利益    単独:59億700万円
(2018年3月期)
純利益    単独:103億2400万円
(2018年3月期)
純資産    単体:192億1,500万円
(2018年3月期)
総資産    単体:2,479億2400万円
(2018年3月期)

従業員数    連結:2万2,382名(2019年3月31日時点)
決算期    毎年3月31日
主要株主    マレリホールディングス 100%
主要子会社    マレリ九州 100%
東京ラヂエーター製造 40.06%



1938年に日本ラヂヱーター製造株式會社として創立する。自動車用ラジエーターの分野では、「日本ラヂヱーター株式会社」時代から市場占有率が高く、当時はニチラの通称で親しまれた。1988年にカルソニック株式会社と社名を変更した後、2000年に日産系の自動車部品メーカーである株式会社カンセイと合併し、カルソニックカンセイ株式会社となった。

日産自動車と関係が深く、2005年1月に日産が当社株式の第三者割当増資を引き受けて日産の連結子会社となった。2017年3月に、投資ファンドコールバーグ・クラビス・ロバーツ傘下のCKホールディングス株式会社が実施した株式公開買付けに、日産は保有全株式を応募した。同年3月29日付で日産グループから離脱し[1]、同年5月11日付でCKホールディングス株式会社の完全子会社となった。

2018年にフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の自動車部品部門、マニエッティ・マレリを買収し、自動車サプライヤー売上高は世界第7位となった。大手自動車部品会社としてグループ企業も有し、2017年3月31日時点で34の子会社と、14の持分法適用関連会社がある。2019年10月に現在の社名に変更する。

2022年までに再上場の構想を有していたが、2019年以降の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う世界的な景気減速により、経営状態が悪化して断念する。

2022年には金融機関に対する債務が1兆円規模に達し、同年2月に事業再生ADRの活用を検討していることが報じられ、同年3月に持株会社を含むグループ5社が事業再生ADRを申請した。

持株会社のマレリホールディングスは、2022年6月24日開催の債権者会議にて事業再生ADR手続が不成立となり、同日東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。負債は2020年12月期末時点で約1兆1856億2600万円(連結では、約1兆8762億1700万円)で、タカタの1兆823億円(連結では1兆7000億円)を超えて製造業では過去最大の経営破綻になった。7月7日に東京地裁に簡易再生を申請し、手続き開始の決定を受けた。同月19日、債権者会議で再建計画案が可決されたことが発表された。

旧カルソニック
1938年(昭和13年)- 日本ラヂヱーター製造株式會社として創立。ラジエーターの生産を開始。
1952年(昭和27年)- 日本ラヂヱーター株式会社に社名変更。
1954年(昭和29年) - 日産自動車に各種ラジエーターの全面的納入を開始する。
1962年(昭和37年)- 東京証券取引所に上場する。
1976年(昭和51年)- 米国法人として「Calsonic Incorporated」を設立する。(現在の社名の由来となる)
1988年(昭和63年)- カルソニック株式会社に社名変更。


旧カンセイ
1956年(昭和31年)- 関東精器株式会社として創立。
1978年(昭和53年)- 東京証券取引所第2部に上場する。
1990年(平成2年)- 東京証券取引所第1部に指定替えとなる。
1991年(平成3年)- 株式会社カンセイに社名変更。


カルソニックカンセイ
2000年(平成12年)- カルソニックとカンセイが合併し、カルソニックカンセイ株式会社となる。
2005年(平成17年)- 日産自動車が第三者割当増資を引き受け、日産の連結子会社となる。
2008年(平成20年)- 東京・中野からさいたま市に本社移転。4月23日には新本社と研究開発センターが竣工する。
2009年(平成21年)8月5日 - 研究開発センター・本社が第22回日経ニューオフィス賞(クリエイティブ・オフィス賞)を受賞する。
2010年(平成22年)- 厚木工場で生産を終了する。
2012年(平成24年)- カルソニックカンセイ・ブラジル社、カルソニックカンセイ・ロシア社を設立する。世界で初めて射出成型表皮の生産を開始する。
2015年(平成27年)- 売上高1兆円を突破(2015年度連結売上高)する。
2016年(平成28年)- 日産が所有する当社全株式を米投資ファンドKKRに売却すると発表。
2017年(平成29年)
3月29日 - コールバーグ・クラビス・ロバーツ傘下のCKホールディングス株式会社が、議決権所有割合ベースで95.21%の株式を取得する。日産自動車が全株式を売却し、当社は日産グループから離脱してKKRの完全子会社となる。
5月8日 - 東京証券取引所第1部の上場を廃止する。
5月11日 - CKホールディングスが株式売渡請求により当社の全株式を取得し、同社の完全子会社となる。
2018年(平成30年)10月 - CKホールディングスは、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(現・ステランティス)が保有するマニエッティ・マレリの全株式を買収すると発表。買収総額は62億ユーロで、経営統合が完了すると世界7位の独立系自動車部品メーカーとなる。CKホールディングスは、買収後「マニエッティ・マレリCKホールディングス」に社名を変更する。
2019年(令和元年)9月 - カルソニックカンセイ栃木の栃木工場及び佐野工場1地区、カルソニックカンセイ宇都宮、カルソニックカンセイ山形の操業を停止する予定と発表。


マレリ
2019年(令和元年)10月 - 商号をマレリ株式会社に変更。
2020年(令和2年)4月 - 持株会社であるマニエッティ・マレリCKホールディングスが、法人名を「マレリホールディングス」に変更すると発表した。
2021年(令和3年)
5月 - 本社ビルの売却を発表。売却先とリースバック契約を締結し、当面の間は現在地に本社を置くとした。
10月 - 2023年8月を目処に本社を埼玉県さいたま市北区宮原町2丁目の旧しまむら本社ビルに移転すると発表。移転後の跡地は豪不動産大手のレンドリースが国内最大規模のデータセンターを建設することを発表している。
2022年(令和4年)7月7日 - 東京地方裁判所に簡易再生を申請し、手続き開始決定を受ける。
2023年(令和5年)5月 - 本社を移転。


主要製品
CPM・内装製品
電子製品
排気製品
空調製品
熱交換器製品
コンプレッサー製品


モータースポーツ
全日本ツーリングカー選手権や全日本GT選手権→SUPER GTでレーサーの星野一義、並びに星野が社長と監督を務めるホシノインパルチームのスポンサーを長年務め、ホシノインパルからカルソニックカラーのレプリカマシンも複数発売されている。