車載半導体の研究開発で業界横断組合 自動車や部品、半導体から12社
2023/12/29(金)

 自動車メーカーや電装部品メーカー、半導体関連企業の12社が28日、高性能デジタル半導体(SoC)の車載化研究開発をする「自動車用先端SoC技術研究組合」(ASRA)を、1日付で設立したと発表した。チップレット技術を適用した自動車用SoCを研究開発し、2030年以降の量産車への搭載を目指す。

 参画しているのは、自動車でSUBARU(スバル)、トヨタ、日産、ホンダ、マツダの各社。部品メーカーでデンソー、パナソニック オートモーティブシステムズ。半導体関連で、ソシオネクスト、日本ケイデンス・デザイン・システムズ、日本シノプシス、ミライズテクノロジーズ、ルネサスエレクトロニクス。

 自動車には1台あたり1000個程度の半導体が使われ、種類も用途も様々。中でもSoCは、高度な演算処理能力を達成するため最先端の半導体技術が必要で、自動運転やマルチメディアシステムなどで必須とされる。

 ASRAは、自動車に求められる高い安全性と信頼性を追求するとともに、電装部品メーカーと半導体関連企業の技術力・経験知を結集。最先端技術の実用化を目指す。種類の異なる半導体を組み合わせるチップレット技術を適用した、自動車用SoCを研究開発。28年までに技術を確立し、30年以降の量産車へSoCを搭載することを目指す。

 本部は名古屋市西区に置く。



◆三菱マテリアル、EVの全固体電池向け、硫化物系固体電解質の量産技術を開発

 硫黄を含む原料を混合し、加熱炉で焼成するだけで目的物質を合成できる。

 硫化物系固体電解質は、全固体電池に用いる固体電解質の中でもイオン伝導率が高い。入出力性能が高いことから航続距離の延長や充電時間の短縮が期待され、xEV用全固体電池の材料として有力視されている。その一方で、量産性の低さと取り扱いの難し
 さが実用化に向けた障壁となっていた。


https://news.yahoo.co.jp/articles/a34a286c4f248ce884461c5780a1d3e9b849f755


◆乾燥処理不要…リチウムイオン電池の電極塗工。日本ゼオンが新工法を確立

 2026年度をめどにバッテリーメーカーへの導入を目指す。電極材料などを調合した塗液を金属素材に塗布する塗工工程で、乾燥処理が不要となるドライ成形法の独自技術を開発した。エネルギー消費や設備投資負担の削減などのメリットを訴求する。

 ドライ成形法は活物質や導電助剤、バインダー(接着剤)などの材料で混合物を作製し、金属素材上に直接成形して電極を製造する方法。現在主流のウエット塗工法と比べて設備面積を3割程度削減できるほか、大量のエネルギーを使う乾燥処理などが不要に
 なることから普及への期待が高まっている。


https://news.yahoo.co.jp/articles/f4f4cf5c314976b6165049af6f35bbf2f17894e9


◆TSMC熊本工場、2月24日に開所式へ。2024年末の量産開始へ準備着々

 半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の子会社JASM(熊本県菊陽町)が同町に建設している工場の開所式の日程は、2024年2月24日で調整が進んでいることが分かった。新工場は製造装置の搬入などを経て、同年末に量産を開始する計画。

 工場は2022年4月に着工。建屋はほぼ完成し、オフィス棟は2023年8月に一部で供用を始めている。現在は台湾からの赴任者約400人を含む約1400人が勤務しており、2024年春には約250人の新卒者が入社予定。TSMCは工場稼働時に約1700人を雇用する としており、採用は順調に進んでいるという。

 工事が完了した工場棟は地下2階地上4階建て。半導体生産に必須のクリーンルームの延べ床面積は約4万5千平方mに及ぶ。


https://news.yahoo.co.jp/articles/5d9e9dc07105bc99a7f3793cb1133b1f58bcf4c2
https://news.yahoo.co.jp/articles/b1298f663947ce62f443b8f8edd2ff0c852c7d4e


◆共創型のモビリティ開発で世界に挑む「ソニー・ホンダモビリティ(SHM)」

 「合わせに行く」のではなく「引き込む」。

 JAPAN MOBILITY SHOW 2023で「AFEELA(アフィーラ)」のプロトタイプを公開

 顔認証によるドアの開閉、車体前面のヘッドライト間に組み込まれた「Media Bar」と呼ばれるディスプレー、ダッシュボードに広がる「パノラミックスクリーン」など、次世代モビリティの要素が十二分に散りばめられたEVに期待値は高まる。

 ホンダは自動車メーカーとして閉じられたエコシステムの中で、安全面を含めて丁寧かつ着実なモノづくりを行ってきた。一方でソニーは、音響からゲーム、映画や音楽のエンタテインメント、半導体、金融に至るまで、品質に加え新しい価値観の提供に向けてスピード感のある商品やサービス開発を行ってきた。

 そのため、開発文化や意思決定のプロセスに違いがあって時折議論は生じつつも、お互いの領域が車体系(ハードウェア・安全制御系)とインフォテイメント系(ソフトウェア・オーディオ/ビジュアル)に分けられ、それぞれの得意分野を認識し尊重しているという。

 「共創はいずれ車体や制御系のエンベデッドソフトウェア領域にも入ってくる可能性もある。そうしないと、今のままでは世界での競争に勝てない。スピード感をもって開発を進め、2030年までに勝負をかけたい」(代表取締役 会長 兼 CEO 水野泰秀氏)


https://news.yahoo.co.jp/articles/93205d4841164c565147cb7ec5ecd75cafb56a97