こんにちは、マティです。

今日は、最近読んだ『化学の授業をはじめます。』という本の感想について語ろうと思います。


ある日、大学の図書館で新着図書のコーナーを見ていると、この本を発見しました。

化学の本ということで、勉強を兼ねて借りることにします。

ところが、読み始めてすぐに、この本が専門書でなく小説だということに気づきました。

読むのを止めようかと一瞬だけ思ったものの、せっかくの機会ですし、読むことにしました。


話としては、一人の女性化学者が、サイエンスの世界に蔓延る女性差別に対して、「料理」という化学を用いつつ果敢に反抗していくというストーリーです。

勿論フィクションなのですが、ベースになっている時代設定はかなりリアルだと思います。

現代日本においても、女性科学者が少ないという問題がありますが、1950年代においての女性差別は更に激しいものがありました。


少し前に、『女性が科学の扉を開くとき』という本を読んだのですが、こちらはファクトベースで、NSFの長官にまで登り詰めた女性科学者の生き様が語られます。

こちらも、とても興味深く読みました。

『化学の授業をはじめます。』の状況設定は、この本(事実)と近いと思います。


一応ここで断っておくのですが、本来は男だ女だというのは、科学という営みには無関係であるべきです。

しかしながら今回は、存在した(している)性差別に立ち向かったという話をしているので、科学者の前に「女性」という形容を施しています。


『化学の授業をはじめます。』は、アメリカを筆頭によく売れているそうです。

実際、話としては割と単純な勧善懲悪もので、少し化学の専門的な話はあれど、読みやすい部類だと思います。海外の小説特有の表現も少なめだと感じました。面白かったです。


私は、登場人物の名前が覚えにくかったり、その国の地理や文化を知らないことが多いので、あまり海外の小説は好んで読みません。

例外は、シャーロック・ホームズシリーズくらいで、何度か海外文学を嗜んだものの、結局日本の小説に戻ってしまっています。


科学というと、真実に奉仕する純粋な学問という認識があるのかもしれませんが、実際は人間味が濃いものです。

だからこそ、その時代の後進的な部分も含んでしまっています。

そういうことを知るきっかけとしても、『化学の授業をはじめます。』は優れた作品であったと思います。


今回は、こんなところでしょうか。

次回は、夏休みの予定について語ろうかなと思います。

よろしければ、またご覧ください。