最近、WOWOWで世界的な総合格闘技団体UFCの番組を見た。
総合格闘技、というと日本ではPRIDEやDREAMが有名だが、アメリカ全土やヨーロッパでは総合格闘技といえばUFCなのだ。実際にその試合を見てみると「世界的な」というキャッチも納得、と思う程にすごかった。
何せルールが強烈だ。現在、日本で行われている格闘技のルールでは基本的に肘による攻撃は禁止されている。だが、UFCでは立った状態での肘打ちが認められているのだ。また、グラウンド状態でのボディへの肘、膝による攻撃も認められている。こうしたルールによって行われるファイトは従来の格闘技では考えられない程のアグレッシブであり、その衝撃は世界中の格闘技好きの顎を的確に捉え、見事にK.Oしていった。
まぁ、なんというか、男と言うものは馬鹿なもので、こういうものを見ると、もっとMMAの試合を見たいとかではなく、やってみたいと思ってしまった。とは言え、現在27歳。今年の12月には28歳になる俺にはMMAはどう考えても無理だ。ていうか、それ以前にちょっとした柔道とか空手とかの程度で音を上げる、20世紀生まれを代表する根性無しの俺には無理だ。そんな俺にも最近はいいものがある。
ゲームだ。
最近のゲームはグラフィックのリアルさだけでなく、音や動きまでもリアルに再現されているものが多く、非常に期待ができる。そんなわけで、UFCのゲームを買ってやってみたところ、グラフィックがもの凄い。実物と変わらない、とまではやはりいかないが、独特の雰囲気を十二分に味わうことができる。
しばらくプレイをしてみたところ、どうやら顔から格闘スタイルまでオリジナルの選手をエディットでるようだ。やっぱり既製の選手よりも自分が作った選手の方が思い入れが出るだろうと思う。実際に作ってみよう。
まずは階級だが、せっかくなので一番盛り上がるヘビー級にして、顔のエディットに入り、人種と目の色、髪の色、国籍や髪型を設定していく。
できた。
なんだろう、この悲壮感。底なしに暗い。貧しい家の子供みたいになってる。浦安鉄筋家族に出てくる「土井津 仁」の将来みたいだ。いや、弱気になってはダメだ。何せこれから各国を代表する屈強なファイターたちを相手に戦っていかなければならないのだ。そうだ。タトゥーを入れよう。漢字の。外国人がよく入れる漢字のタトゥー。
右肩には
前にどっかの黒人の格闘家が入れてたような気がする。なんにせよ威圧感が大事なのでこれはありじゃないか。
左肩に
これもどっかの外国人が入れてたタトゥーだ。極悪なんて直球のタトゥーはどうにもセンスを疑うけれども、相手は外国人だからこれぐらいの方が考える必要がなくていいと思うがどうか。
さらに背中には
前にどこかで見た外国人が本当に入れていたタトゥーだ。多分、字面だけで判断して入れてしまったんだろうと思うが、何て言うか、病状の自己申告の様で、むしろかわいそうな印象になってしまった。もしかしたら相手も足元への攻撃は気を使って控えてくれるかもしれない。別に痛風じゃないけど。
そんなわけで見た目は何というか、落書きされたいじめられっ子みたいになってしまったが、名前は強そうな名前にしたい。俺の名前を付けたってナメられるだけだ(CPUに)。どうせなら強く優しい日本人の名前がいいだろう。そうなるともうあの人しかいない。
浅草キッドの水道橋博士曰く「芸能界最強」らしい。しかも、その温厚さはアフリカゾウのごとき強者の余裕を感じさせる。
おお、いい感じだ。勝てる。これなら勝てる。
そんなわけで試合に出場し、数々の試合をこなす仁。流石に全試合K.Oとはいかないが、勝ったり負けたりしながらも、それなりの戦績を残してゆく。そして、選手としての一つの大一番がやってくる。
K-1準優勝経験を持ち、総合格闘技PRIDEでも活躍したクロアチアの英雄だ。これに勝てば、チャンピオンへの挑戦権にかなり近づくことができる。気合が入る。そして、響くレフリーの「ファイト!」の声。
打撃主体のミルコに打撃で対抗するのは愚の骨頂と言うことで、距離をとりながらジャブで牽制しつつタックルからグラウンドの攻防に持ち込む
はずだった。
まさか、飛び込み気味のジャブに1発目から左のミドルキックをカウンターで合わせてくるとは思わなかった。「パシーーーン」という強烈な打撃音が響く。倒れこむ仁。そこに容赦ない追い打ちをかけるミルコ。
ボッコボコに殴られるも、なんとか足で撥ね退け、立ち上がる。とりあえず、ジャブでの牽制もダメだ。カウンターを確実に入れてくる。ここは即タックルだ。
結果。
タックルした仁の頭に対して的確に膝を入れてきた。崩れ落ちる仁。
そして
負けた。完敗だ。スピードが違い過ぎる。その後、仁はミルコとの闘いは徹底的に避け、やりやすい相手とだけ闘い、なんとかチャンピオンにはなったが、最終戦績はランキング3位のまま引退した。非常に不甲斐ないといえば不甲斐ないが、勝負の世界は過酷だ。
ちなみに、現在は引退した仁に代わり、長身で規格外の肉体を持つ「オール巨人」という選手を育てているが、どうにもこうにもパワーばかり上げ過ぎてスピードがなくなり、勝てる気がしない。ていうか、ちょっと飽きてきた。
次に作る選手は自分の名前でやろうと思う。やっぱり、思い入れというのは相当大事だ。そういえば、選手には必ずキャッチフレーズは必要だ。俺の名前の選手にはこういうキャッチフレーズを付けてやろう。
「20世紀生まれを代表する根性無し」










