大学時代の友人から年賀状が来た。
昨年2月に長いこと付き合っていた彼女とできちゃった婚をして、6月に子供が生まれたばかりということもあって友人夫婦と子供の写真入りの年賀状。あの傍若無人で「天は人の上に俺以外の人を作らず」な男が人の親になったかと思うと感慨深いものがある。
この友人の子供の顔を見たのは初めてじゃないが、改めて写真として見ると新鮮だ。それと同時にやっぱり子供って似る、という当たり前のことを思う。
友人夫婦はどちらも美形なので、どう転んでもいい気はするが、そうは言っても、どちらかと言えば奥さん似である方がいいかと思う。
昔、醤油顔とソース顔という例えがあったが、この友人をそういう調味料で例えるならカレー。もしくはナンプラー。とにかくオリエンタルというかエスニックというかそんな感じなので、もっと万人受けする美形の方がいい。
幸い、現段階ではかなり奥さん寄りの顔なのでそのままいくのが理想的だろうと思う。
ちなみに、俺が子供に触ろうとした時の、あの「俺に触れるな、この下郎が」とでも言いたげなむずがり方を見るにつけ、性格は完全に夫寄りなのでバランスはとれてるんじゃないかな。
友人へ。君によれば天は人の上に君以外の人を作らなかったらしいけど、君達夫婦は少なくとも俺の上に人を作ったようだよ。あと、「お前も早く息子を見せてくれ」は嫌味としては遠回し過ぎるんじゃないかな。長男誕生おめでとう。
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年賀状と言えば、昔コンビニでバイトをしていた時のことを思い出した。
そのコンビニの近所にはヤクザの事務所があり、その筋の人達がよく出入りしていて、ヒドイ時になると店員以外は暴走族とヤクザ、あとは私服警官しか店内にいない、なんて状況になる店だった。
そんな学生時代。あれは俺が二十歳くらいの頃。その日は1月の第二週目。
深夜2時。夜9時から朝9時までのロングシフトな上、1時から7時まで一人勤務だった俺はダラダラと雑誌を整理していた。
いい加減やる気も底をついてきた時間帯に来客チャイムがピンポンと店内に響く。誰か来たかと入口に目を向けると、そこには身長190cm程の全身白ジャージに身を包んだスキンヘッドで前歯のないオッサンと身長160cm程のスーツを着た前歯はあるが左手の小指のないオッサンが入ってきた。
一目見てそれとわかる独特の雰囲気。多分、普通の人よりはこの手の人は見ているはずだがいつになっても慣れない。
その二人が俺を見ると「オイ」と声をかけてきた。ドキドキしながら考えられる限りで最大の笑顔で「はい」と応えると、いいから来いという感じのジェスチャーをした。
何だろうと思いレジに行くと、二人は真剣な面持ちで「無地の年賀状は余ってないか」と聞いてきた。当然、1月も半ばに差し掛かろうという段階で無地の年賀状などあるわけもなく、ていうか、年明け前にインクジェット含めて全部売れてしまっていた。残ったのはレジの前に置かれた絵柄のついた物のみだった。
そうした旨を伝えると、その二人は「そうか、迷惑かけたな」と絵柄のついた年賀状を買ってアッサリ帰っていった。とんでもない要求でもされるんじゃないかと内心ドキドキしていた俺は拍子抜けしてキョトンとした顔で彼等を見送った。
まぁ、よく考えれば彼等だって何もむやみやたらに暴力を振りかざしてるわけではないし、だいたいこちらには殴られる理由もないわけで、俺のドキドキはその全てが杞憂だったわけだ。自分の小心っぷりに自分でビックリする結果になった。
ところで、その二人組が買った年賀状。鶴や富士山、寿と書かれた物の中からピンポイントで「くまのプーさん」をチョイスしていったのは何か意味があるんだろうか。
あの絵柄を思い出してみるとプーさん(熊)とティガー(虎)とピグレット(子豚)がハチミツを囲んでいるものだった。
ヤクザ(熊)とヤクザ(虎)に囲まれた俺(子豚)に対するメタファーだとしたらちょっと遠回し過ぎるんじゃないかな。
昨年2月に長いこと付き合っていた彼女とできちゃった婚をして、6月に子供が生まれたばかりということもあって友人夫婦と子供の写真入りの年賀状。あの傍若無人で「天は人の上に俺以外の人を作らず」な男が人の親になったかと思うと感慨深いものがある。
この友人の子供の顔を見たのは初めてじゃないが、改めて写真として見ると新鮮だ。それと同時にやっぱり子供って似る、という当たり前のことを思う。
友人夫婦はどちらも美形なので、どう転んでもいい気はするが、そうは言っても、どちらかと言えば奥さん似である方がいいかと思う。
昔、醤油顔とソース顔という例えがあったが、この友人をそういう調味料で例えるならカレー。もしくはナンプラー。とにかくオリエンタルというかエスニックというかそんな感じなので、もっと万人受けする美形の方がいい。
幸い、現段階ではかなり奥さん寄りの顔なのでそのままいくのが理想的だろうと思う。
ちなみに、俺が子供に触ろうとした時の、あの「俺に触れるな、この下郎が」とでも言いたげなむずがり方を見るにつけ、性格は完全に夫寄りなのでバランスはとれてるんじゃないかな。
友人へ。君によれば天は人の上に君以外の人を作らなかったらしいけど、君達夫婦は少なくとも俺の上に人を作ったようだよ。あと、「お前も早く息子を見せてくれ」は嫌味としては遠回し過ぎるんじゃないかな。長男誕生おめでとう。
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年賀状と言えば、昔コンビニでバイトをしていた時のことを思い出した。
そのコンビニの近所にはヤクザの事務所があり、その筋の人達がよく出入りしていて、ヒドイ時になると店員以外は暴走族とヤクザ、あとは私服警官しか店内にいない、なんて状況になる店だった。
そんな学生時代。あれは俺が二十歳くらいの頃。その日は1月の第二週目。
深夜2時。夜9時から朝9時までのロングシフトな上、1時から7時まで一人勤務だった俺はダラダラと雑誌を整理していた。
いい加減やる気も底をついてきた時間帯に来客チャイムがピンポンと店内に響く。誰か来たかと入口に目を向けると、そこには身長190cm程の全身白ジャージに身を包んだスキンヘッドで前歯のないオッサンと身長160cm程のスーツを着た前歯はあるが左手の小指のないオッサンが入ってきた。
一目見てそれとわかる独特の雰囲気。多分、普通の人よりはこの手の人は見ているはずだがいつになっても慣れない。
その二人が俺を見ると「オイ」と声をかけてきた。ドキドキしながら考えられる限りで最大の笑顔で「はい」と応えると、いいから来いという感じのジェスチャーをした。
何だろうと思いレジに行くと、二人は真剣な面持ちで「無地の年賀状は余ってないか」と聞いてきた。当然、1月も半ばに差し掛かろうという段階で無地の年賀状などあるわけもなく、ていうか、年明け前にインクジェット含めて全部売れてしまっていた。残ったのはレジの前に置かれた絵柄のついた物のみだった。
そうした旨を伝えると、その二人は「そうか、迷惑かけたな」と絵柄のついた年賀状を買ってアッサリ帰っていった。とんでもない要求でもされるんじゃないかと内心ドキドキしていた俺は拍子抜けしてキョトンとした顔で彼等を見送った。
まぁ、よく考えれば彼等だって何もむやみやたらに暴力を振りかざしてるわけではないし、だいたいこちらには殴られる理由もないわけで、俺のドキドキはその全てが杞憂だったわけだ。自分の小心っぷりに自分でビックリする結果になった。
ところで、その二人組が買った年賀状。鶴や富士山、寿と書かれた物の中からピンポイントで「くまのプーさん」をチョイスしていったのは何か意味があるんだろうか。
あの絵柄を思い出してみるとプーさん(熊)とティガー(虎)とピグレット(子豚)がハチミツを囲んでいるものだった。
ヤクザ(熊)とヤクザ(虎)に囲まれた俺(子豚)に対するメタファーだとしたらちょっと遠回し過ぎるんじゃないかな。